本格焼酎のおいしさを活かした缶入りハイボールのシリーズにやさしいレモンの香りの新商品が仲間入り。その名も「いいちこ下町のハイボール Lemo-chiko(レモちこ)」! その気になる味わいは? 開発担当者にこだわりや開発の裏側などをお聞きしました。

お話をしてくれたのはこちらのお二人
濱小路 誠さん(はまこうじ まこと・写真左)
三和酒類株式会社 三和研究所 クロスオーバーセンター チーフ
渡辺 覚さん(わたなべ さとる・写真右)
三和酒類株式会社 辛島虚空乃蔵 商品開発生産チーム

「いいちこ下町のハイボール Lemo-chiko」とは?

―まずは「いいちこ下町のハイボール Lemo-chiko」がどんなお酒かを教えていただけますか?

渡辺“Lemo-chiko(レモちこ)”という名前の通り、やさしいレモンの香りの焼酎いいちこのハイボールです。特徴的なのは、本格焼酎の味わいをしっかり活かしつつ、ナチュラルなレモンの香りが調和しているところですね。

これまで「いいちこ下町のハイボール」、「いいちこ下町のハイボール GOLDEN BLEND」と2つの缶入りハイボールを出していますが、今回の「いいちこ下町のハイボール Lemo-chiko」がもっとも味わいの複雑さやボディ感のある焼酎を使っています。

人気の缶入り焼酎ハイボール、新商品はやさしいレモンの香り! 「いいちこ下町のハイボール Lemo-chiko(レモちこ)」が6月14日に発売

―パッケージにも書かれていますが、今回は「限定出荷」なんですね。

濱小路使用する国産柑橘を厳選した結果、今回は「限定出荷」という形をとらせていただくことになりました。

「いいちこ下町のハイボール Lemo-chiko」、王道RTDゆえの苦労とは?

「いいちこ下町のハイボール Lemo-chiko」

―いわゆる缶チューハイのジャンルではレモンは王道ですが、それゆえの苦労もあったのではないでしょうか?

渡辺コンビニエンスストアに行くとRTD(Ready to drink=蓋を開けてすぐ飲める飲み物)の棚の大半はレモンで占められています。そんな定番であるレモンを「いいちこ下町のハイボール」のシリーズで挑戦してみたい、という気持ちは持っていました。ただ、競合が多い中、どうしたら三和酒類らしい、「いいちこ」らしいレモン系RTDにできるのかなと…。

―“らしさ”を追求されたんですね。

渡辺我々は本格焼酎のメーカーとして、焼酎のおいしさで勝負したいなと思いました。既発商品の特徴でもあった、「プリン体ゼロ・糖質ゼロ・香料ゼロ・甘味料ゼロ」は引き継ぎつつ、本格焼酎のおいしさとレモンらしさのバランスにはかなりこだわりました。

―レモンだけでなく、かぼすも原料として使われているんですね。

渡辺ナチュラルなレモンらしさを追求する過程で試行錯誤をした結果、かぼすを入れた方が、飲んだときにレモンらしさを感じることが分かったんです。

濱小路そうなんです。焼酎ベースとレモンスピリッツだけをブレンドするよりも、かぼすスピリッツを使うことで調和のとれた酒質に仕上がりました。このあたりは三和酒類の強みであるブレンドの力ではないでしょうか。

瀬戸内レモン(左)と大分かぼす(右)。こだわりの国産ボタニカル2種を使用

「いいちこ下町のハイボール Lemo-chiko」は手間暇かけたクラフト・ハイボール!

―ベースとなる焼酎について詳しく教えていただけますか?

渡辺焼酎の蒸留方法は、すっきりとして花やフルーツのような華やかな香りが特徴の「減圧蒸留焼酎」、高い温度で蒸留することでコクや香ばしさが加わり、複雑でボディ感のある味わいになり、少しビターな後味もある「常圧蒸留焼酎」と、大きく分けて2種類あります。「Lemo-chiko」では、後者の「常圧蒸留焼酎」をベースにしています。

濱小路レモンの香りを引き立てるなら、本来はすっきりとしたタイプと合わせるのが一般的かもしれません。しかし、「Lemo-chiko」の開発では、大麦の香ばしい香り豊かな常圧蒸留焼酎の個性とレモンの爽やかさを共存させることにこだわりました。この点が難しいところだったかなと思います。

―原料にレモンスピリッツとかぼすスピリッツとありますが、果汁ではなくスピリッツを加えたのはなぜなんでしょうか?

