「いいちこ」づくりの大ベテラン・丸尾剛さんが、全国各地の“酒場メシ”を食す! 今回訪れたのは、今や国民食とも言える「焼き餃子」を日本に広めた店として知られる『餃子舗 珉珉』さん。つるりと滑らかな薄皮にたっぷり白菜の甘みを閉じ込めた焼き餃子を「いいちこ25度」のハイボールと一緒にいただきます!

“酒場メシ”ハンター

丸尾剛さん

丸尾 剛(まるお つよし)
三和酒類株式会社 SCM本部所属
39年の焼酎づくりのキャリアを生かし、社内の若いつくり手たちのスキルアップをサポートする「焼酎づくりの先生」。普段家で飲むのは、もっぱら「いいちこ20度」か「いいちこ日田全麹」。最近、麹を使った調味料づくりにハマッている。

始まりは小さな“落書き屋台”から。創業70年目の『餃子舗 珉珉(みんみん)』

シュワッと喉を刺激する本格焼酎ハイボール。そのおつまみとして「焼き餃子」を思い浮かべる方、結構いるのではないでしょうか?

今回ご紹介するのは、そんな焼き餃子を日本に定着させた店として知られる『珉珉(みんみん) 南千日前本店』さん。

珉珉の暖簾

戦後間もない昭和28年に、大阪・千日前で店を始めて今年で70年。現在では関西・関東エリアに20以上の直営店があり、時代を越えて餃子好きのお腹を満たしています。

爽やかな笑顔で迎えてくれたのは、株式会社珉珉本店の3代目社長・古田 暁人(ふるた あきと)さんです。

、株式会社珉珉本店の3代目社長・古田 暁人(ふるた あきと)さん
『珉珉』創業者の孫にあたる現社長の古田暁人さん。元プログラマーという異色の経歴をもちながらも、思い切った改革で売り上げを伸ばした実力派

暁人さんの祖父で『珉珉』を創業した古田 安(ふるた あん)氏は、前衛画家でもあった人物。生まれは「いいちこ」の故郷でもある大分県で、絵を学ぶために上京。その時に手伝っていた割烹料理店で、当時まだあまり知られていなかった餃子の作り方を教わります。そして本場・中国では茹で餃子が主流のところを、安氏は「焼いたほうが日本人の口に合いそうだ」とひらめいたのです。

古田「祖父は米粒に文字が書けるくらい手先が器用で、料理をするのも好きな人でした。創業当時はベニヤ板で囲っただけの小さな屋台で、内装を作り込むお金もないので画家仲間を呼んで壁にみんなで絵を描いて。“落書き珉珉”みたいな感じだったようです(笑)」

持ち帰り用の餃子箱
『珉珉』のロゴマークも、持ち帰り用の餃子箱に描かれた竜の絵も安氏の手によるもの

王に民と書いて『珉珉』と名付けられた店名には、「食事をするときは王様も民も同じテーブルで食べられるように」という安氏の思いが込められているんだとか。

お店に伺ったのは夕飯にはまだ早い午後4時頃でしたが、ごはん茶碗を片手に餃子を頬張る一人客、買い物途中に立ち寄ったとおぼしき家族連れ、ちょっと早めの乾杯をするスーツ姿のグループ客など、さまざまな人たちで賑わっていました。

『珉珉』の元祖餃子はつるり薄皮、ふわりほどける軽やかさ!

そんな70年の歴史の詰まった珉珉さんの焼き餃子がこちら!

珉珉の焼き餃子

惚れ惚れするようなパリッとした焼き色。これに合わせるのはもちろん「いいちこ25度」のハイボールです。

いいちこ25度のハイボール

丸尾「ちなみに、古田さんの好きな餃子の食べ方は?」

古田「僕は何も付けないんですよ。餃子そのものの味がおいしいので、付けるとしてもお酢くらいですね」

ならば、まず一口目は何も付けずに…。

餃子を頬張る丸尾さん

丸尾「うまいなぁ。皮がめちゃめちゃ滑らかで、中の具もシャキシャキ。サイズも小ぶりで、すごく軽やかな食べ心地です」

そして氷でキンキンに引き締められた「いいちこハイボール」を一口飲んで、この表情。

うまい!と笑顔

丸尾「最高です! 『いいちこ25度』ってどちらかというと前菜とかやさしい味の料理に合うので、実は餃子はどうやろか?と思ってたんですけど、珉珉さんの餃子は口当たりがライトなんで、すんなり合うんですね」

具は白菜ベース。使用する肉は豚を中心に、コク出しのためにほんの少し羊肉もブレンドしているそう。

古田「ニンニクはもちろん、野菜は基本的に国産です。白菜もB級品と呼ばれる潰れた白菜ではなくて、そのまま食べられる良いものを丸ごと使って。豚肉も冷凍ではなくフレッシュなもので、油はほんのり甘い香りのする落花生油を特注しています。

皮も「カメリア」という上等な小麦粉を使っています。薄くのばして、ウチの餃子の特徴である口の中でとろけるような、つるっとした質感を出しているんです」

珉珉の餃子の具は白菜ベース

餃子は管理の行き届いた専用工場で製造。冷凍された状態で各店舗に運ばれますが、「新鮮さが何より大事」と考える珉珉では、お店で出す餃子は製造から2日以内のものと決めているんだそう。そうして風味が劣化しないうちに、ベテラン料理人の手で焼かれます。

