Netflix(ネトフリ)やPrime Video(アマプラ)で楽しめる「ホラー映画」を、人気映画ライター・ISOさんが厳選! 新進気鋭の若手監督作品から、ゾンビやオカルト、人の怖さに迫る作品まで。怖いだけでは終わらない、個性が光る5作品をピックアップしてくれました。身も心も凍るような恐怖の合間には、「いいちこ」でホッとひと息。今夜は、とびきりの恐怖体験をどうぞ。
怖いのに目が離せない! ホラー映画の沼、のぞいてみませんか?
こんにちは、映画ライターのISOです。
連日30℃超えとすっかり夏らしくなってきた今日この頃。室内外の温度差で体調を崩してしまわないよう、冷房はほどほどにしないと…と頭では分かってはいるけど、ついついガンガンに部屋を冷やしてしまいがち。そんなときには世にも恐ろしいホラー映画で体感温度を下げてみるのはいかがでしょうか。
という訳で、今回は配信で視聴可能な背筋の凍る「ホラー映画」をご紹介。新時代の和製ホラーにゾンビもの、オカルトに人怖(ひとこわ)映画まで、いろんな角度からの恐怖は身も心もじんわりと冷やしてくれること確実。
ただ怖いだけだと疲れてしまうので、合間に「いいちこ」でホッとひと息つくのがおすすめの楽しみ方。なかには笑えるものや感動的な作品もあるので、ホラー映画が苦手という人も一度チャレンジしてみては?
おすすめホラー映画①|「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」
監督:近藤亮太
出演:杉田雷麟、平井亜門、森田想、藤井隆 ほか
2025年/日本/104分
その山では人がよく消える
【あらすじ】
スーパーで働く兒玉敬太(杉田雷麟)は、霊感のある塾講師・天野司(平井亜門)と同居中。敬太の弟・日向は幼い頃に山で行方不明となっており、その経験からか敬太は人探しのボランティアとしても日々活動していました。そんなある日、敬太のもとに疎遠だった母から怪しげなビデオテープが送られてきます。そこに映っていたのは、山のなかの奇妙な施設で日向が失踪した瞬間を収めた映像でした。しかし行方不明となった山にはそんな施設はありません。さらに敬太の過去に興味を持った新聞記者・久住美琴(森田想)の調査で、その山にはさまざまな忌まわしい過去があることも明らかに。
ビデオテープを機に過去のトラウマと向き合うこととなった敬太は、司とともに再び日向が消えた山を訪れます。薄暗い山道を進むなかで日向に似た後ろ姿を見かけた2人は、その後を追いますが…。
【おすすめポイント】
グロテスクな映像や驚かせるような演出に頼ることなく、全編を通じて漂う不穏な空気と“山”という輪郭の見えない脅威がじんわりと肝を冷やす和製ホラーのニュー・クラシック。得も言われぬ“厭さ”を丁寧に積み重ね、ムードを壊すことなく徐々に加速していく展開が実に鮮やか。『仄暗い水の底から』などの名作ホラーをも想起する上質な恐怖が尾を引きます。名匠の作品のような風格が漂う本作ですが、メガホンをとった近藤亮太監督は本作が長編映画デビューというのだから驚き。総合プロデューサーには『呪怨』シリーズで知られる清水崇監督も参加!
