NetflixやPrime Video(アマプラ)で観られるおすすめの「料理映画」を、人気映画ライターのISOさんがセレクト。つくる喜びや食べる幸せ、さらには人生までもが詰まった、とっておきの5作品をご紹介します。おいしい食事と「いいちこ」とともに作品を味わえば、心もお腹も満たされること間違いなし。至福のひとときをぜひご自宅でどうぞ。
「料理映画」で、最高の晩酌タイムを
こんにちは、映画ライターのISOです。最近引っ越しをしたのですが、近所においしいご飯屋さんがたくさんあるおかげで、心なしか以前より毎日が輝いて見えます。やはり豊かな生活にはおいしい料理が欠かせない…改めてそんなことを感じる今日この頃。おいしい料理って、味わうのは当然最高ですが、不思議と見るだけでも心が満たされませんか? そのせいか、映画の中でも「料理」をモチーフとしたものはとりわけ鑑賞後の満足度が高いような気がします。しかも普段は食べられないような世界各国の料理を堪能できるというのも料理映画のいいところ。
そこで今回は配信で視聴できる彩り豊かな「料理映画」をご紹介。庶民派の家庭料理に高級料理、イタリアンにフレンチ、とっておきのスイーツまで、あらゆる角度から頭と胃を刺激する、特別な5皿です。観ているうちにきっとお腹が空くので、ぜひ食事の用意もご一緒に。どんな料理のおいしさも引き立ててくれる「いいちこ」を片手に、おいしい時間をご堪能あれ。
おすすめ料理映画①|「マンジャーレ! ノンナのレストランへようこそ」
監督:スティーブン・チョボスキー
出演:ヴィンス・ヴォーン、スーザン・サランドン、ロレイン・ブラッコ、タリア・シャイア、ブレンダ・ヴァッカロ ほか
2025年/アメリカ/114分
そこは胃袋も心も満たすレストラン
【あらすじ】
ニューヨークの交通局で働くジョー(ヴィンス・ヴォーン)は最愛の母を亡くしたばかり。心の穴を埋めるように、かつてノンナ(祖母)と母が振る舞ってくれた絶品イタリアンを再現しようとするも、ノンナお手製のグレイビーソースだけはどうしても再現できません。「母が遺したお金で新しい一歩を踏み出すべき」と親友ブルーノとその妻ステラに後押しされたジョーは、ふと訪れたスタテン島でイタリアン・レストランを開こうと思いつき空き店舗を衝動買いします。
ノンナの料理で家族の温かみを客に感じてもらいたいと考えたジョーがシェフとして雇ったのは、母の親友ロベルタを始めとする4人の“ノンナ(お婆ちゃん)”たち。性格もレシピもバラバラな彼女たちは衝突してばかりなうえ、ジョーは経営者としてはど素人。それでも周囲の助けを借りながらなんとか開店まで漕ぎ着けるも、店はまだまだ苦難続きで…。
【おすすめポイント】
『ワンダー 君は太陽』のスティーブン・チョボスキー監督が、スタテン島にある実在のレストランを題材に描いた心温まるお料理コメディ。“家族の味”を題材に、次々と映し出される色鮮やかなイタリア料理が堪らなく食欲をそそります。大女優たちが演じるノンナのキャラクターがとにかく強烈で、たちまち魅了されること間違いなし。暴言を吐きまくる彼女たちだからこそ、そこに芽生える友情は感動的です。ビリー・ジョエルの大名曲「イタリアン・レストランで」が響くワンシーンの素晴らしさったら! 本作を観ればたちまちモデルとなったお店に行きたくなることでしょう。
多くの人に愛されるであろう魅力がギュッと詰まったこの映画には、王道ど真ん中の「いいちこ25度」を組み合わせるのがおすすめ! トマト酒にしてイタリアの風味を味覚でも堪能してみるのはどうでしょう。
【「いいちこ25度」とは?】

本格麦焼酎「いいちこ」シリーズの顔とも言えるベストセラー。香り、味わい、うまみを重視した原酒をバランスよく配合しており、青リンゴや南国系フルーツのような香りと、クセがなく澄み切った味わいが特長です。さまざまな果実、食材とのなじみもよく、漬け込み酒のベースにもぴったりです。
【トマト酒の作り方】
① 消毒した保存瓶に、半分にカットしたミニトマトと氷砂糖を入れ、「いいちこ25度」を注ぎます。
② 漬け込んでから1週間経ったら完成です。
※自家製漬け込み酒をつくる場合、酒税法の規定で、アルコール20度以上の酒類で漬けなければならず、ぶどうや穀類等と一緒に漬けることは禁止されています。自家製漬け込み酒は、他者への提供や販売、譲渡はできません。
