「いいちこ」づくりの大ベテラン・丸尾剛さんが、全国各地の“酒場メシ”を食す! 今回訪れたのは、歴史あふれる城下町・会津若松で呑兵衛たちに愛される『居酒屋よさく』さん。辛子味噌を醤油で溶いた特製ダレで食べる「さくら刺(馬刺)&馬レバー刺」を、「いいちこ日田全麹」のお湯割りとともにいただきます!

“酒場メシ”ハンター

丸尾剛さん

丸尾 剛(まるお つよし)
三和酒類株式会社 SCM本部所属 40年の焼酎づくりのキャリアを生かし、社内の若いつくり手たちのスキルアップをサポートする「焼酎づくりの先生」。普段家で飲むのは、もっぱら「いいちこ20度」か「いいちこ日田全麹」。最近、麹を使った調味料づくりにハマッている。

会津の呑兵衛を半世紀近く虜にする店『居酒屋よさく』

福島県西部に位置する会津若松市。江戸時代には会津藩23万石の城下町として栄え、日本で唯一の赤瓦の天守閣・鶴ヶ城や白虎隊が最期を迎えた飯盛山など、多くの歴史遺産があることでも知られています。そんな歴史あふれる「SAMURAI CITY」に、今回ご紹介する『居酒屋よさく』はあります。

レトロな街並みになじむ蔵を改装した店構え。酒林(さかばやし)がぶら下がる木目調の店内はこれぞ大衆酒場な趣です。

「居酒屋よさく」店内

出迎えてくれたのは2代目店主の伊藤秀幸(いとうひでゆき)さん。地元の高校を卒業後、東京の割烹料理店で約5年間修業をし、家業を継ぐために戻って来ました。

「居酒屋よさく」店主の伊藤秀幸さん

「何を食べてもおいしい」というクチコミが多数の『居酒屋よさく』。地元の酒好きに愛され、今年で43年目を迎えます。

伊藤「お客さんは地元の人が7割ですね。紅葉など観光時期になると県外の方が5割近くになりますが、うちはずっと地元のお客さんを大切にしてきました。長く愛されているのは父である先代マスターのアットホームな人柄のおかげ。私が店主になったとはいえ、今でも週3回は先代が顔を出しています。もちろん頑張ってくれているスタッフのおかげもあります。そして何より地域の皆様のおかげです」

メニューを見せていただくと、開いてすぐに先代マスターの似顔絵が。ほっこりした気持ちでさらに開くと、そのメニュー数の多さに驚かされます。

「居酒屋よさく」先代マスターの似顔絵
メニューを飾る、先代マスターの似顔絵
「居酒屋よさく」メニューの一部
『居酒屋よさく』が誇る豊富なメニューのごく一部

伊藤「100種類以上はありますね。調理場は焼き物担当、揚げ物担当、生もの担当の自分の3人で回しています。春先になると山菜の天ぷらなどの季節ものも多少出ます。とにかく種類が多いので、何回か来てもらっても全種類制覇は難しいと思いますよ」

先代から受け継いだ多数のメニュー。その中に秀幸さんならではの視点で開発されたメニューはあるのでしょうか。

伊藤「そういうのは特にありません。東京の割烹料理で修業したといっても料理の基本を学んだだけ。うちは大衆居酒屋ですからね。魚は毎朝、会津若松市の公設地方卸売市場で仕入れていますが、それも当たり前のことでしょう。みなさんがおいしいと言うものをきっちり作ってお出ししているだけです」

少しぶっきらぼうで職人気質。それでいてどこまでも謙虚なお人柄の伊藤さん。『居酒屋よさく』が会津の呑兵衛たちに長く愛されている理由が分かってきました。

「居酒屋よさく」店内 カウンターとテーブル席
「居酒屋よさく」2階の座敷
席数は60~70。カウンターとテーブル席のほか、2階には宴会用の座敷も

純国産。肉の味が堪能できる赤身の馬刺&売り切れ必至・幻の馬レバー刺

調理場では生ものを担当している伊藤さん。まずおすすめしてくれたのが会津の名物料理「さくら刺(馬刺)」(1,080円)です。

「居酒屋よさく」の「さくら刺(馬刺)」 切っているところ
「少し薄めに切ったほうがおいしいんです」と伊藤さん

伊藤「会津の馬刺は国産で赤身なのが特徴です。脂肪のさしが入っていないので、さっぱりとした肉の味を堪能していただけます。辛子味噌で食べるのが会津ならではですが、うちでは醤油に辛子味噌を溶いた特製ダレで提供しています」