ベテラン職人の手で焼かれる餃子
繊細な薄皮に包まれた餃子ゆえ、数人前を一度に色よく、皮を破かないように焼くには熟練の技を要する
繊細な薄皮に包まれた餃子ゆえ、数人前を一度に色よく、皮を破かないように焼くには熟練の技を要する

古田「珉珉の餃子がお客様に親しまれてきた理由って、とにかく“味”だと思うんです。皮の滑らかさや焼き加減だったり、具材のバランスや食感であったり、そういう複合的なおいしさといいますか」

丸尾「そのこだわりをビシビシ感じます。それが一皿430円ってすごいです」

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『珉珉』社長イチオシ! 隠れた名品「ジンギスカン」

1個1個にこだわりがたっぷり詰まった珉珉の餃子。その熱量は、餃子以外の一品料理にも込められています。

なかでも「いいちこ」に合う一皿として古田さんがおすすめしてくれたのが「ジンギスカン」。クセが少なく食べやすいニュージーランド産の羊肉と厳選した淡路島産玉ねぎを、特製だれに絡めて炒めた料理です。

珉珉名物ジンギスカン

古田「これも創業当時からある定番メニューなんです。昔は羊肉のほうが豚肉より安価だったんでしょうね。今は豚肉よりも高級になってしまいましたけど」

丸尾「甘辛だれに生姜の香りも効いていて、意外とさっぱり。羊肉の匂いも全然気になりません。この玉ねぎも甘くて、程よくシャキシャキなんですよ。これはごはんが欲しくなる味ですねー」

と言いつつ、今度は「いいちこのお茶割り」をぐびり。

いいちこ25度の緑茶割り

丸尾「ああ、やっぱり。ごはんに合うものは、お茶割りにも合うんやなぁ」

こうした一品料理はすべて、「料理人が自分の家族に安心して食べさせるように」店内で一から調理しているそう。カット野菜は使わず、スープも鶏を洗うところから。

丸尾「珉珉さんが世代や性別を問わず愛されている理由がわかる気がしますね」

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変化をいとわないことが、“珉珉の味”を守ることになる

さて、お酒好きの珉珉ファンはご存知かもしれませんが、ドリンクメニューには「珉酒」というオリジナル日本酒もあります。実はこれも「いいちこ」と同じ三和酒類が製造しているもの。

三和酒類はもともと地元の3つの造り酒屋が集まってできた会社です。そのうちの1つ『熊埜御堂(くまのみどう)酒屋』と『珉珉』創業者・古田安氏の生家がお隣同士で、その縁で珉珉オリジナルラベルの日本酒「珉酒」が生まれ、今もお店のテーブルで飲まれています。

珉酒と焼き餃子

舌に馴染んだ酒を飲み、昔から変わらない餃子を食べる。そんな珉珉の味を守るために、一日も欠かさず餃子を食べているという古田さん。そうして細かな変化にいち早く気づき、改良すべきところは変えていく。

古田「例えば昔のニンニクはもっと匂いが強かったんですが、今は品種改良されて風味が穏やかになっています。時代によって、人の味覚も食材の風味も変化するんですよね。昔のままの味を守る=昔と同じやり方を続ける、ではなく、時には材料の配合を変えたり、攪拌のやり方を変えたり、思い切った変更も必要だと思ってるんです」

「余裕をもった働き方からしか良いものは生まれない」と考える古田さんは、職場環境の改善にも力を入れています。中華チェーン店では珍しく、ホールスタッフを含む従業員のほとんどを社員登用しているのもその表れのひとつです。

餃子をきれいに並べる職人さん

そんな珉珉さんを訪れて、丸尾さん、いかがでしたか?

丸尾「一番心に響いたのは、“お客様の食”を何より大切にされていることですね。おいしさの追求が自己満足になってない。

古田さんも言われていましたが、70年間に人の食や好みも変わるので微調整を加える必要があります。でも絶対に変えてはいけない部分もあって。要は“珉珉の味”という軸はブレさせずに、より品質を上げていくための変え方ですよね。

それは『いいちこ』というロングセラー焼酎をつくる我々も常に意識している部分です。古田さんの話を聞いて、その“変えていく”大切さを改めて感じました」

「珉珉」の社長・古田さんと「いいちこ」のつくり手・丸尾さん
【おまけ】珉珉さん直伝! 通販の「珉珉本店 生餃子(冷凍)」をおいしく焼くコツ

珉珉の餃子はおうちでも食べられます。ぜひ「いいちこハイボール」と一緒にお楽しみください!
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いいちこハイボールと珉珉餃子

古田さん

冷凍餃子をおいしく焼くには、差し水の量が大事です。量が少ないと、うまく皮が膨らまずにしぼんだようになります。お湯を差すのもNGです。袋に書いてある分量通りの水をたっぷり差しましょう。

今回お世話になったお店はこちら!

珉珉外観

「珉珉 南千日前本店」
大阪府大阪市中央区千日前2-11-25
TEL:06-6641-6088
営業時間:11:30~23:00
定休日:元旦
株式会社珉珉本店 公式HP

※記事の情報は2023年7月25日時点のものです。