おすすめ料理映画②|「ボイリング・ポイント/沸騰」
監督:フィリップ・バランティーニ
出演:スティーヴン・グレアム、ジェイソン・フレミング、ヴィネット・ロビンソン ほか
2021年/イギリス/95分
一発触発のレストランで始まる喧騒の夜
【あらすじ】
アンディ(スティーヴン・グレアム)はロンドン屈指の人気高級レストランのオーナーシェフでありながら、ここしばらくは災難続き。妻子とは別居し、寝不足による疲労困憊で仕事もミスばかり。おまけに多忙なクリスマス前の金曜日の夜、衛生管理検査が入って店の評価が下げられる始末。自身の失敗を棚に上げて従業員に当たり散らしますが、有能なスーシェフに支えられなんとか冷静さを取り戻します。
開店時間になると店は予約客で瞬く間に満席に。おまけにアンディをライバル視する有名タレントと料理評論家の予期せぬ訪問で厨房の緊張は高まります。予約超過と安い賃金に不満を抱えながらもスタッフたちと必死に働きますが、店のあちこちで問題が次々と噴出。やがて店の存続を左右する致命的な事態が発生し、アンディは窮地に立たされることに…。
【おすすめポイント】
「2025年のベストドラマ」と世界中で話題沸騰中のNetflixシリーズ『アドレセンス』の監督&主演コンビが創り出す緊迫の厨房ドラマ。驚異的なのは編集やCGを用いず撮られた95分ワンショットの映像。完璧な動線でレストラン中を駆け回るカメラが一瞬も無駄なくドラマを駆動させ、依存症や人種差別などの社会問題の片鱗を捉えながら高まる緊張と人々の焦りを演出していく様には快感すら覚えます。息もつかせぬ面白さとはまさにこのこと。いろんな職場で起こり得る崩壊までのカウントダウンを、これほどまでスリリングなエンタメとして出力した監督の手腕に驚きです。
この重厚かつ緻密につくられた逸品に合うのは、同じく重みと細やかさを兼ね備えた味わいが特徴的な「いいちこスーパー」。力強いストレートで味わいながら、本作の驚異的な緊迫感を前のめりで堪能しましょう。
【「いいちこスーパー」とは?】

ブルーのボトルが印象的な「いいちこスーパー」。爽やかさを秘めた香りの原酒、深いうまみの原酒、そして長期熟成を経たスーパー原酒の3つの原酒を絶妙にブレンド。重厚で深い余韻が楽しめる、やわらかな琥珀色の焼酎です。
おすすめ料理映画③|「ウィ、シェフ!」
監督:ルイ=ジュリアン・プティ
出演:オドレイ・ラミー、フランソワ・クリュゼ、シャンタル・ヌービル ほか
2022年/フランス/97分
未来を掴むための極上の一皿を
【あらすじ】
人気レストランで働くスーシェフのカティ(オドレイ・ラミー)は、自分の店を持つことを目標に日々働いていましたが、味より見た目重視のオーナーシェフに我慢ならず、勢いのまま仕事を辞めてしまいます。新たな働き口を探すも、腕は立つものの人付き合いが下手なカティを雇ってくれるところはなかなかありません。そんな彼女がやっとのことで見つけた働き先は、滞在許可を持たぬ移民の少年たちが暮らす自立支援施設でした。
まともな食材も器材もない厨房で仕事をこなすため、カティは少年たちを調理アシスタントにすることに。はじめはぎこちない関係のカティと少年たちでしたが、料理を教えるなかで少しずつお互いかけがえのない存在へと変わっていきます。カティの姿に感化された少年たちはシェフとしての夢を持ち始めますが、彼らの前に残酷な現実が立ち塞がり…。
【おすすめポイント】
未成年の移民を調理師として育成し、フランスでの安定した暮らしを支援する実在のシェフ、カトリーヌ・グロージャンに着想を得てつくられた一作。孤独なシェフと子どもたちが料理を介して心の穴を埋めていく王道の人情ドラマであると同時に、フランスの移民を取り巻く過酷な状況を知らしめ、彼らの可能性を標榜する社会派ドラマでもあります。他者と関わろうとしなかったカティが、少年たちのために取るアクションが実に感動的。そういった切実なテーマ性を込めながらも、コメディとしても秀逸なのが本作の魅力です。個性豊かな登場人物の姿に思わず声を出して笑ってしまうかも。
芳しい料理のなかに深いテーマが込められた本作のお供には、長期貯蔵の本格焼酎「いいちこスペシャル」が最適。映画と呼応する豊かな香りとまろやかな深みをじっくり味わうためにも、ロックでゆったり飲んでみては?
