大分県出身のフードアドバイザー・神谷禎恵(かみやよしえ)さんが、全国のみなさんにぜひ食べてほしい地元大分のお取り寄せグルメをレコメンド! 今回ご紹介するのは、由布院を代表する名宿「由布院 玉の湯」、「亀の井別荘」、「山荘無量塔(さんそうむらた)」の極上おつまみ。旅情に誘われながら、ちょっと贅沢な家飲みをお楽しみください。

一生に一度は訪れたい、由布院の三大名宿

秋といえば行楽の季節。今回はお家にいながらも、つかの間の旅気分を味わっていただきたく、由布院の名旅館からお取り寄せできるグルメをご紹介します。

麦焼酎「いいちこ」の製造元、三和酒類がある大分県宇佐市からもほど近い由布院温泉。かつてはのどかな田舎の風景だけの温泉地でしたが、今や「一度は訪れてみたい」と言われるほどの全国的にも知られる観光地になりました。その背景には、地道な努力で地域を盛り上げてきた“御三家”と言われる名旅館の存在があります。

【由布院 玉の湯】

【由布院 玉の湯】

そのひとつ「由布院 玉の湯」は、由布院を代表する名宿。会長である溝口薫平(みぞぐちくんぺい)氏は、由布院温泉のまちづくりの一翼を担ってきた観光カリスマとしても有名です。敷地内には丁寧に手入れされた雑木林が広がり、そのなんとも牧歌的で癒される風景の中に離れタイプの客室やカフェが点在しています。実は、玉の湯はもともと1953年に禅寺の保養所としてスタート。「身体を休め、心も体も元気に」という思いは、宿泊客に供される野菜をふんだんに扱ったお料理にも表れています。

【亀の井別荘】

亀の井別荘

「亀の井別荘」は朝霧がかかることで有名な金鱗湖のほとりにある、同じく由布院を代表する老舗旅館です。「別荘」と名前にある通り、もともとは別府温泉に亀の井旅館(現別府亀の井ホテル)を開き観光開発に尽力した油屋熊八(あぶらやくまはち)の別荘として大正時代に建てられました。約1万坪を誇る広大な敷地の庭内には源泉が湧き出で、宿泊客は一晩中天然掛け流しのお湯が愉しめます。また、近年リニューアルされた客室も多く、離れのお部屋食では選りすぐりの食材をこだわりの器で提供。そうした一品一品のお料理にも、この宿が大切にするおもてなしの心を感じることができます。

【山荘無量塔】

【山荘無量塔】

「山荘無量塔(さんそうむらた)」は、金鱗湖のほとりにあった人気飲食店「無量塔」に端を発し、1992年に場所を変えて創業。森の中に佇む古民家を移築した離れの客室はそれぞれに趣が異なり、調度品などはどれも芸術的とも言える見事な設えです。お食事も、由布院の四季の移ろいを感じる目にも美しい山里料理が並びます。また、敷地内にはラウンジやカフェ、蕎麦処、ギャラリーなども点在。創業者である藤林晃司氏の美意識が至るところに宿り、御三家のひとつに数えられるようになりました。

由布院が温泉地として揺るぎない地位を築いた背景には、この三つの旅館の尽力のもとに街全体がひとつとなって訪れる人を招き、おもてなしをしてきた歴史があります。そんな由布院御三家からお取り寄せできる、「いいちこ」に合うおつまみをさっそくご紹介しましょう。

大豆の香ばしさについ手が伸びる! 由布院 玉の湯の「精進豆」

由布院 玉の湯の精進豆

「精進豆」は、禅寺の保養所としてはじまった玉の湯が創業当時から作り続けている伝統の味。今でも夕食時に小鉢として宿泊客に供されることもあるのだそうです。

国産の大王錦白大豆をからりと揚げて醤油と砂糖をしっかりと絡め、たっぷりのごまがふりかけてあります。大豆の「パリッ、ポリッ!」と小気味よい食感と豊かな風味が後を引くおいしさ。唐辛子の辛味もいいアクセントとなっていてお酒のお供にもぴったりです。

そんな精進豆には「いいちこ日田全麹」のロックはいかがでしょうか? 「日田全麹」は大麦麹だけが使われていて、そのやさしくも深い味わいが大豆の香ばしい風味ととても相性がいいのです。

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【お取り寄せ情報】

・「精進豆」650円

販売元:由布院 玉の湯
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チーズと味噌の旨味に浸る。亀の井別荘の「盆地風チーズの味噌漬け」

亀の井別荘の「盆地風チーズの味噌漬け」

亀の井別荘からは「盆地風チーズの味噌漬け」をご紹介します。国産のクリームチーズを甘めの味噌にじっくり漬け込んだもので、まろやかな味わいのなかにもチーズと味噌の風味が絶妙に効いています。当初は宿泊客の夕食内で提供されていましたが、好評だったため、持ち帰り用にも商品化されたとのこと。

そのまま食べるのはもちろん、薄くスライスしてクラッカーにのせたり、バゲットに塗ったりしてカナッペ風にすればお酒のおつまみにもってこい。柚子ごしょうをのせて食べるのもおすすめです。

滑らかで味わい深いチーズの味噌漬けには、「いいちこ空山独酌 麦」のロックがよく合います。麹の技をもとに醸し出される華やかな香味が、同じく麹の力で引き出される味噌の風味と調和して、なんともプレミアムな味わいです。

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【お取り寄せ情報】

盆地風チーズの味噌漬け パッケージ

・「盆地風チーズの味噌漬け」1620円

販売元:亀の井別荘
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これぞ呑める調味料! 山荘無量塔の「粒マスタード」

山荘無量塔の「粒マスタード」

山荘無量塔を代表するお取り寄せグルメと言えば、食通たちにもファンの多い「粒マスタード」。まずはそのまま一口味わってみてください。マスタードの実のプチプチとした食感に驚くと思います。甘み、酸味のバランスも非常によく、これだけでお酒が飲みたくなるおいしさです。

牛肉のステーキや鶏肉のソテーに合わせても良いでしょう。こだわりのソーセージやハムなどには鉄板です。そのほか、サラダやクリームチーズなどにのせても。粒マスタードそのものの味わいを生かして、ぜひいろいろなものにトッピングしてお試しください。

この粒マスタードには、ぜひ「いいちこスーパー」の炭酸割りを。貯蔵熟成した原酒をブレンドした麦焼酎のリッチな香りが炭酸によって弾け、しっかり主張のある粒マスタードの風味にマッチします。

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【お取り寄せ情報】

粒マスタード パッケージ

・「粒マスタード(プレーン)」1080円

販売元:山荘無量塔
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秋の夜長、しんみりと虫の声に耳を澄ませたり、月を仰ぎみたりしながら、風にあたってグラスを傾けるのに良い季節です。ぜひ、今回ご紹介したお取り寄せグルメと「いいちこ」を楽しみつつ、憧れの名宿へのイメージトリップをお楽しみください。

大分グルメ案内人

神谷さんポートレート

神谷 禎恵(かみや よしえ)さん
大分県宇佐市出身。母が設立した「生活工房とうがらし」を、2015年に株式会社生活工房とうがらしとして継承し、食を軸として様々な活動を展開。趣味はおにぎりを握ること。食のブランディングや地域の食を伝える活動を行っている。Facebookページの『ごはん大好き』は世界に6万人のフォロワーを持つ。

※記事の情報は2021年9月28日時点のものです。