会津で馬刺が食べられるようになったのは、これも歴史が深く関係しているようで…。

伊藤「新潟から約150kmもの距離を、荷物を載せて運んできた馬が、会津坂下(ばんげ)を越えられず命を落とすこともあったそうです。その命を無駄にせずおいしくいただいてきたということでしょうね」

「さくら刺」とともに出してくださったのが「馬レバー刺」(1,080円)。国産品のみ提供が許可されている希少品です。

「居酒屋よさく」の「さくら刺(馬刺)」と「馬レバー刺」
右が赤身の「さくら刺」、左が希少な「馬レバー刺」

伊藤「週末に入荷することが多いのですが、入るとすぐに品切れになるので、地元の人でもなかなか食べられない、“幻のメニュー”ですね」

丸尾「うわ、赤身がきれい! 馬レバー刺もつやつや輝いてますね」

さくら刺と馬レバー刺に合わせるのは、「いいちこ日田全麹」のお湯割りです。

「居酒屋よさく」の「さくら刺(馬刺)」と「馬レバー刺」に合わせる「いいちこ日田全麹」のお湯割り

まずはさくら刺。『居酒屋よさく』特製ダレをつけていただきます。

丸尾「いただきます」

「さくら刺(馬刺)」を「居酒屋よさく」特製ダレにつける

丸尾「ピリ辛でうめー(馬だけに)! さっぱりとした肉の味と弾力。こりゃうめーな(馬だけに)」

そして、「いいちこ日田全麹」のお湯割りをぐびり。

「居酒屋よさく」の「さくら刺(馬刺)」に「いいちこ日田全麹」のお湯割りを合わせる丸尾さん

丸尾「『いいちこ日田全麹』の複雑な香味が馬刺の深みと甘味を引き立てますねー。これは合います。日本酒文化の街・会津の名品にここまで合うとは、焼酎のつくり手としては感動的です」

それでは「馬レバー刺」も。塩ごま油をつけて、さっそくいってみましょう。

「居酒屋よさく」の「馬レバー刺」に塩ごま油をつける

丸尾「コリコリとした食感がやみつき! かめばかむほど甘味が出てきます。これも『いいちこ日田全麹』のお湯割りに合いますね。甘さが増幅する気がします」

『居酒屋よさく』名物。冷めない器の「あさりバター」はシメにもぴったり!

それではもう一品。「いいちこ」でつくる緑茶ハイ「いい茶こ」に合う料理としておすすめしてくれたのが、『居酒屋よさく』名物「あさりバター」(560円)です。

調理中の「あさりバター」

伊藤「『あさりバター』は常連さんに長く愛されているメニューです。冷めないようにアルミホイルを器にしているんですよ。アツイから気をつけて召し上がってください」

丸尾「いい香りですね! さっそくいただきます」

「居酒屋よさく」名物の「あさりバター」をれんげですくう

丸尾「パンチの効いたダシにバターの甘い香りとコク! それでいて優しい味わいですね。これは二日酔いの日にもいいでしょうし、飲んだ後のシメにもぴったりですね」

そして、「いい茶こ」をぐびり。

「居酒屋よさく」の「あさりバター」に「いい茶こ」を合わせる

丸尾「うまい、うまい、少し甘味のあるダシに『いい茶こ』の緑茶のほんのりビターがベストマッチです」

伊藤「ありがとうございます。ダシに何を入れているのかは企業秘密ですが(笑)、パンチが効いているのはブラックペッパーの仕事ですね。少し前に導入した『いい茶こ』はお客様に大好評。『鮮やかな緑できれいだし、緑茶がおいしい!』と言っていただいています」

日本酒で有名な会津でも焼酎は“毎日のお酒”として愛されている

『居酒屋よさく』が「いいちこ25度」を導入したのは創業当時から。今年で発売45年を迎えた「いいちこ」と創業43年を迎える『居酒屋よさく』。両者は、その歴史のほとんどを共に歩んできたといっても過言ではありません。