【「いいちこスペシャル」とは?】

オリジナル酵母が生み出す、バニラのような甘くやさしい香りと、樽で熟成された琥珀色の美しさが魅力です。 ロックで楽しめば、氷が少しずつ溶けるにつれてまろやかさが増し、時間とともに変化する味わいの奥深さを感じられます。
【ロックの作り方】
① ロックグラスに氷を入れ、マドラーでステアしてグラスを冷やします。
② 氷が溶けた水を捨てたら、グラスの半分くらいを目安に「いいちこスペシャル」を静かに注ぎます。
③ 焼酎と氷をしっかりなじませるようにステアしたら完成です。
★ロックのおいしさは氷が命。使用する氷は、硬くて溶けにくい市販のロックアイスがおすすめです。
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おすすめ料理映画④|「私がケーキを焼く理由」
監督:トリッシュ・シー
出演:ヤラ・シャヒディ、オデッサ・アジオン、ベット・ミドラー ほか
2023年/アメリカ/120分
ケーキが私たちにくれたもの
【あらすじ】
ロサンゼルスで一緒に暮らすジェーン(ヤラ・シャヒディ)とコリン(オデッサ・アジオン)は子どもの頃からの大親友。2人の性格は正反対で、社交的なコリンに対しジェーンは内向的でなかなか人と打ち解けることができません。ケーキ作りが大得意なジェーンは、コリンの誕生日にとっておきのケーキを焼いて仲間が集うバーで披露します。コリンの提案でバーにいるみんなにケーキを振る舞ったところ、ジェーンは一躍大人気に。その姿を見たコリンは、ジェーンにいろんな出会いをしてもらいたいとある提案を行います。それは「1年間、毎週バーに手作りケーキを持っていく」というもの。
コリンに選んでもらったドレスに身を包み、いろんなバーで男たちと交流するなかで少しずつ自信を得ていくジェーン。しかしすべてが順風満帆と思われたある日、コリンが病に蝕まれていることが発覚します。それでも2人は支え合いながら、ケーキ・バー活動を続けますが…。
【おすすめポイント】
原作・脚本を手掛けたオードリー・シュルマンの経験を基にした甘くも切ない友情の物語。当初は出会いを広げるために始めたケーキ作りが、徐々にジェーンが自分を発見・成長させる手段となり、やがて主人公2人のつながりを示すものへと変遷していくプロセスに胸を打たれます。50種類のケーキはどれもおいしそうで、それを紹介していく手法もユニーク。『ピッチ・パーフェクト ラストステージ』のトリッシュ・シー監督が描く女性たちの絆は今作でも魅力たっぷり。気づけば感情移入していること確実です。
優しさと切なさの両面を持つ本作には、麹由来の深くやさしい甘み持つ「いいちこ日田全麹」がぴったり。ロサンゼルスの青春映画らしく軽快さもある作品なので、シュワッと爽やかな炭酸割りで味わってみるのがおすすめです。
【「いいちこ日田全麹」とは?】

良質な大麦からつくった大麦麹のみを原料に、贅沢な「全量大麦麹仕込み」を行った本格焼酎。かぐわしい香りと深くやさしい濃厚な味わいが特長です。炭酸で割ると、麹由来の甘い香りがパッと引き立ちます。
【炭酸割りの作り方】
① グラスに大きめの氷を入れ、「いいちこ日田全麹」を注いだ後に、炭酸水を氷に当てないよう静かに注ぎます。割合は、焼酎1:炭酸水3が目安です。
② 軽く混ぜたら、仕上げにティースプーン1杯の「いいちこ日田全麹」を垂らして完成です。
おすすめ料理映画⑤|「トスカーナの幸せレシピ」
監督:フランチェスコ・ファラスキ
出演:ヴィニーチョ・マルキオーニ、ルイジ・フェデーレ、ヴァレリア・ソラリーノ ほか
