NetflixやAmazon Prime Video(アマプラ)で観られる「実話に基づく映画」から、人気映画ライター・ISOさんが5作品を厳選。画面の向こうに広がるのは、フィクションでは描ききれない現実のドラマ。想像を超える出来事が、観る人の心に強い印象を残します。「いいちこ」を片手に、世界のリアルな物語を旅してみませんか。
心に迫る、実話から生まれたドラマ
こんにちは、映画ライターのISOです。 奇抜な物語の映画を観ていたら、あとでそれが実話だと知り驚いた…という経験はありませんか? 私たちも知っての通り、世の中には「事実は小説より奇なり」な出来事が盛りだくさん。コロナ禍の前までは、ウイルスパンデミックで世界中の経済活動が停止する未来を誰が想像したでしょう(後に‟コロナ禍を予見した”と言われる映画『コンテイジョン』の脚本家スコット・Z・バーンズ曰く、「科学者の多くは皆予見していた」そうですが)。フィクションのような自由さや非現実性はありませんが、真実であるからこそより一層強まる驚きや感動、恐怖がノンフィクションにはあります。
そこで今回は「これが本当にあったの?」と驚く、実話を基に描いた映画5作をご紹介。「いいちこ」片手に世界中の驚愕実話を巡る映画の旅に出かけましょう。
おすすめ実話映画①|「JOY: 奇跡が生まれたとき」
監督:ベン・テイラー
出演:トーマシン・マッケンジー、ジェームズ・ノートン、ビル・ナイほか
2024年/イギリス/115分
こうして「試験管ベビー」は生まれた
【あらすじ】
1968年のイギリス。看護師のジーン・パーディ(トーマシン・マッケンジー)は、生物学者ロバート・エドワーズ(ジェームズ・ノートン)の研究室で助手として採用されます。2人は革新的な産婦人科医であるパトリック・ステプトー(ビル・ナイ)を勧誘し、オールダム病院のラボで不妊治療の研究を始めることに。それぞれの知識と技術を集結させて、妊娠を望む女性たちを対象に体外受精の臨床研究を進めていきます。ですがその研究がメディアに知られると、3人はカトリック教会からの強い反発に直面。とりわけ敬虔なカトリック教徒家系であるジーンは、母から「不妊治療は神への侮辱」と言われ半ば絶縁されてしまいます。さらには医学研究審議会から資金援助も断られる始末。逆境のなかでより一層研究への使命感を抱いた一行はついに体外受精による妊娠を成功させますが、更なる試練が彼女たちを待ち受けていて…。
【おすすめポイント】
世界初の体外受精児であるルイーズ・ジョイ・ブラウンが誕生するまでの困難に満ちた軌跡を映像化。今では当然の選択肢としてある「科学の力で妊娠を助けること」が、当時これほど目の敵にされていたことに驚きです。逆風や失敗でときに心を折られながらも、力を合わせ逆境に挑む3人の関係性が絶妙。ここまで苦悩しながら科学を前進させてくれた彼らに頭が上がりません。とりわけ胸を打つのは、信仰と科学の狭間で揺れながらも、苦しむ女性たちの選択肢を増やすために奮起したジーンの勇気。彼女たちのおかげでどれほどの人生が救われたのか。観終わったあとはその偉業に想いを馳せることでしょう。 爽やかに心を揺さぶるこの感動作と合わせたいのは、爽やかさと甘みのある味わいが特長の「いいちこシルエット」。炭酸割りでより爽快に堪能するのがおすすめです。
【「いいちこシルエット」とは?】

爽やかな果実の香りに、ほんのりと花のような香りが重なる「いいちこシルエット」。アルコール度数は25度ながら、やさしく穏やかな口当たりで、焼酎ビギナーにも親しみやすい一本です。炭酸水で割れば、心地よい刺激とともに、弾ける泡にのってふわりと広がる香りが楽しめます。
【炭酸割りの作り方】
① グラスに大きめの氷を入れ、「いいちこシルエット」を注いだ後に、炭酸水を氷に当てないよう静かに注ぎます。割合は、焼酎1:炭酸水3が目安です。
② 軽く混ぜ、仕上げにティースプーン1杯の「いいちこシルエット」を垂らしたら完成です。
▼あわせて読みたい ・「いいちこシルエット」は“爽やかな果実の香り”。世界的ソムリエが香りや味わいを解説!〈いいちこテイスティングノート③〉 ・【焼酎ハイボール(炭酸割り)】作り方のコツと絶品レシピ7連発 |
おすすめ実話映画②|「アルゼンチン1985 〜歴史を変えた裁判〜」
監督:サンティアゴ・ミトレ
出演:リカルド・ダリン、ピーター・ランサーニ、アレハンドロ・フレッチナーほか
