大分県の特産品「かぼす」は、これからが旬。そこで、かぼすの魅力を知り尽くした大分県豊後大野市「あねさん工房」の方々に、地元の人しか知らないかぼすの使い方や絶品かぼすポン酢の作り方を教えていただきました!

この方々に教えていただきました!

この方々に教えていただきました!

写真左:古川 笑子(ふるかわ えみこ)さん
写真右:羽田野 千里(はたの ちさと)さん

香り清らか、酸味まろやか。大分県民の食と元気を支える「かぼす」

かぼすの木

三和酒類が本社を構える大分県にはさまざまな特産品がありますが、とりわけ有名なのが「かぼす」です。県内のかぼす生産量は、実に国内全体の95%以上を占めるほど! 大分県は誰もが認める「かぼす王国」なのです。

「このあたりに昔からある一軒家には、一家に一本かぼすの木があるのがあたりまえ。そういえば、私らレモンはあんまり使わんねー。焼き魚にしてもなんにしても、搾るといえば“かぼす”やから」

そう口を揃えて話すのは、大分県豊後大野市の「あねさん工房」で働く古川笑子さんと羽田野千里さん。「あねさん工房」では、かぼすの栽培からジャムやポン酢などのかぼす加工品の製造・販売を行っています。

すだちや青ゆずよりもひとまわり大きいかぼす。清々しく上品な香りが特徴で、レモンなど他の柑橘類に比べてほんのり甘味があり、酸味もまろやか。また、クエン酸やビタミンCもたっぷり含まれ、古川さんたちは子どものころから風邪予防にもお世話になってきたそうです。

「冬に風邪気味かな?ってときにはね、母がかぼすをぎゅうぎゅう搾って砂糖とお湯を入れて、“ホットかぼす”をよく作ってくれました。それを飲んでぐっすり眠ると、風邪もどこへやら(笑)」

漬物、味噌汁、焼酎。どんなものにもかぼすをひと搾り!

かぼすをひと搾り

驚くのは、地元の方ならではの多様なかぼす使い。旬の時期には庭の木からかぼすを獲ってきて、食卓にのぼるあらゆる料理や晩酌の焼酎に、果汁を搾って楽しんでいるのだそうです。

「変わったところでは、味噌汁とか卵かけごはんにも。かぼすの風味で口当たりがあっさりして、食欲のないときでも食べられるんです。そのうえ酸味がきつくないから、料理の味を邪魔せんし。うちでは、酢の物や酢飯を作るにしても、米酢よりかぼす果汁をよく使いますよ」と羽田野さん。

古川さんのおすすめは、季節の漬物にかぼす。「夏は茄子やきゅうり、冬は白菜を軽く塩で揉んでかぼすをちょっと搾ると、それだけですごくおいしい」とのこと。

朝ごはんから晩ごはん、ハレの日からふだんの食事まで。大分県民の食卓には、いつもかぼすの爽やかな香りが立ち上っているようです。

生産者が教える、かぼすの上手な搾り方と保存アイデア

かぼすは、3月~8月はハウスものが出回りますが、露地ものは8月中旬のお盆を過ぎたあたりからが収穫シーズン。

かぼすというと青々とした緑色のかぼすをよく見かけますが、それは8月中旬~9月末に収穫されたもの。10月半ばくらいからは成熟がすすみ、果皮が黄色く色づきます。

「フレッシュで爽やかな風味の緑のかぼすに比べて、黄色のかぼすは酸味が穏やかで、緑のかぼすとはまた違ったおいしさが楽しめるもの。買った時は緑だったかぼすも、冷蔵庫に入れておくと黄色くなって少し表面がしわっぽくなるけど、傷んでいるんじゃなく、むしろ皮が柔らかくなって果汁がよく搾れるんです」と羽田野さん。

搾り方にも生産者ならではのコツがあるようで、「切り口を上向きに、皮のほうを下向きにして搾ってみてください。そうすると皮に含まれる香りのエキスも取れるから」と教えてくれました。

かぼすの搾り方

ちなみに、かぼすは新聞紙にくるんでからポリ袋に入れて冷蔵庫で保存すると、鮮度が長持ち。また、地元の方は年中かぼす果汁を切らさないように、旬の時期に搾って製氷皿で凍らせたものをストックし、料理などに活用しているそうです。

旬のかぼすで! 絶品ポン酢の作り方

ポン酢の作り方

旬のかぼすが手に入ったら、ぜひ自家製ポン酢を作ってみましょう。古川さんと羽田野さんに、作り方を教えていただきました。

フレッシュ果汁で作ったポン酢は、まじりっけなしの爽快な香り! お鍋のつけダレとしてはもちろん、刺身や冷奴、天ぷら、サラダのドレッシングとしても楽しめます。

ポン酢の材料

材料(作りやすい分量)
・かぼす…4~5個(果汁100ml分)
・しょうゆ…100ml
・かつおぶし…5g
・昆布…5cm角
・みりん…25ml(お好みで加減)
・酒…25ml(お好みで加減)

作り方
小鍋にしょうゆ、かつおぶし、昆布、みりん、酒を入れて一度沸かし、そのまま冷ます。
かぼすを横半分に切り、切り口を上にして果汁を搾る。種は取り除いておく。
冷ました①をキッチンペーパーを敷いたザルなどで濾して、②のかぼす果汁を合わせて出来上がり(2~3日おくと、より味がなじんで美味)。

Point!
かぼすの風味や酸味を飛ばさないよう、鍋で沸かしたしょうゆが完全に冷めてから果汁を合わせましょう。

「かぼす×いいちこ」のとっておきレシピ!

ご存知の方も多いと思いますが、かぼすと「いいちこ」は両者とも大分生まれなだけあって相性抜群! 「いいちこ」初の缶入り商品としておなじみの「いいちこ下町のハイボール」も、爽やかなかぼすの風味が良いアクセントになっています。

ということで、最後にかぼすを使ったとっておきの「いいちこ」レシピをご紹介しましょう!

●いいちこかぼすハニー

いいちこかぼすハニー

作り方
スライスしたかぼすを1~2日、はちみつに漬けて“漬け蜜”を作る。
グラスに氷を満たし、①で作った“漬け蜜”といいちこ、炭酸水を注ぎ、縦に1回軽く混ぜる。
はちみつ漬けのかぼすスライスを添えて出来上がり。

かぼすとはちみつの甘酸っぱさが、夏のお疲れ気味の体にやさしくしみわたります。ぜひ、こちらもお試しください。


■お店情報

あねさん工房外観
取扱商品

「あねさん工房」
大分県豊後大野市緒方町冬原832-3
TEL:0974-45-2928
営業時間:平日 8:00~17:00
定休日:土、日、祝日
あねさん工房オンラインショップ

※記事の情報は2021年8月19日時点のものです。