2018年/イタリア/92分
人生のスパイスとなる旅に出る
【あらすじ】
超一流の腕前を持つシェフのアルトゥーロ(ヴィニーチョ・マルキオーニ)は、仲間の裏切りにより自分の店を奪われた挙句、暴力事件で服役してしまい何もかもを失ってしまいます。社会奉仕活動を命じられた彼は、嫌々ながらも自立支援施設「サン・ドナート園」でアスペルガー症候群の若者たちに料理を教えることに。荒っぽい性格からつい粗暴な態度を取るアルトゥーロでしたが、若者のひとりであるグイド(ルイジ・フェデーレ)が料理の材料を完璧に言い当てられる“絶対味覚”の持ち主であることを見抜きます。
アルトゥーロに料理を教わるうちに自信をつけたグイドは、トスカーナで開催される「若手料理人コンテスト」に出場することを決意。アルトゥーロも指導役として仕方なく同行することとなり、トスカーナに向かう2人のロードトリップが始まります。ともに過ごすうちに少しずつ互いを理解し、受け入れ、友情を育んでいく彼ら。ですが同時にアルトゥーロに再起のチャンスとなる話が舞い込んできて、彼は決断を迫られることに…。
【おすすめポイント】
それぞれ長短ある正反対の2人が、友情を育みながら車を走らせるバディもののロードムービー。凸凹コンビと呼ぶにふさわしい主人公2人のやりとりが時に可笑しく、時にドラマチックに心を揺さぶります。時折危うさも感じさせつつ、旅のなかで自分なりの「適量」を学んでいくという物語の構造も巧みで、イタリア映画らしい陽気な空気感も魅力的。トスカーナまでの牧歌的な景観に美しい建築物に料理と、視覚からも幸福を味わえることでしょう。正しい理解とサポートで人の可能性はずっと広げることができるのだ、という共生社会に向けた誠実なメッセージも垣間見える一作です。
爽やかな本作に合わせるなら、フルーティな香りが立つ「いいちこシルエット」で決まり。すっきり優しい作風に合わせて水割りで飲めば、身も心も満たされること間違いなし!
【「いいちこシルエット」とは?】

爽やかな果実の香りと、控えめな花のような香りが特長の「いいちこシルエット」。アルコール度数は25度ですが、やさしく穏やかな味わいで焼酎初心者さんにもおすすめです。数ある「いいちこ」商品のなかでも大麦麹が贅沢に使用され、麹由来の上品な甘みが楽しめます。
【水割りの作り方】
① 氷を入れたグラスに「いいちこシルエット」と水を1:1の割合で注ぎ、軽く混ぜたら完成です。
★焼酎を先に注ぐことで、混ざりやすくなります。
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「料理映画」と聞くと多くの人が「ほっこり楽しいコメディ」を想像することでしょう。そこで今回はそのど真ん中をゆく王道コメディに加え、戦々恐々のスリリング厨房劇、社会派料理ドラマなど意外性ある作品もセレクトしてみました。この味わいの多様さこそが料理の面白さでもありますね。
酷暑でへばってしまい食欲が湧かない…という季節がもう目前に近づいていますが、そんなとき映画のパワーで目から食欲を刺激してみるのもいいかもしれません。私自身、紹介しながら思わずお腹が空いてきましたので今回はこのへんで。

ISO
1988年、奈良県生まれのフリーライター。劇場プログラムやさまざまな媒体で映画評、解説、インタビューを担当するほか、音楽作品のレビューや旅行関係のエッセイも執筆。
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※記事の情報は2025年6月10日時点のものです。