卵や牛乳を使った、まろやかで甘いカクテル「エッグノッグ」。名前の由来やエッグノッグに合うお酒、さらに「いいちこスペシャル」を使った家庭で簡単にできるエッグノッグのレシピまで、たっぷり教えていただきました!
この方にお聞きしました
堀川賀正(ほりかわよしまさ)さん
東京銀座のリトルスミス、BAR東京を経て2004年にBAR保志に勤務。保志雄一氏に20年師事。2017年にBAR堀川として独立。
▼あわせて読みたい ・チェイサーとは? お酒をおいしく飲むための取り入れ方を解説します |
「エッグノッグ」とはどんなお酒?
─エッグノッグとはどんな飲み物なんでしょうか?
卵と牛乳と砂糖を合わせて作る飲み物です。日本で親しまれている卵酒や、ミルクセーキに近いかもしれません。はっきりとした定義はなくレシピもさまざまで、共通しているのは卵を使っていることと、クリーミーな舌触りでまろやかな甘い味がするというところです。温かいものや冷たいもの、アルコール入りのものもあればノンアルコールのものもあります。
─一口にエッグノッグと言っても、いろいろなスタイルのものがあるんですね。エッグノッグの基本の作り方を教えてください。
作り方もいくつかあるのですが、ホットカクテルの場合、私は温めたタンブラーに卵黄と砂糖を入れて混ぜ合わせ、お酒を注ぎ、混ぜながら温めた牛乳を足して作っています。
─エッグノッグが特によく飲まれている地域や、シーンはありますか?
エッグノッグはアメリカで生まれ、古くからウインターカクテルとして飲まれています。簡単に作れるので家庭でも親しまれているカクテルで、今でも欧米を中心に、主にクリスマスや年末年始に楽しまれています。
海外のバーテンダーに聞いたところによると、スーパーなどでは紙パックに入ったノンアルコールのエッグノッグが市販されていて、温めたり、お酒を足したり、スパイスを入れたりして、それぞれ好きなスタイルで飲むのだそうです。寒い時期にはホットワインに並ぶくらいメジャーな飲み物だと聞きました。
─ホリデーシーズンによく飲まれているんですね。エッグノッグの名前の由来も教えてください。
諸説ありますが、一説には、アメリカは植民地時代ラム酒のことをグロッグと言い、卵とグロッグを使って作るカクテルを「エッグ アンド グロッグ(egg and grog)」と呼んでいたんだそうです。それが徐々に変化して「エッグングロッグ(egg’n’grog)」になり、「エッグノッグ(eggnog)」になったと言われています。
─名前になるくらいですから、エッグノッグは基本的にはラム酒で作るのですか?
たしかにラム酒を使うレシピはオーソドックスですが、今は他のお酒を使うエッグノッグもあります。例えばブランデーを使った「ブランデー・エッグノッグ」、マデイラワイン*を使った「ボルチモア・エッグノッグ」など。エッグノッグは定義や決まったレシピがないからこそ、その土地ならではのお酒を使ったりスパイスを工夫したりと、アレンジを楽しむ幅が広いカクテルでもあります。
*マデイラ島で造られている酒精強化ワイン
エッグノッグに合うお酒は?
─エッグノッグに加えるのに向いているお酒の特徴などはありますか?
はい、あります。さまざまなお酒を使って作るなかで感じたのは、エッグノッグにはブラウンスピリッツが向いているということです。
ブラウンスピリッツとは、ウイスキーやブランデー、ダークラムなど樽熟成させ樽の成分が溶け込んだ琥珀色のスピリッツを指す総称です。飲んだときにアルコールの刺激を感じにくく、樽の甘い香りがするという特徴があります。
エッグノッグにブラウンスピリッツを使うことで、卵、牛乳、砂糖の相性をより高めてくれるように感じます。
─今回、堀川さんには「いいちこスペシャル」を使ったエッグノッグのレシピを考案していただきました。「いいちこスペシャル」とエッグノッグも相性がいいのでしょうか?
「いいちこスペシャル」には樽貯蔵酒がブレンドされているので、とても相性がいいです。
「いいちこスペシャル」の持つバニラのような上品で甘い香りがエッグノッグとマッチして、ワンランク上のカクテルに引き上げてくれるような感じがしました。温めた牛乳と合わせてもお酒の風味が飛ばないので、今回紹介するようなホットエッグノッグにもいいですね。
アルコール度数が30度あり、他の材料と混ぜても負けないようなお酒としての芯の強さがあるので、「いいちこスペシャル」はカクテルにも向いていると思います。
─考案していただいたホットエッグノッグのポイントや味の特徴を教えてください。
今回のカクテルは「お茶」を合わせたのがポイントです。お茶の香味の主張は強くありませんが、味に深みが出て、「いいちこスペシャル」のカスタードクリームのような香りや酵母の香りをより引き立ててくれます。エッグノッグのまろやかで甘い味わいはそのままに、花のような香りと奥行きのあるうまみを感じるカクテルになっています。
通常、エッグノッグにお茶を組み合わせることはないのですが、「いいちこスペシャル」を使ったエッグノッグならではのレシピを考えました。スーパーなどで手軽に揃う材料で作れるので、ぜひ楽しんでいただければと思います。
エッグノッグの材料
材料(1杯分)
「いいちこスペシャル」…30ml
卵黄…1個分
黒糖…10g
緑茶(ティーバッグ)…1個
※電子レンジで加熱できる、金属の留め具などが付いていないもの牛乳…100ml
シナモン、ナツメグ…少々
※シナモン、ナツメグはお好みで
エッグノッグの作り方①│電子レンジで緑茶を煮出す
耐熱容器に緑茶のティーバッグ(1個)と水(50ml/分量外)を入れ、ラップをして電子レンジ500Wで1分加熱します。加熱後、ラップをしたまま2分蒸らし、蒸らし終わったらティーバッグを取り出しておきます。
エッグノッグの作り方②│「いいちこスペシャル」と卵黄、黒糖を混ぜ合わせる
耐熱のグラスに「いいちこスペシャル」(30ml)、黒糖(10g)を入れ、溶いた卵黄(1個分)を加えてよく混ぜます。
エッグノッグの作り方③│煮出した緑茶に牛乳を加えて電子レンジで温める
①に牛乳(100ml)を加え、ラップをして電子レンジ500Wで2分加熱します。
エッグノッグの作り方④│卵液に緑茶入り牛乳を注ぐ
②に③を少しずつ加えながら混ぜ合わせます。緑茶入り牛乳は少しずつ加えることで、熱で卵液が固まるのを防ぎます。
しっかりと混ざったら、最後にシナモンとナツメグ(各少々)を振りかけます。
エッグノッグの作り方⑤│完成!
「いいちこスペシャル」を使ったエッグノッグの完成です! 温かくほっとする優しい甘さと「いいちこスペシャル」の甘く香ばしい香りが、リラックスタイムにぴったりです。
ウーロン茶で作る「エッグノッグ」も絶品!
今回教えていただいたエッグノッグは、緑茶のティーバッグをウーロン茶に変えると香味が変化してまた違った味わいになり、より華やかな香りを楽しめます。ウーロン茶と緑茶の違いは発酵度合いにあり、実は同じ樹の葉からできているため、どちらも「いいちこスペシャル」の香りとよくなじみます。
体も心も温めてくれるようなおいしさのホットエッグノッグ。この冬、あなたもぜひ試してみませんか?
■取材協力 一般社団法人 日本バーテンダー協会
※記事の情報は2024年12月17日時点のものです。