渡辺柑橘系は皮に一番強い香りがあって、果汁にはあまり香りがないんです。なので香りが一番凝縮された皮の部分をお酒にして加えたいなと考えました。漬け込んだだけでは香りが弱いので、蒸留してより香りの多いスピリッツにしたものを使用しています。

渡辺覚さん

―スピリッツも三和酒類でつくっているんですか?

渡辺焼酎に加えてスピリッツもすべて自社でつくっています。一般的なRTDって機械でガーっと製造するようなイメージを持たれるかもしれませんが、「Lemo-chiko」は手作業の工程が実は多いんです。瀬戸内レモンと大分かぼすの皮をお酒に漬け込むのも手作業なんですよ。原料にもこだわっております。私も見学に行きましたけど、農家さんがこだわって作られた瀬戸内レモンと大分かぼすを新鮮なまま使っています。また加工業者様では、皮の白い部分が残るとお酒に苦味が残ってしまうので、機械では取り除けない部分を手作業での加工を続けていただいています。

濱小路レモンやかぼすを漬け込むときも、それぞれに最適な漬け込み期間があるんですよ。これを見極めてこだわりのスピリッツをつくっています。

レモンを漬け込む

―自社製造のスピリッツを2つ入れるとなると、もしかしてお酒をつくる手間が3回分ってことですか?

濱小路おっしゃる通りです。手間暇かかってますね、本当に(笑)。

渡辺果皮原料を漬け込むお酒も専用につくっているので、4回分以上の手間暇かも…(笑)。

―まさにクラフトマンシップを感じるハイボールですね。パッケージにはボタニカル・ハイボールとも書かれていますが。

渡辺いわゆる缶チューハイで、香料を使っていないものって珍しいんです。「Lemo-chiko」は香料を使わず、植物原料、つまりボタニカルの香りのみです。自然でやさしいレモンの香りと味わいを、香料を使わず表現することには、かなりこだわりました。

濱小路香料を使っていないところに加えて、甘味料も使っていないところも、この商品のすごいところかなと思います。

―飲んでみるとほのかな旨味、甘味が感じられました。

濱小路焼酎は麹を使った蒸留酒ですので、麹由来の味わいでそう感じていただけるのかなと思います。

濱小路誠さん

「いいちこ下町のハイボール Lemo-chiko」、おすすめのおつまみは?

―特におすすめのおつまみはありますか?

渡辺本格焼酎ベースなので基本的に何にでも合うんですが、夏に食べたい辛い料理や肉料理におすすめです。焼酎自体にボディ感があるので、味の濃い料理に負けず、一緒に楽しめる感じじゃないかなと思います。

濱小路味の濃いものをサラッと流してリセットするというより、相乗効果でおいしさが生まれる感じですね。

―レモンをガツンと前面に出したすっきり系のレモンサワーって、意外とおつまみと合わせるのが難しいような気もしています。

渡辺そこは焼酎メーカーがつくるからこそ、お酒単体でも楽しめて、料理にも寄り添ってくれる感じのお酒になったかなと思っています。

―おすすめのシチュエーションはありますか?

渡辺家飲み、アウトドア飲み、食事中、風呂上り…どんなシーンにも合うオールラウンダーなタイプではないでしょうか。

濱小路お休みの日に昼間から飲んでも背徳感ない感じかな?(笑) バーベキューのお供にもぴったりだと思います。

―では最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

濱小路満を持してのレモンとなりますが、お客様のご期待に沿えるような出来に仕上がったと思っています。焼酎のおいしさを感じる新しいハイボール「Lemo-chiko」を、いろんな生活シーンで楽しんでいただけたらと思っております。

渡辺いろんなシーンで皆様の生活に寄り添える味になったと思います。ぜひいろんな場所、場面でお楽しみください。

※記事の情報は2022年6月14日時点のものです。