「いいちこ」は、大麦や大麦麹を原材料とした本格麦焼酎です。では、そもそも焼酎とはどんなお酒で、麦焼酎にはどんな魅力があるのでしょうか? 今回は、焼酎の基礎知識や、麦焼酎の特徴、飲み方についてご紹介します。

※この記事内の「麦焼酎」は、主に三和酒類が製造する麦焼酎を指します。

「麦焼酎」を知る前に…そもそも「焼酎」とは?

日本には、「日本酒」と「焼酎」という2つの伝統的なお酒があります。その大きな違いは、日本酒は「醸造酒」であるのに対し、焼酎は「蒸留酒」であることです。

日本酒は原料のお米を発酵させてもろみにし、それを搾ってつくられます。一方、焼酎は原材料(麦、米、芋など)を発酵させてもろみにし、それをさらに蒸留したもの。もろみをそのまま搾ってつくられるのが「醸造酒」。もろみを蒸留してつくられるのが「蒸留酒」です。

▼「醸造酒」と「蒸留酒」の違い

醸造酒と蒸留酒の違い

焼酎は、蒸留方法の違いにより「単式蒸留焼酎」と「連続式蒸留焼酎」という2種類に分かれます。麦焼酎は、原料の持ち味を程よく生かす単式蒸留機で蒸留された焼酎です。

●単式蒸留焼酎
単式蒸留機で蒸留したもので、アルコール分が45度以下の焼酎を指し、原料由来の香りや旨みを感じられるのが特徴。麦、米、芋など指定された原料を使った単式蒸留焼酎は「本格焼酎」と呼ばれる。

●連続式蒸留焼酎
連続式蒸留機で蒸留したもので、アルコール分が36度未満の焼酎を指し、クリアな風味が特徴で、チューハイや梅酒などの果実酒用として使われることが多い。

▼「単式蒸留焼酎」と「連続式蒸留焼酎」の違い

「単式蒸留焼酎」と「連続式蒸留焼酎」の違い

麦焼酎の原料は「大麦」、「麹」、「水」

麦焼酎の原料①「大麦」

麦畑

九州は本格焼酎の生産が盛んな地域で、約300もの蒸留所が点在しており、その地域ごとに育まれる豊かな農産物を原料とした多様な味わいの焼酎が九州各地で生産されています。

この地域に根差した多様な原料こそが本格焼酎の大きな魅力であり、それゆえ本格焼酎は、地域の文化と切り離せないお酒なのです。

三和酒類が本社を置く大分県も、もともと麦の栽培が盛んな地域で、そこから麦焼酎も生産されるようになりました。

麦焼酎に使われるのは「二条大麦」と呼ばれる大麦で、ビールやウイスキーの原料にも使われます。ちなみに、大麦1kgからおよそ1升(1800ml)分の麦焼酎(25度)ができます。

▼麦焼酎の原料「大麦」についてさらに詳しく!
麦焼酎の原料①身近なのに意外と知らない「大麦」のはなし

麦焼酎の原料②「麹」

麹

「麹(こうじ)」とは、麦、米などの穀物に麹菌を繁殖させたものです。麹菌は穀物に含まれるでんぷんを糖に変える働きをもち、焼酎もろみはその糖が酵母の力でアルコールに変わることでつくられます。さらに麹は酵母とともに働いて、様々な旨味や香り成分をつくり、焼酎に豊かな香味をもたらします。

麦焼酎「いいちこ」に使用されているのは「大麦麹」。精麦して蒸した二条大麦に麹菌を加えて大麦麹をつくります。

▼麦焼酎の原料「麹」についてさらに詳しく!
麦焼酎の原料②焼酎に豊かな香味をもたらす「麹(こうじ)」のはなし

▼「大麦麹」のつくり方についてさらに詳しく!
焼酎のつくり方~「いいちこ」ができるまで~

麦焼酎の原料③「水」

水

昔から「名水あるところに銘酒あり」と言われる通り、おいしい麦焼酎づくりにも良質な「水」が欠かせません。

酒蔵の多くが水質のよい川や上質な水脈の近くにあるように、「いいちこ」の製造場も豊かな自然の中にあり、その環境から生み出される、やわらかで良質な地下水を仕込み水として使用しています。硬度は60mg/l前後の「やや軟水」。焼酎づくりにとってマイナス要素となる「鉄」や「マンガン」、「有機物」が少なく、発酵の際に酵母が栄養とするミネラル成分をほどよく含む酒づくりに理想的な水です。

