大分県出身のフードアドバイザー・神谷禎恵(かみやよしえ)さんが、全国のみなさんにぜひ食べてほしい地元大分のお取り寄せグルメをレコメンド! 今回は大分県杵築(きつき)市から、食のプロたちも指名買いする「農園きや」のべっぴんレモンをご紹介します。

薄皮のなかに果汁たっぷり! すっきり酸っぱい「べっぴんレモン」

薄い皮のべっぴんレモン

初めて「べっぴんレモン」に出会った時の衝撃は、今でもよく覚えています。スーパーで買えるレモンといえば長らくアメリカ産などが一般的でしたが、広島レモンが世に知られるようになり、私自身、国産のレモンがあることを知ったのは10年くらい前。そんな頃に、このべっぴんレモンが大分県杵築(きつき)市で作られていることを知ったのです。

そのレモンは見目麗しく、皮が薄くて果汁がたっぷり、まさに「べっぴん!」と呼びたくなる美しさ。果実はすっきりとした酸味が心地よい、とてもクリアな味わいでした。

惜しみなくかけられる手間暇がレモンを「べっぴん」に育てる

木に実ったべっぴんレモン

そんなべっぴんレモンを育てる「農園きや」の上杉さんご夫妻に、私が初めてお目にかかった時はちょうどご家族も一緒でした。レモンにかける思いはもちろん、子どもたちのそばにいられるように農業に取り組み始めたこと、圃場(ほじょう)の片隅に建つログハウスでの生活の様子などご家族の微笑ましいエピソードもとても印象的で、まさにご夫妻のお人柄がそのままレモンに表れているんだなと感じたものです。

「農園きや」の上杉さんご夫妻
べっぴんレモンを育てる「農園きや」の上杉さんご夫妻

農薬をできるだけ使わずに有機肥料で栽培されるレモン。いい香りに誘われて寄ってくる虫たちを手作業で取ったり、たわわに実る小さな実を摘果したり。皮がこれほど美しく薄いのも、水の管理や湿度・温度の調整など、丁寧に手間隙をかけて育てられているからなのです。

丸かじりのレモンが一流のプロたちの創作意欲を刺激!

べっぴんレモン

上杉さんの圃場には、私が親しくしていたシェフやパティシエたちともたびたび訪ねました。白いレモンの花が咲き、葉っぱや枝からもレモンの香りが漂う暖かなハウスで過ごすひととき。上杉さんからもぎたてのレモンを受け取り齧ってみたシェフたちは、そのほとばしる果汁に感嘆の声をあげます。「あんな料理に使ったらどうだろう?」「こんなデザートにも使えるね」そんなアイディアが次から次へと浮かび、シェフたちや上杉さんご夫妻の笑顔が溢れます。

あれから随分経ちましたが、いまだに変わることのない美しいレモンに出会えることは、本当に素晴らしいことだと思っています。ご夫妻の日々の積み重ねをしみじみ思います。

グリーンもイエローも。料理からデザート、ドリンクまで用途多彩

レモンを搾る

べっぴんレモンは丁寧に収穫された後、主に東京などの都市部の高級レストランや飲食店に届けられます。

私もべっぴんレモンを扱うイタリア料理店を訪れたことがありますが、綺麗な輪切りになってパスタにのったり、ドルチェに使われたり、サングリアになったり、テーブルに供されるお冷の風味付けにされていたりと出番の多さに驚きました。初めていただいたレモンクリームのパスタは、クリームの濃厚さをレモンのしっかりとした酸味で和らげ、味わいまろやか。後口にはとても清々しい余韻が残りました。

秋から冬のレモンは皮が青々とした緑色で、爽やかな酸味、フレッシュな香りと皮のほろ苦さが際立ちます。春が近づくと緑色から黄色に変わり、酸味が柔らかくなりまろやかな味わいに変わっていきます。

上杉さんからも「べっぴんレモンは常温でも2ケ月は保存が可能ですから、グリーンレモンを購入していただくと徐々に酸味がまろやかになり、黄色になっていく間のいろんな味を楽しむこともできますよ」と教えていただきました。

べっぴんレモンが主役の一皿と「いいちこ」で作る究極のレモンサワー

カルパッチョとレモンサワー

まずは、べっぴんレモンの心地よい酸味や香りを存分に生かして、白身のお魚を使ったカルパッチョに仕立ててみてはいかがでしょうか? 魚と一緒にレモンスライスも皮ごとそのまま食べてみてください。

生クリームにパルメザンチーズ、レモンを合わせたレモンクリームのパスタもおすすめです。スライスしたレモンや皮を刻んでトッピングするのも良いでしょう。

また、「いいちこ」にレモンを丸ごと漬け込んで作るレモンサワーもぜひ。爽やかなレモンの酸味が「いいちこ」のおいしさを際立たせます。どうぞお試しください。

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【お取り寄せ情報】

べっぴんレモン商品画像

・「べっぴんグリーンレモン」1.5kg入り(玉数は指定不可) 3,600円(税込・送料別)

販売元:農園きや
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大分グルメ案内人

神谷さんポートレート

神谷 禎恵(かみや よしえ)さん
大分県宇佐市出身。母が設立した「生活工房とうがらし」を、2015年に株式会社生活工房とうがらしとして継承し、食を軸として様々な活動を展開。趣味はおにぎりを握ること。食のブランディングや地域の食を伝える活動を行っている。Facebookページの『ごはん大好き』は世界に6万人のフォロワーを持つ。

※記事の情報は2021年10月29日時点のものです。