からあげもおいしいけれど、大分名物の鶏肉料理といえば忘れてはならない「とり天」。その名の通り、鶏肉の天ぷらですが、衣をサクサクに、鶏肉をふわっとジューシーに仕上げるには少しコツがいります。銀座名店総料理長にお聞きした、絶品「とり天」のレシピを詳しくご紹介します!

大分名物「とり天」とは?

総務省が都道府県庁所在地と政令指定都市を対象に調査した「一世帯あたりの鶏肉年間消費量」で大分市が、2019年、2020年と連続全国1位になるほか、宇佐市や中津市で有名なからあげ、鶏めし、鶏汁など鶏肉を使った名物料理もいろいろあります。なかでも全国的に有名なのが「とり天」です。そんな「とり天」の絶品レシピを教えていただく前に、その成り立ちなどを東京・銀座にある「坐来大分(ざらいおおいた)」の総料理長・安心院(あじみ)さんにお聞きします。

この方にお聞きしました

安心院 淳(あじみ すなお)さん
大分県のレストラン型公式アンテナショップ「坐来大分」(東京・銀座)の総料理長。大分県日田市生まれ。博多・日本料理「とり市」、神戸・「東京 田村」等を経て、「坐来大分」に入社。2014年から総料理長に。

―「とり天」は昔から食べられていたんですか?

諸説あるのですが、別府市にある東洋軒というレストランが発祥とも言われています。宮内庁で天皇の料理番も務めた宮本四朗が、別府観光の父と言われる油屋熊八(あぶらやくまはち)の誘いで「亀の井ホテル」(当時は亀の井旅館)の初代料理長となり、その後、大正15年(1926年)に創業したのが東洋軒です。

―天皇の料理番…!

宮本四朗が中華料理を和風にアレンジして生み出した「とり天」が、「鶏ノカマボコノ天麩羅」としてメニューに登場したのは昭和初期だそうです。これが次第に評判となって近隣の飲食店に「とり天」が拡がり、今では県下各地で食べることができる大分県の名物料理として定着しています。

―歴史あるメニューなんですね!
ではいよいよ、「坐来大分」総料理長・安心院さんに教えていただいた、絶品「とり天」のレシピをご紹介します!

絶品「とり天」の材料

※2人分
・鶏もも肉…1枚分
▼A(下味)
 ・しょうゆ…小さじ2
 ・薄口しょうゆ…小さじ2
 ・酒…小さじ1
 ・みりん…小さじ1
 ・にんにく…1片
▼B(衣)
 ・小麦粉…100g
 ・冷水…150cc
 ・卵(Mサイズ)…1個
・サラダ油…適量
・ポン酢しょうゆ…お好みで
・和からし…お好みで
・かぼす…お好みで

絶品「とり天」の作り方①|下味をつける

にんにくをほのかに香らせる仕上がりにするため、にんにくを半分に切り、切り口をボウルにこすりつけ香りを移します。ボウルにAの調味料(しょうゆ・薄口しょうゆ各小さじ2、酒・みりん各小さじ1)を加え、軽く混ぜ合わせる。ひと口大に切った鶏もも肉を入れて、30分ほど浸けます。

絶品「とり天」の作り方①|下味をつける

POINT
にんにくはおろさず、ボウルに香りを移すに留めてほのかに香らせると、上品な仕上がりに。

絶品「とり天」の作り方②|衣をつける

下味をつけた鶏肉に薄力粉(分量外)をまぶす。お店では刷毛を使って余分な粉をはらっていますが、ご家庭では手ではらえばOK。ボウルにBの材料を入れて箸でさっくり混ぜ、鶏肉をくぐらせます。

絶品「とり天」の作り方②|衣をつける
絶品「とり天」の作り方②|衣をつける

POINT
衣の材料は混ぜ過ぎない方が、軽くサクッと仕上がります。

絶品「とり天」の作り方③|揚げる

鍋にサラダ油を入れ、170℃に熱します。衣をつけた鶏肉を投入し、表面が固まったら一度バットに引き上げ、ラップやアルミ箔をかぶせて密閉します。10分ほど置いてから、もう一度170℃の油に入れ、衣がカリッとしたら引きあげます。

絶品「とり天」の作り方③|揚げる
絶品「とり天」の作り方③|揚げる

POINT
1度揚げてから10分ほど置いて、余熱で熱を通すのがポイント。熱が入り過ぎずに鶏肉がやわらかくジューシーに仕上がります。2度目の揚げの工程は衣をサクッとさせるのが目的。2度揚げがサクサク&ジューシーのコツです。

絶品「とり天」の作り方④|盛り付け

とり天は中心が高くなるように盛り付けると上品な雰囲気に。和からし、ポン酢しょうゆ、そしてあれば大分県名産のかぼすを添えるとよりおいしくいただけます。

絶品「とり天」の作り方④|盛り付け
絶品「とり天」の作り方④|盛り付け

▼かぼすを使った自家製ポン酢しょうゆのレシピはこちら!
クエン酸たっぷり! 大分特産「かぼす」の意外な使い方と絶品自家製ポン酢の作り方

絶品「とり天」に合ういいちこは?

今回、絶品「とり天」レシピを教えてくれた「坐来大分」さんでは、(お酒の提供が可能な期間は)「いいちこスペシャル」と「いいちこフラスコボトル」がラインナップ。長期貯蔵タイプの「いいちこスペシャル」をソーダ割りにして、すこしかぼすを絞って提供することもあるそう。「とり天」とよくマッチしそうな飲み方ですね。

いいちこスペシャルといいちこフラスコボトル

東京でおいしい「とり天」を食べるなら

今回取材にご協力いただいた「坐来大分」さんは、東京・銀座に店舗を構えるレストラン型のアンテナショップ。レストランでは、関さば、関あじをはじめ、おおいた冠地どり、おおいた和牛といった大分県が誇る食材を洗練されたコースメニューでいただけます。おおいた冠地どりを使った「とり天」も、アラカルトやランチなどで楽しむことができます。また、エントランス横の「ギャラリー坐来大分」は、大分を代表する物産を購入できるセレクトショップ。大分のおいしいもの探しはぜひこちらへ。

▼「坐来大分」について詳しくはこちら
https://zarai.jp/

坐来大分
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※記事の情報は2021年8月27日時点のものです。