▼麦焼酎の原料「水」についてさらに詳しく!
麦焼酎の原料③酒のおいしさを育む陰の立役者「水」のはなし

麦焼酎の製造工程―「いいちこ」ができるまで―

麦焼酎づくりには「原料選び・下準備」から「仕上げ」に至るまで大きく分けて6つの工程があります。「いいちこ」の製造工程を例に簡単にご紹介しましょう。

①原料選び・下準備

①原料選び・下準備

まずは原料選び。粒が大きく揃っていて、でんぷんが豊富な二条大麦を厳選します。次に「精麦(せいばく)」とよばれる加工へ。­­雑味のもとになる成分を含む穀皮などを取り除き、麦を磨き上げます。

②麹づくり

麹づくり

精麦した二条大麦を水に浸けて蒸し、麹菌を散布。製麹(せいきく)室へ移して麹菌を繁殖させます。麦粒の表面に付いた麹菌が増えて、毛羽立ったような状態になったら大麦麹の完成。

③仕込み

仕込み

大麦麹に水と酵母を加え、「一次仕込み」を行ないます。5日間ほどで「酒母」と呼ばれる「一次もろみ」が出来上がります。続いて「二次仕込み」へ。一次もろみに水、蒸した大麦を加えて1~2週間かけて発酵を進め、「二次もろみ」をつくります。

④蒸留

蒸留

二次仕込みを終えた二次もろみを蒸留機に入れて加熱し、発生したアルコールを含んだ蒸気を冷却して原酒を取り出します。麦焼酎「いいちこ」をはじめとする本格焼酎は、原料の持ち味を程よく生かす「単式蒸留」によって蒸留されます。

⑤貯蔵・熟成

貯蔵・熟成

蒸留したての焼酎原酒をタンクや樽などで一定期間貯蔵。刺激の強い揮発性の成分が除かれ、よりバランスの良い香味になります。

⑥仕上げ

仕上げ

貯蔵・熟成を終えた焼酎の原酒に、さまざまな焼酎原酒をブレンドしたり割り水を加えたりして、酒質(香りや味わい)やアルコール度数を最終調整します。完成した「いいちこ」は、瓶やパックに詰められて出荷されます。

▼麦焼酎の製造工程についてさらに詳しく!
焼酎のつくり方~「いいちこ」ができるまで~

麦焼酎はカロリーが抑えやすく、初心者にも飲みやすい

「いいちこ」の飲用シーン

麦焼酎は、麦のやわらかな香りや味わい、うまみが感じられ、飲みやすさがあります。また、和食に限らず、どんな料理にも合わせやすいという魅力を持っています。

さらに、健康面でもうれしい特徴があります。麦焼酎(25度)100mlあたりのカロリーは140kcal前後ですが、水やお湯、炭酸などで割って飲むことが多いため、飲み方によってカロリーが抑えられるんです。しかも麦焼酎は蒸留酒なので、糖質ゼロ、プリン体もゼロ。適量を守れば体にも優しいお酒です。

また、基本的には「賞味期限」がありません。未開栓であれば風味の変化も起きにくいため、家に常備しておけるというメリットもあります。

▼焼酎のカロリーや糖質についてさらに詳しく!
焼酎100mlのカロリー、糖質はどのくらい? 飲み方別のカロリーも算出!

焼酎の賞味期限についてさらに詳しく!
焼酎に賞味期限はある? ベストな保存方法とは?

麦焼酎は多彩な飲み方が楽しめるのも魅力

さまざまな飲み方が楽しめるのも、麦焼酎の大きな魅力のひとつです。

定番のストレートや水割り、お湯割り、オン・ザ・ロック、ソーダ割りのほか、「いいちこ」を使ったアレンジレシピとして「いいちこ究極のお茶割り」や「いいちコーヒー」、「いいちこスパイシーハイボール」などもおすすめです。

「いいちこ究極のお茶割り」

低い温度で抽出することで、茶葉の旨みが「いいちこ」にプラスされ、驚くほどまろやかで甘み溢れるお茶割りが味わえます。

「いいちコーヒー」

コーヒーの苦味と「いいちこ」のスッキリ感がマッチ。さらにアイスクリームを浮かべると、大人のデザートにもなります。

「いいちこスパイシーハイボール」

スパイシーな風味が「いいちこ」を引き立てて、新感覚のおいしさ。胡椒の代わりに山椒を入れても爽やかな味が楽しめます。

▼「いいちこ究極のお茶割り」についてさらに詳しく!
【お茶割り】麦焼酎「いいちこ」を使った“究極のお茶割り”の作り方

▼「本格焼酎ハイボール」の楽しみ方についてさらに詳しく!
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好きな飲み方で、好きな料理に合わせて楽しめる麦焼酎は、食中酒としておすすめのお酒なのです。

※記事の情報は2021年1月15日時点のものです。(2021年5月28日更新)