2022年/アルゼンチン・アメリカ/141分
正義のため、軍事政権時代の闇を暴け
【あらすじ】
クーデターにより1976年に発足したアルゼンチンの軍事独裁政権は、政権崩壊まで「ゲリラ戦」を名目に多くの市民を誘拐・拷問・殺害しました。大統領選挙の結果、1983年に民政を取り戻したアルフォンシン大統領は軍事政権下での蛮行を罪に問うため、軍政の幹部たちを裁判にかけることに。フリオ・ストラセラ(リカルド・ダリン)は、未だ影響力の強い軍の圧力に身の危険を感じながらも、妻に後押しされ裁判の検事を引き受けます。
並大抵ではない裁判を前に、なかなか協力者を見つけられないフリオでしたが、新人のルイス・モレノ・オカンポ(ピーター・ランサーニ)副検事が助っ人として名乗りを挙げます。彼の提言で集った若者ボランティアに証拠集めを依頼したところ、軍政の恐ろしい行為が次々と明らかに。そして4ヶ月半後、国の正義を問う歴史的な裁判が幕を開け…。
【おすすめポイント】
人間の尊厳を踏みにじった軍政を裁くために立ち上がった人々の勇姿を描き、ゴールデングローブ外国映画賞に輝くなど世界的に高い評価を受けた法廷ドラマ。裁判を描く映画というとお堅い印象を受けますが、本作が秀逸なのは歴史に真摯に向き合いながらもユーモアを交えてその過程を軽妙に描いているところ。映画的なエンタメ性もばっちり担保されています。軍事政権時代に行われた蛮行の数々には思わず閉口してしまいますが、そんな政権の責任を問うため若者たちが団結するという展開はとても胸熱。アルゼンチンの名優リカルド・ダリンの演技は圧巻で、とりわけラストに彼が披露する長台詞には心を震わされます。 エンタメ性と社会性を兼ね備えた“これぞ映画”という本作と相性抜群なのは、“これぞ「いいちこ」”な「いいちこ25度」。渋そうだけど実は万人向け…という共通点のある梅干しサワーを飲みながら裁判の結末を見守りましょう。
【「いいちこ25度」とは?】

本格麦焼酎「いいちこ」シリーズの看板ともいえる、ロングセラーの一本。香り、味わい、うまみにこだわった原酒を、バランスよくブレンドしています。青リンゴや南国フルーツを思わせる香りと、クセのない澄んだ味わいが特長。さまざまな果実や食材とも相性がよく、梅干しサワーはもちろん、果実酒のベースにもぴったりです。
【梅干しサワーの作り方】
① グラスに氷を満たし、「いいちこ25度」を注いでよく混ぜます。
② 炭酸水を注ぎ、ゆっくり混ぜます。
③ 梅干しを一粒入れたら完成!
おすすめ実話映画③|「ぼくが生きてる、ふたつの世界」
監督:呉美保
出演:吉沢亮、忍足亜希子、今井彰人、ユースケ・サンタマリア ほか
2024年/日本/105分
ふたつの世界の狭間だから見えるもの
【あらすじ】
宮城県の小さな港町に暮らす少年・五十嵐大(吉沢亮)は、両親と祖父母と5人暮らし。友達の家族と違うのは、塗装職人の父・陽介(今井彰人)と母・明子(忍足亜希子)の耳がきこえていないこと。近所と家が世界のすべてだった幼い頃はそれが当然のことと思い、懸命に両親の手助けをしていた大ですが、成長するにつれて徐々に周囲の目を気にするようになってしまいます。やりきれなさを抱えた大は反抗期も相まって、冷たい態度を取っても愛情深く接してくる明子に酷い言葉をぶつける始末。やがて20歳になり、先行きが見えず鬱屈した日々を過ごしていた大は、父親に後押しされて上京することに。誰も自分の生い立ちを知らない東京で、パチンコ屋のアルバイトを始めた大ですが、そこで初めて両親以外のろう者・智子と出会い…。
【おすすめポイント】
作家・エッセイストの五十嵐大による自伝的エッセイを、『そこのみにて光輝く』などで知られる呉美保監督が映画化。きこえない・きこえにくい親をもつ聴者の子ども=「コーダ」としての葛藤と成長を、繊細かつやわらかな手つきで紡いでいきます。故郷を離れ、広い世界に触れることでようやく大事なことに気付く大の心の移ろいと、彼を遠くで想う母との絆。露骨に泣かせる演出を廃しながらも、ラストの美しさに自然と涙が零れてしまうことでしょう。『国宝』での名演が注目されている吉沢亮は本作でも見事。ろう者当事者が出演し、丁寧な監修を重ねたことも相まって生まれるリアリティに驚かされます。
多くの人の琴線に触れるであろうこの感動作と合わせたいのは、飲みやすく多くの人に愛される「いいちこ下町のハイボール REGULAR BLEND」。爽やかな後味が感動的な本作と相性抜群!
