お取り寄せしてでも食べたい大分グルメを、大分県出身のフードアドバイザー・神谷禎恵(かみやよしえ)さんがレコメンド! 今回は縁起物としても親しまれている上野水産の「宇佐 開運勝ちえび」をご紹介。地元の食文化を支えてきた旨味たっぷりのかちえびは、焼酎のお供としても最高です!

宇佐神宮にも献上される縁起物「勝ちえび」

皆さんは「かちえび」という大分県の特産品をご存知でしょうか。きれいな朱色の干しえびで、私の生まれ育った宇佐市(うさし)の長洲(ながす)地区では昔からよく目にする海産物でした。

かちえびづくりは6〜9月が最盛期。豊前海(ぶぜんかい)で大量に水揚げされる赤えびを塩だけで茹でて、乾燥させて、殻を落とします。かつては「叩き棒」という道具で叩いて殻を落としていたのですが、その時の音が「カチカチッ、カチカチッ」と聞こえることから「かちえび」と呼ばれるようになりました。

また、宇佐市は全国に4万社以上ある八幡様の総本宮「宇佐神宮」があることでも有名な土地。今回ご紹介する上野水産のかちえびは、この宇佐神宮にも献上されていることから、近年では宇佐神宮の勝負の神様にちなんで「勝ちえび」と呼ばれ、勝負事や受験等の「勝ち」を得る縁起物としても親しまれています。

宇佐神宮

大分県宇佐市にある宇佐神宮。宇佐市は「いいちこ」の故郷でもある

漁師町・長洲伝統の味を焼酎のあてに

勝ちえび

宇佐市長洲地区は、国東(くにさき)半島北側の付け根部分にある漁師町。目の前に広がる海で水揚げした旨味たっぷりの赤えびを新鮮なうちに茹でて干すことで、その旨味が凝縮し、噛めば噛むほどえびの味わいが口いっぱいに広がります。晩酌のあてにかちえびをつまむ姿は、地元では馴染み深いものです。

私の父も長洲のかちえびをつまみながら焼酎を飲むのをとても楽しみにしていました。各地から友人知人が集えば、必ずと言っていいほど「このかちえびをつまみに飲むのは格別だ」と自慢し、かちえびファンを増やしていったものです。

かちえびづくりは長洲の原風景

昭和20年代の長洲漁港
昭和20年代の長洲漁港。獲れた赤えびを竹ざるに入れ、担いで海老舎まで運ぶ(宇佐市民図書館「デジタルライブラリー」から引用)

かつて長洲には小さな町にも関わらず、「海老舎」と呼ばれるえびの加工場が20軒もありました。初夏になるとえびの香りが町中に漂い、家の前を流れる水路がえびの茹で汁で真っ赤になるほど。港の広場や加工場の敷地には筵(むしろ)が所狭しと並べられ、茹で上がった赤えびをお日様と風の力で干し上げていきます。炎天下、「トンボ」と呼ばれる道具でえびの向きを変える人たちが忙しそうに作業に明け暮れていました。干した赤えびは「唐箕(とうみ)」と呼ばれる道具で殻を落とされ、目の粗いザルで選別されます。昔は「海老打唄(えびうちうた)」という唄を歌いながら、叩き棒で叩いて殻を落とす作業が行われていたそうです。

現在、長洲で干しえび加工を行う会社はわずか3社。上野水産はそのうちの1社で、「宇佐 開運勝ちえび」は今に受け継がれる貴重な伝統の味なのです。

郷土料理としても継がれるかちえびの味

実は、長洲は天日干しそうめんやひやむぎの産地としても有名で、夏場にそうめんが白いのれんのように庭先でたなびく光景も地元の風物詩として知られています。そのそうめんを、かちえびの戻し汁に地元の甘い醤油を加えて味つけしたつゆにつけていただくのも、この土地ならではのお楽しみ。夏が来たなぁと思う瞬間です。

伝承料理研究家である私の母は、かちえびを炊き込む「かちえびちらしずし」を命名した人でもありました。いい出汁が出るかちえびを米と一緒に炊き、山の恵みである乾しいたけを炊いたものを混ぜ込み、甘い煮豆と裏ごしした卵を彩りに添える独特のちらし寿司です。

かちえびちらしずし
宇佐市に伝わる郷土料理「かちえびちらしずし」

かちえびとにんじんを米と一緒に炊き込んだ「ウニメシもどき」も、磯の香りと旨味が生きた格別なおいしさに仕上がります。今では地元の伝承料理として知られるようになりました。ぜひお料理にも活用してみてください。

幸ある一年を願って「宇佐 開運勝ちえび」と「いいちこ民陶くろびん」で一献

かちえびと民陶くろびん

上野水産の「宇佐 開運勝ちえび」におすすめなのは、麹特有の旨味を深く味わえる「いいちこ民陶くろびん」です。この時期、外の冷え込みをよそに、あたたかいお部屋でゆったりとお湯割りにしていただくのはいかがでしょうか?

かちえびをそのままつまみながら、お湯割りと一緒に口の中でじっくりと味わうと、焼酎がその旨さを増幅してくれます。また、かちえびの戻し汁を使ったシンプルな酢の物も焼酎のお供にぴったりです。どうぞお試しください。

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・「宇佐 開運勝ちえび30g(紙袋/大)」648円(税込・送料別)

販売元:有限会社上野水産
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今回ご紹介した上野水産の「勝ちえび」は、大分県宇佐市が特に優れた地域産品に対して与える「宇佐ブランド」にも認証されています。「宇佐ブランド認証品」については、ぜひこちらもチェックしてみてください。
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大分グルメ案内人

神谷さんポートレート

神谷 禎恵(かみや よしえ)さん
大分県宇佐市出身。母が設立した「生活工房とうがらし」を、2015年に株式会社生活工房とうがらしとして継承し、食を軸として様々な活動を展開。趣味はおにぎりを握ること。食のブランディングや地域の食を伝える活動を行っている。Facebookページの『ごはん大好き』は世界に6万人のフォロワーを持つ。

※記事の情報は2022年1月14日時点のものです。