世界各地で、その土地ならではの特徴を持った蒸留酒が飲まれています。本格麦焼酎「いいちこ」もそのうちのひとつ。焼酎をはじめ、世界の蒸留酒の種類をご紹介します。

蒸留酒の主な種類を一覧で紹介します

日本の焼酎をはじめ、世界ではいろんな蒸留酒がつくられ、そして愛されています。まずは、世界の代表的な蒸留酒を一覧でご紹介します。

名称 主な生産地 主な原料 特徴
焼酎 日本 穀物・いも類 単式蒸留焼酎は麦・芋・米などの原料由来の豊かな味と香り
ウイスキー 各国 発芽させた穀物 長期間の樽貯蔵による複雑な香味
ウォッカ ロシア他 穀物 レギュラー・タイプは無色・無味・無臭でクセがない
ジン 各国 穀物 ボタニカル(植物成分)の爽やかな香り
ブランデー フランス他 ブドウ 果実由来の豊かな香り
ラム 各国 サトウキビ 香りづけとして使われるほどの香り高さ
テキーラ メキシコ アガベ 熟成度でクラスが分かれる
白酒 中国 コウリャン、米など 高いアルコール度数と強い香り

蒸留酒とは? 醸造酒やスピリッツと何が違う?

お酒は、「醸造酒」「蒸留酒」の大きく2つに分類することができます。

「醸造酒」は、果物や穀物を原料に、原料を酵母でアルコール発酵させて、そのままあるいは濾したお酒です。アルコール度数は高くても20%くらいまでと言われています。

そして今回ご紹介する「蒸留酒」は、醸造して出来上がった発酵液(もろみ)を蒸留機で加熱し、気化したものを冷却して液体にしたお酒。蒸留を繰り返すことでアルコール度数は96%まで上げられます。

蒸留の技術は、スパイスや香油を精製することを目的に、紀元前3500年頃のメソポタミアで生まれたと言われています。この技術から、いつどのようにお酒が生まれたかは解明されていませんが、紀元前800~750年くらいにはインドとエチオピアで蒸留酒がつくられていたそうです。今では世界中に蒸留技術が伝わり、世界各地で個性的な蒸留酒がつくられています。

ちなみに「スピリッツ」とは広義では蒸留酒全般を指しますが、日本の酒税法においては、蒸留酒の中でもウイスキー、ブランデー、焼酎や原料用アルコールを除いたもの、と定義されています。

蒸留酒の種類 焼酎の単式蒸留機

蒸留酒の種類①|焼酎

焼酎

世界各国でつくられる蒸留酒の中でも、日本特有の蒸留酒が「焼酎」です。その製造技術は、15世紀頃に東南アジアや中国を経由して、沖縄に伝来したというのが定説となっています。

蒸留方法の違いによって、原料由来の香りや旨みを感じられる「単式蒸留焼酎(焼酎乙類)」と、クリアな風味が特徴の「連続式蒸留焼酎(焼酎甲類)」の2つに分けられます。

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世界の蒸留酒と比べて特徴的なのは日本の国菌(こっきん)である「麹(こうじ)」を使うこと。また、例外を除いて長期間貯蔵しなくてもおいしく飲めるのも特徴です。

近年は海外での焼酎への注目が高まっており、世界的なお酒のコンペティション(品評会)に焼酎部門が設けられるようになりました。直近では、毎年、米国・サンフランシスコで開催されている世界最大の蒸留酒のコンペティション「SFWSC(サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション)2022」で、「いいちこフラスコボトル」と「いいちこスペシャル」が最高金賞(ダブルゴールド)を受賞。「いいちこ25度」「いいちこシルエット」も金賞(ゴールド)を受賞するなど、高い評価を得ています。

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蒸留酒の種類②|ウイスキー

ウイスキー

発芽させた穀物を原料とする蒸留酒。麦芽からつくるモルトウイスキーと、トウモロコシなどの穀類からつくるグレーンウイスキーの2種類があり、どちらも樽で長期貯蔵して製品化されるものが多く、複雑な香味を持つことが特徴です。

蒸留酒の種類③|ウォッカ

ウォッカ

大麦、小麦、ライ麦、ジャガイモなど穀物を原料として糖化・発酵した後に、連続式蒸留機で蒸留し、白樺の炭で濾過した蒸留酒。無色・無味・無臭のクセのないレギュラー・タイプと、草根木皮やフルーツなどの香りや色を加えたフレーバード・ウォッカの2つに分けられます。

蒸留酒の種類④|ジン

ジン

大麦、ライ麦、ジャガイモなどを原料とした蒸留酒で、ジュニパー・ベリーをはじめとするボタニカル(植物成分)で香りづけした爽やかな香りが特徴。元々は薬酒として製造され、美味なことから一般化したと言われています。2000年代になって、イギリスを皮切りにクラフト・ジンのブームが起こったのも記憶に新しいところです。

蒸留酒の種類⑤|ブランデー

ブランデー

ブドウからつくるグレープブランデーと、ブドウ以外の果実からつくるフルーツブランデーの2種類がありますが、一般的にブランデーというとグレープブランデーのことを指します。お菓子の香りづけとしても使われるくらい果実由来の豊かな香りが特徴です。

蒸留酒の種類⑥|ラム

ラム

サトウキビを原料とする蒸留酒。カリブ海の島々が発祥とされている。樽貯蔵でついた色を活性炭で濾過し無色透明にしたホワイト(シルバー)・ラム、薄い褐色のゴールド・ラム、香味が強い濃褐色のダーク・ラムの3タイプに分けられます。ブランデーと同様に香りづけとして使われることもある香り高さが特徴です。

蒸留酒の種類⑦|テキーラ

テキーラ

アガベという多肉植物を原料としたメキシコの蒸留酒。製造されすぐに瓶詰めされたブランコから樽で5年以上寝かせたエクストラ・アニェホまで、熟成度によって5つのクラスがあります。マルガリータをはじめカクテルの材料としてもよく使われます。

蒸留酒の種類⑧|白酒(パイチュウ)

白酒

55~63度という高いアルコール度数と強い香りが特徴の蒸留酒、原料はモロコシの仲間コウリャンや米などの穀物です。醤香型、清香型、濃香型、米香型など、香りで分類されるのも特徴的です。

※記事の情報は2022年5月24日時点のものです。