伊藤「会津といえば日本酒が有名ですが、地元の人は次の日のことを考えて、日常的には焼酎を飲む人が多いように個人的には感じています。さまざまな種類の焼酎を置いていますが、麦焼酎といえば、『いいちこ』じゃないですか」

そして2008年の「いいちこ日田全麹」発売時には、先代マスターが地域の飲食業組合長として、組合員にミニボトルを配るなどして周知に努めてくれたといいます。

伊藤「妻の父が麦焼酎好きでして。『いいちこ日田全麹』を初めて飲んだとき、あまりのおいしさに感動して、その後ずっと店にボトルをキープしてるんですよ」

2013年、東日本大震災の復興支援として、三和酒類の社員約300名で会津若松市を訪れた際の新聞記事
2013年、東日本大震災の復興支援として、三和酒類の社員約300名で会津若松市を訪れた際の新聞記事

気になる“酒場メシ”がいっぱい! これも食べたい【丸尾’sセレクト】

100種類以上ある『居酒屋よさく』のメニューの中から、「いいちこ」づくりの大ベテラン・丸尾さんが気になる“酒場メシ”をセレクトすることに。

まずは「よさく太郎」(500円)。もちもちとした生地の中にカレーソースがたっぷり入ったオリジナルメニューです。

「居酒屋よさく」の「よさく太郎」

丸尾「これに合わすのはどう見ても『いい茶こ』ですね。わんぱくなカレーソースをさわやかな緑茶がさっと流してくれて。めちゃくちゃ合います」

続いて「しめさば」(880円)。

「居酒屋よさく」の「しめさば」

丸尾「しめさばが大好きなんですよ。このしめさば、厚切りのはらみですごくいいですね。これは『いいちこ日田全麹』のお湯割りですね。しめさばの甘酸っぱさと『いいちこ日田全麹』の深いコクがケンカせず、仲良しになる。最高ですね」

魚といえば、山に囲まれた会津では、かつて海の幸は塩漬けや乾物で持ち込まれ、古くから郷土料理として親しまれてきました。

そのひとつ、「にしん山しょう」(530円)は、干物として加工された身欠きにしんを山しょう、醤油、酢、みりんなどで漬け込んだもの。

「居酒屋よさく」の「にしん山しょう」

伊藤「お店や家庭によって少しずつ味が違うので、食べ比べもおすすめです。そのままでもおいしいですが、少し炙っていただくと香ばしい味わいが楽しめますよ」

丸尾「噛むほどに味わい深いですね。これ一切れで何杯でも飲めそうです。これは呑兵衛にはたまらないアテですね」

そのほか、たくさんのお料理を「いいちこ」とともにおいしくいただきました。

「会津の三泣き」を実感する、人情味あふれるお店

談笑する「居酒屋よさく」の店主・伊藤秀幸さんと丸尾さん

会津人の気質を表す言葉として使われる「会津の三泣き」。

伊藤「はじめは会津の人のよそ者に対する厳しさに泣き、2回目は会津の人の温かさと人情に触れて泣き、最後は会津を離れたくなくて泣く、という意味です」

丸尾「まさに伊藤さんは会津人代表みたいな方ですね。最初は少し怖い人なのかなと思いましたが(笑)、すぐにその温かいお人柄が伝わってきて。本当にいつまでもここで飲んでいたい、居心地のよいお店でした」

伊藤「ありがとうございます(照)。またぜひ会津に帰ってきてください」

丸尾「はい、またぜひ。今回、伊藤さんのお話の中で特に印象深かったのが、『皆様のおかげ』という言葉。先代のおかげ、地域の皆様のおかげ、スタッフさんのおかげ。地域密着で常連さんを大切に地元の方の口に合う味を提供し続けるという姿勢に感銘を受けました。我々の会社では毎朝『品質第一、安全運転、おかげさまで』を唱和しています。そんな“いいちこの人間”としては、マスターの心意気に賛同する部分が多くありました」

今回お世話になったお店はこちら!

「居酒屋よさく」外観

『居酒屋よさく』
福島県会津若松市馬場町1-42
TEL: 0242-25-4614
営業時間:17:00~24:00
定休日:なし(12/31、1/1は休み)

※記事の情報は2024年12月13日時点のものです。