【「いいちこ下町のハイボール REGULAR BLEND」とは?】

本格麦焼酎「いいちこ」のおいしさを最大限に引き出すブレンドを追求し、炭酸の強さや、隠し味として加えたかぼすスピリッツの割合にもこだわって仕上げたハイボール。のど越しのよさはもちろん、すっきりとした飲みやすさとバランスのとれた香りが特長です。ジャンルを問わずさまざまな料理と相性がいいので、食事と一緒に楽しむのもおすすめ。
▼あわせて読みたい ・「いいちこ」らしく進化した新「いいちこ下町のハイボール」の魅力とは? |
おすすめ実話映画④|「レッド・バージン」
監督:パウラ・オルティス
出演:ナイワ・ニムリ、アルバ・プラナス、アイシャ・ビヤグラン、パトリック・クリアド ほか
2024年/スペイン/114分
娘は完璧な作品…のはずだった
【あらすじ】
20世紀初頭のスペイン。裕福で利発なアウロラ(ナイワ・ニムリ)は女性こそが人類の未来を担うと考え、「理想の女性」を創るため、親権を主張しない聖職者と性交渉し娘のイルデガルド(アルバ・プラナス)を出産します。優生学に則って徹底的な管理と教育を受けたイルデガルドはアウロラの計画通りに成長。4歳でタイピングするようになり、8歳で複数の言語を習得、14歳から法律と医学と哲学の履修を始め、17歳でスペイン最年少の弁護士に。
そして1931年、君主制崩壊直後のマドリード。性に関する論文が新聞に掲載されたイルデガルドは一躍有名人に。そんなある日、社会労働党青年部のアベル(パトリック・クリアド)に声をかけられ、親子で集会に参加。そこで男女平等を唱えるスピーチをしたイルデガルドによって、男だけだった社会労働党も徐々に変化していきます。女性たちのリーダーとして集会に通ううちにアベルと惹かれ合うイルデガルドでしたが、アウロラは2人の恋を許さず…。
【おすすめポイント】
イルデガルドが3発の弾丸で殺されたことを語るアウロラのモノローグから始まり、イルデガルドの成長と共にその謎が紐解かれていくという悲痛な構成で物語が展開されていく本作。先進的なフェミニストであったイルデガルドは女性の精神的・肉体的な自由を訴えますが、母はそんな娘を優生学で創り上げた「作品」と考えていました。女性の自由を唱えながら、彼女は常に母から支配・抑圧されていたのです。それでも恋を知り、世界を知るなかで自分らしく生きようともがくイルデガルドの姿はとても魅力的。そんな彼女がなぜ、誰に殺されたのか。その衝撃的な物語が実話であることにただただ驚くばかりです。
重い余韻を心に残す本作のお供に最適なのは、同じく重厚な味わいが口のなかに広がる「いいちこスーパー」。ロックでその重みと深みをじっくり堪能するのがおすすめです。
【「いいちこスーパー」とは?】

ブルーのボトルが印象的な「いいちこスーパー」。爽やかさを秘めた香りの原酒、深いうまみの原酒、長期熟成を重ねたスーパー原酒の3種を絶妙なバランスでブレンドした一本です。やわらかな琥珀色と、重厚で深みのある余韻が特長。ロックで味わえば、時間の経過とともに少しずつ変化していく味わいのグラデーションを楽しめます。
【ロックの作り方】
① ロックグラスに氷を入れ、マドラーで混ぜてグラスを冷やします。
② 氷が溶けた水を捨てたら、グラスの半分くらいを目安に「いいちこスーパー」を静かに注ぎます。
③ 焼酎と氷をしっかりなじませるように混ぜ合わせたら完成です。
★ロックのおいしさは氷が命。使用する氷は、硬くて溶けにくい市販のロックアイスがおすすめです。
▼あわせて読みたい ・「いいちこスーパー」は“リッチなドライフルーツの香り”。世界的ソムリエが香りや味わいを解説!〈いいちこテイスティングノート④〉 ・【焼酎のロック】本当においしい作り方とは? 度数による味の違いも解説! |
おすすめ実話映画⑤|「アイズ・オン・ユー」
監督:アナ・ケンドリック
出演:アナ・ケンドリック、ダニエル・ゾヴァット、トニー・ヘイル ほか
2024年/アメリカ/89分
理想のデート相手、その正体は殺人鬼?