じんわりと深みのある恐怖を堪能できるこの逸品とあわせるなら、重みと深みをあわせ持つ「いいちこ日田全麹」がイチオシ。オン・ザ・ロックでさらにその深みを堪能するのはいかがでしょうか。
【「いいちこ日田全麹」とは?】

良質な大麦からできた大麦麹だけを使った、贅沢な「全量大麦麹仕込み」の本格焼酎。ふわりと広がるかぐわしい香りと、深くやさしい濃厚な味わいが特長です。時間とともに移ろう味の変化を楽しめるロックで、その奥深さをじっくり堪能するのがおすすめです。
【ロックの作り方】
① ロックグラスに氷を入れ、マドラーでステアしてグラスを冷やします。
② 氷が溶けた水を捨てたら、グラスの半分くらいを目安に「いいちこ日田全麹」を静かに注ぎます。
③ 焼酎と氷をしっかりなじませるようにステアしたら完成です。
★ロックのおいしさは氷が命。使用する氷は、硬くて溶けにくい市販のロックアイスがおすすめです。
▼あわせて読みたい ・「いいちこ日田全麹」は“ライ麦パンの香り”。世界的ソムリエが香りや味わいを解説!〈いいちこテイスティングノート⑤〉 ・【焼酎のロック】本当においしい作り方とは? 度数による味の違いも解説! |
おすすめホラー映画②|「カーゴ」
監督:ベン・ハウリング、ヨランダ・ラムケ
出演:マーティン・フリーマン、アンソニー・ヘイズ、スージー・ポーター、カレン・ピストリウス ほか
2018年/オーストラリア/104分
ゾンビになるまで…残り48時間
【あらすじ】
オーストラリアの荒涼たる大地を見渡しながら、ハウスボート(住居付きの船)で川を進むアンディ(マーティン・フリーマン)と妻のケイ、そして赤ん坊のロージー。彼らは川岸に別の家族を発見し声をかけますが、相手は銃を見せて近づかないよう警告してきます。というのも、ゾンビ化するウイルスの蔓延により秩序は崩壊し、人間同士の信用も失われていたから。そのなかでアンディたちは安全な場所を求めて、軍事基地に向かっていたのです。
そんなある日、ケイがゾンビに噛まれてしまいます。ウイルスの特徴は48時間で完全に発症すること。アンディはケイの出血を止めるため、陸地に上がり拾った車で近くの病院へと向かいます。しかし途中で衝突事故を起こし、致命傷を負ってゾンビと化した妻に襲われアンディも感染。彼は残された48時間でロージーの安全を確保するため、広大な大地を奔走することに…。
【おすすめポイント】
本作のゾンビウイルスの特徴は、感染してから完全にゾンビ化するまでの期間が「48時間」と明確かつ比較的長いこと。ゾンビ映画は「いかに生き残るか」を主軸にするのが常ですが、本作はその特徴的なウイルスに感染した主人公が「残された時間で、我が子をいかに生かすか」に焦点を置く異質な作品です。従来のゾンビ映画とは一味違ったドラマ性があることから、思わず涙腺が刺激されてしまうかも。物語に真実味を宿すマーティン・フリーマンの感情豊かな演技にも注目です。恐怖度は低めなので、ホラー初心者にもおすすめ。
情感豊かなドラマと、絶望感あるホラーが並走する本作にぴったりなのは、甘みと深みの両面性を持つ「いいちこシルエット」。じんわりと沁み渡る映画なので、飲み方も水割りでしっとりいきましょう。
【「いいちこシルエット」とは?】

爽やかな果実の香りに、控えめな花のような香りが重なる「いいちこシルエット」。アルコール度数は25度ながら、口当たりはやさしく穏やか。焼酎ビギナーにもおすすめの一本です。水割りにすると、さらにやわらかくまろやかな飲み口になり、日常の食卓にもよく合います。
【水割りの作り方】
① 氷を入れたグラスに「いいちこシルエット」と水を1:1の割合で注ぎ、軽く混ぜたら完成です。
★焼酎を先に注ぐことで、混ざりやすくなります。
おすすめホラー映画③|「レンフィールド」
監督:クリス・マッケイ
出演:ニコラス・ホルト、ニコラス・ケイジ、オークワフィナ、ベン・シュワルツ ほか
2023年/アメリカ/93分
パワハラ吸血鬼のボスと縁を切りたくて
【あらすじ】
人生に困難を抱える人たちが集う自助グループに参加する色白の男レンフィールド(ニコラス・ホルト)。彼もボスとの酷い人間関係に悩まされていました。ただ他の参加者と異なるのが、そのボスが人の血を吸って生きるドラキュラ伯爵(ニコラス・ケイジ)だったということ。伯爵の従者となったことで長い寿命と特殊なパワーを得た彼ですが、その分パワハラ全開の伯爵の世話や尻拭いに四苦八苦。自助グループに参加したのも、伯爵のための獲物を見つけるためでした。
ですが自助グループで悩みを話すうちに、レンフィールドは伯爵との関係に疑問を抱くようになります。彼はギャングに襲われても毅然と立ち向かう警官レベッカ(オークワフィナ)と出会ったことで、自分の人生を歩むことを決意。ですが伯爵がそれを許すはずもなく、惹かれ合うレンフィールドとレベッカに魔の手が迫ります。
【おすすめポイント】
1897年に出版された怪奇小説『吸血鬼ドラキュラ』に登場する脇役レンフィールドに着想を得たホラーコメディ。抑圧的なドラキュラ伯爵との関係に悩む下僕…という突飛で奇妙な設定ですが、他者に支配されてきた主人公が人生を取り戻すために一歩を踏み出す姿にはきっと共感することでしょう。なんなら伯爵のような上司に覚えのある人もいるのでは。Wニコラスの振り切った演技はユーモア抜群で、アクションのクオリティもかなりのもの。ジャンル横断型エンタメとして優れた一作ながら、流血や身体へのダメージ描写も多分に含まれているので、苦手な人は要注意です。
魅力に溢れた娯楽作として多くの人に愛されるであろう本作は、いわばホラー映画界の「いいちこ25度」。血みどろながら清涼感のある物語なので、爽やかに炭酸割りとあわせるのがベター!
