お取り寄せしてでも食べたい大分グルメを、大分県出身のフードアドバイザー・神谷禎恵(かみやよしえ)さんがレコメンド! 今回ご紹介するのはしいたけ専門店のこだわりが詰まった「椎茸うま煮(黒帯)」。しいたけからジュワーっと溢れる旨味が、焼酎のお湯割りに抜群に合います!

“100年続くしいたけ専門店”がつくる「椎茸うま煮(黒帯)」

「大分と言えば乾(ほし)しいたけ」と言われるくらい、乾しいたけの生産が質・量ともに日本一の大分県。多くは立春の頃に出回る原木栽培の生しいたけを乾燥させてつくられます。実は私、大分県乾しいたけ大使を拝命しており、その魅力についてはたくさんお伝えしたいことがあります。

今回ご紹介する大分グルメも、大好きな乾しいたけを使ったもの。松岡椎茸生産販売株式会社がつくる「椎茸うま煮(黒帯)」です。松岡椎茸さんは明治34年創業、大分県九重(ここのえ)町で100年以上も「原木しいたけ」にこだわってやってこられた“しいたけ一筋“の専門店です。

松岡椎茸さん。昭和50年代頃の写真
原木しいたけの栽培現場に立つ松岡椎茸三代目。昭和50年代頃の写真

クヌギの森で育まれる原木しいたけ­

原木しいたけとは、クヌギ等の木を原木にして栽培されるしいたけのこと。この木が成長するのにざっと15年。その原木に種菌を打ち込み、2年ほど寝かせてやっと収穫することができます。風通しや日光、水分の調整など、手間ひまを惜しまずに育ててようやくおいしいしいたけになるのです。

原木しいたけの森

こうして収穫した原木しいたけを乾燥させたものが乾しいたけです。乾燥させることでしいたけの旨味と栄養が凝縮し、独特の風味と食感が生まれます。

原木しいたけは、古くから九重町をはじめ大分県全域で盛んに栽培されてきました。2013年に世界農業遺産に認定された「クヌギ林とため池がつなぐ国東半島・宇佐の農林水産循環」も、原木しいたけ栽培を抜きには語れません。

噛むほどに溢れ出るしいたけの滋味

お皿に盛りつけた椎茸うま煮

松岡椎茸さんの「椎茸うま煮(黒帯)」は、大分の山々を背景に育まれた風味豊かな原木乾しいたけを、戻し汁とともに砂糖、醤油、みりんという非常にシンプルな調味料で煮含めたもの。ふっくら肉厚のしいたけを噛んだ瞬間、旨味を含んだ甘辛つゆがジュワーっと溢れてきます。思いを込めて丁寧につくられていることが分かる素朴なおいしさです。そんなしいたけのうま煮がごろっとそのまま瓶に入っていて、お箸で取り出すだけでお酒もごはんもすすむ一品になります。

しいたけのうま煮は、もともと“おばあちゃんの味”とか“ふるさとの味”のように言われたりもする昔ながらの料理です。この料理の最大のポイントは、乾しいたけを13℃前後の水でじっくり戻してしいたけ本来の旨味をよく引き出すことです。最近では「旨味(UMAMI)」という言葉も世界的に知られるようになってきましたが、旨味成分の1つであるグアニル酸は、特に乾しいたけに豊富に含まれるものとして注目されています。

ただ、現代のご家庭からは乾しいたけを水戻しする時間がないとか、なかなかゆっくりと煮含めることができないといった声も聞きます。松岡椎茸さんの「椎茸うま煮(黒帯)」は、そういう点でもとても重宝するひと瓶です。

「椎茸うま煮(黒帯)」には「いいちこ空山独酌」のお湯割りを

「椎茸うま煮」には「いいちこ空山独酌」のお湯割りを

そんな「椎茸うま煮(黒帯)」、お酒のお供にするならまずはそのままで味わってみてください。しいたけの旨味がしみじみ感じられるはずです。一緒にいただくのは、「いいちこ空山独酌 麦」のお湯割りがおすすめ。口の中でじんわり旨味の余韻が広がります。

ほかにも、例えば刻んで冷奴の上にのせて食べるもよし、ごはんに混ぜ込んでしいたけ飯にするもよし。酢飯に混ぜて錦糸卵や青菜を散らせば、彩りも美しいしいたけ寿司になります。ぜひお試しください。

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商品カット

・椎茸うま煮(黒帯) 648円(税込・送料別)

販売元:松岡椎茸生産販売株式会社
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大分グルメ案内人

大分グルメ案内人の神谷禎恵さん

神谷 禎恵(かみや よしえ)さん
大分県宇佐市出身。母が設立した「生活工房とうがらし」を、2015年に株式会社生活工房とうがらしとして継承し、食を軸として様々な活動を展開。趣味はおにぎりを握ること。食のブランディングや地域の食を伝える活動を行っている。Facebookページの『ごはん大好き』は世界に6万人のフォロワーを持つ。

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※記事の情報は2022年4月22日時点のものです。