【あらすじ】
1970年代のロサンゼルス。駆け出しの俳優であるシェリル(アナ・ケンドリック)は、なかなか仕事が決まらずうだつの上がらない日々を過ごしていました。そんなある日、彼女はエージェントに言われるがまま、渋々生放送のテレビ番組「ザ・デートゲーム」に出演することに。その内容はというと「1人の女性が3人のバチェラーにいろんな質問をしてデート相手を選ぶ」というもの。スタジオに向かった彼女を待ち受けていたのは、男性司会者と製作陣による性差別的な発言や指示でした。
番組が始まるとシェリルは男性へ質問をしつつ、持ち前のスマートさでうまく番組を盛り上げます。そんな出演者たちを観て、恐怖に震える女性・ローラが観客席にいました。実は出演するバチェラーのなかに、かつて彼女の親友を殺害したと思しき男性が紛れていたのです。ローラは慌てて番組プロデューサーにそのことを伝えようとしますが…。
【おすすめポイント】
女性を対象とした殺人=フェミサイドを繰り返したシリアルキラー、ロドニー・アルカラの恐るべき姿を複数の時系列から描くクライム・スリラー。女性たちがアルカラに襲われる事件を行き交いつつ、物語はシェリルとアルカラが出会うテレビ番組に焦点を絞っていきます。そこでじわじわとシェリルに狙いを定めるアルカラの様相を描いていきますが、本作が特異なのはフェミサイドのみならず、エンタメ業界や社会に巣食う女性蔑視や性差別を浮き彫りにしていくこと。シェリルに襲いかかるのはアルカラの毒牙だけではないのです。実在の事件から未だ根深く残る問題に肉薄する、監督・主演のアナ・ケンドリックの手腕は見事。これが初監督作品だというのだから驚きです。
こんなことが実際にあったとは…と背筋が凍る本作は、飲みやすい「いいちこ20度」と合わせるのがおすすめ。ほっこり身体を温めてくれるお湯割りで恐怖を中和してみては?

黄色いキャップが目印。白い花のような香りと、まろやかな果実の風味が特長の本格麦焼酎です。焼酎のなかではアルコール度数が低めで、焼酎ビギナーはもちろん、やさしく心地よく酔いたいときにもぴったり。お湯割りにすれば、やわらかな香りがふんわり立ちのぼり、伸びやかなうまみが楽しめます。
【お湯割りの作り方】
① 耐熱グラスにお湯、「いいちこ20度」の順番で注いだら完成です。
★お湯を先にグラスに入れることで、かき混ぜなくても自然に混ざり、まろやかな味わいに。焼酎の香りを感じたいときは「焼酎6:お湯4」、食事に合わせたいときは「焼酎5:お湯5」、焼酎ビギナーさんには「焼酎4:お湯6」がおすすめです。
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科学の進歩に歴史的裁判、心温まる親子愛や狂気の事件。その内容や規模はさまざまですが、これらすべてが事実に基づいていることに改めて驚くばかり。どれも映画的に優れた作品ばかりなので、その点もご安心を。過去にこんな歴史や出来事があったと知ることで、学べたり今後に生かせることがあるかもしれませんよ。今夜は「いいちこ」と一緒にぜひ「現実の奇妙さ」を堪能してみては?

ISO
1988年、奈良県生まれのフリーライター。劇場プログラムやさまざまな媒体で映画評、解説、インタビューを担当するほか、音楽作品のレビューや旅行関係のエッセイも執筆。
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※記事の情報は2025年9月9日時点のものです。