【「いいちこ25度」とは?】

本格麦焼酎「いいちこ」シリーズの顔ともいえる、ロングセラーの一本。香り、味わい、うまみにこだわった原酒をバランスよくブレンド。青リンゴや南国フルーツを思わせる香りと、クセのない澄んだ味わいが特長のお酒です。炭酸で割れば、すっきりとした飲み心地にフルーティな香りがふわっと弾けて、気分も爽快!
【炭酸割りの作り方】
① グラスに大きめの氷を入れ、「いいちこ25度」を注いだ後に、炭酸水を氷に当てないよう静かに注ぎます。割合は、焼酎1:炭酸水3が目安です。
② 軽く混ぜ、仕上げにティースプーン1杯の「いいちこ25度」を垂らしたら完成です。
おすすめホラー映画④|「邪厄の家」
監督:ソーポップ・サクダービシット
出演:ニター・ジラヤンユン、スコラワット・カナロット、ペンパック・シリクン ほか
2023年/タイ/124分
日常がカルトに侵食されていく
【あらすじ】
ニン(ニター・ジラヤンユン)は、夫クウィン(スコラワット・カナロット)と娘インの3人で郊外の一軒家に暮らしていましたが、家計は火の車。家賃収入を得るため一家はマンションに移り住み、一軒家を元医師だというラットリー(ペンパック・シリクン)とその娘のヌックに貸し出します。しかしその直後から、ニンの周囲では不可解なことが続出。夫クウィンは毎日午前4時前に外出するようになり、マンションからは奇妙な気配が。しかもクウィンはヌックと同じマークのタトゥーを知らぬ間に入れていました。
やがて一軒家の隣に住む友人から、ラットリーが謎の儀式を行っている映像が送られてきますが、その後友人とは連絡が取れなくなってしまいます。不審に思ったニンが毎朝外出するクウィンの後を追ったところ、彼が屋上でそれと同じ儀式を行っている姿を目撃。ラットリーたちはカルト教団のメンバーであり、既にクウィンも取り込まれていたのです。カルト教団の目的がインに関係すると気付いたニンは、娘と逃亡を図りますが…。
【おすすめポイント】
次々と傑作を世に放ち、“アジアのA24※”とも呼ばれる気鋭の映画スタジオGDHが、実話にインスパイアされ生み出した戦慄のオカルトホラー。日常が邪悪な何かに蝕まれていくニン目線の恐怖感もさることながら、物語の展開とともに視点と時系列の変化で真相が明らかになっていく構成が見事。丁寧な演出と技ありの脚本でグイグイと引き込まれ、最後には深く忘れがたい余韻を残していきます。監督のソーポン・サクダピシットは“家系ホラーの巨匠”と呼ばれているのだとか。本国タイで3週連続No.1の大ヒットを果たしたのも頷ける名篇です。
よく練られた構成に驚かされる本作のお供にするなら、繊細かつ奥ゆきのある味わいが特長の「いいちこフラスコボトル」が最適解。その技術の高さを堪能するためにストレートで味わってみるのがおすすめです。
※ A24:話題作を次々と生み出す、2012年設立のアメリカの映画制作・配給会社
【「いいちこフラスコボトル」とは?】

原料の大麦を従来よりも多く磨き、低温でじっくりと発酵。大麦麹だけを使用した贅沢な全麹づくりでつくられた、「いいちこ」シリーズの頂点に立つ麦焼酎。雑味を抑えたクリアな味わいと澄んだ香りが特長で、口に含むとアルコールの心地よさとともに清涼感あるミネラルが広がり、上品な風味が楽しめます。凛とした透明感を味わうなら、まずはストレートでどうぞ。
おすすめホラー映画⑤|「ソフト/クワイエット」
監督:ベス・デ・アラウージョ
出演:ステファニー・エステス、オリビア・ルッカーディ、エレノア・ピエンタ ほか
2022年/アメリカ/92分
他人種への憎悪が生む最悪の悲劇
【あらすじ】
郊外の幼稚園に勤めるエミリー(ステファニー・エステス)は、不妊治療を受けるも一向に子供に恵まれないことで爆発寸前のストレスを抱えていました。ある日、彼女は白人至上主義を掲げる白人女性を教会の談話室に集め、「アーリア人団結をめざす娘たち」という排外的なグループを結成。彼女たちは日常の鬱憤とともに、過激な思想や他人種に対する憎悪を共有して親睦を深めていきます。
会合後、一部のメンバーはエミリーの家で飲むことになりますが、道中立ち寄った食料品店でアジア系移民の姉妹に遭遇。姉妹と顔見知りのエミリーが彼女たちを侮辱して店から追い出しますが、強い口調で言い返されてしまいます。動揺するエミリーに同情した仲間たちは、「姉妹を懲らしめるために家に侵入してイタズラを仕掛けよう」と提案。エミリーの夫と合流した一行は姉妹の家に向かいますが、その決断はやがて最悪の自体を招くことに…。
【おすすめポイント】
人種差別の果てに行き着く地獄を、全編ワンカットのリアルタイム進行で追体験するヘイトクライム・ホラー。一見すると優しげなエミリーたちが、日常生活で感じる不満や生活のままならなさをマイノリティの責任にして、仲間内で憎悪を募らせていく様子はとてもリアルかつ今日的。まさに現代の社会を映す作品といえるでしょう。他人種を対等に扱わないことを正義と考える彼女たちの醜悪さが、最終的に何をもたらしてしまうのか。決して他人事とはいえない生々しい恐怖がそこにはあります。
相当に精神を削られてしまう衝撃作なので、お酒とあわせるなら飲みやすい「いいちこ20度」がおすすめ。芯から冷えた心を、ほっこりするお湯割りで温めるのはいかがでしょうか。
【「いいちこ20度」とは?】

黄色のキャップが目印。やさしい飲み口の「いいちこ20度」。白い花のような香りと、まろやかな果実の風味が特長です。アルコール度数は焼酎のなかではやや低めで、焼酎ビギナーさんはもちろん、ゆったりと心地よく酔いたいときにもぴったり。お湯割りにすると、ふんわりやわらかな香りが立ちのぼり、伸びやかなうまみが楽しめます。
【お湯割りの作り方】
① 耐熱グラスにお湯、「いいちこ20度」の順番で注いだら完成です。
★お湯を先にグラスに入れることで、かき混ぜなくても自然に混ざり、まろやかな味わいに。焼酎の香りを感じたいときは「焼酎6:お湯4」、食事にあわせたいときは「焼酎5:お湯5」、焼酎ビギナーさんには「焼酎4:お湯6」がおすすめです。
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ゾンビにドラキュラ、人怖にオカルト。どれもホラー映画としては定番のジャンルながら、そのなかでも個性が光る名篇5作をセレクトしてみました。独特の設定に定番を逸脱していく展開、巧みな構造や演出など、恐怖だけでなく映画的な面白さという点でも優れた作品群なのでぜひお楽しみに。「ホラー映画×いいちこ」=「恐怖×ほっこり」の組み合わせで、しばらく続きそうな寝苦しい夜を上手に乗り越えていきましょう。

ISO
1988年、奈良県生まれのフリーライター。劇場プログラムやさまざまな媒体で映画評、解説、インタビューを担当するほか、音楽作品のレビューや旅行関係のエッセイも執筆。
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※記事の情報は2025年7月29日時点のものです。