「いいちこ」づくりの大ベテラン・丸尾剛さんが、全国各地の“酒場メシ”を食す! 今回はビジネスパーソンが行き交う街、東京・新橋で産声を上げて間もない『魚豪商 コダマ』さんを訪問。市場で毎朝目利きして仕入れる旬魚や旬菜の「天ぷら」を、「いいちこ」の緑茶ハイ「いい茶こ」とともにいただきます!
“酒場メシ”ハンター
丸尾 剛(まるお つよし)
三和酒類株式会社 SCM本部所属
39年の焼酎づくりのキャリアを生かし、社内の若いつくり手たちのスキルアップをサポートする「焼酎づくりの先生」。普段家で飲むのは、もっぱら「いいちこ20度」か「いいちこ日田全麹」。最近、麹を使った調味料づくりにハマッている。
豊洲市場で“毎朝仕入れ”! 旬魚を使った日替わりメニューが自慢の『魚豪商 コダマ』
JR新橋駅から徒歩2分。今回丸尾さんが目指す『魚豪商 コダマ』さんは、数々の居酒屋が立ち並ぶ激戦区「新橋西口通り」にあります。
オープンは昨年の2023年6月という鮮度抜群のこのお店。外観や店内の雰囲気は昭和レトロを今風にアレンジしたネオ大衆酒場といった印象で、「飲兵衛の聖地」とも呼ばれる新橋にあって、どこか軽やかな風を感じさせます。
「丸尾さん、ようこそ!」。店長の小玉邑椰(こだまゆうや)さんが笑顔で迎えてくれました。『魚豪商 コダマ』のコンセプトは、店の看板にも誇らしく掲げられている“毎朝仕入れ”。
小玉「仕入れ担当の遠田が毎朝トラックで豊洲市場と大田市場をまわって目利きして、その日のメニューに載せる鮮魚や旬菜を仕入れてくるんです。はじめは業者さんに買い付けをお願いしていたんですけど、やっぱり自分で仕入れに行った方が新鮮でいいものを安くお客様に提供できるからって」
『コダマ』以外にも新橋界隈にいくつかグループ店があり、その分の仕入れも遠田さんが担当。仕入れた魚は、刺身にしたり、フライにしたり、炙ったり。食材のおいしさが一番活きる方法で調理されます。
営業開始時刻は、平日は16時、土日は15時。まだ明るいうちから、旨い肴と酒を楽しみたいお客さんたちで席は埋まっていきます。
揚げたてを塩で! サクサク衣に食材の風味を閉じ込めたコダマ流「天ぷら」
そんな“毎朝仕入れ”のおいしさをぜひ味わってほしい!と、小玉さんが丸尾さんにおすすめしてくれたのが、旬魚と旬菜を使った「天ぷら」。仕入れによって毎日ネタが変わるので、ご常連さんも必ず注文するそう。
小玉「ウチの天ぷらは、基本的につゆではなく塩で食べていただいています。素材そのものの味と衣のサクッとした食感を楽しんでいただきたくて。卓上にある燻製塩とカレー塩のお好きなほうでどうぞ。さつまいもにはあらかじめ抹茶塩がふってあるのでそのままで」
天ぷらのおともには「いいちこ」を使った緑茶ハイ「いい茶こ」をオーダー。『コダマ』では嬉野茶のティーバッグに「いいちこ」の水割りを注いで提供されます。
丸尾「では、早速揚げたてをいただきましょう。まずはシロギスを燻製塩で…」
丸尾「わ、ほんと。衣がサックサク。身もフワフワですね。このシロギス、たぶん刺身でもイケる新鮮さですよ」
そして、「いい茶こ」グラスを傾けて。
丸尾「うん、合う合う! 『いい茶こ』が口の中の油分を切ってくれる感じですね。だからまた次も食べたくなる」
と言いながら、今度は野菜の天ぷらに箸が伸びます。
丸尾「さつまいももホクホクですね。抹茶塩で甘味が引き出されていて。まいたけの天ぷらにカレー塩も正解でした。それにしてもこのサクサク感、いい仕事されていますねー」
小玉「小麦粉と水の分量にはかなり気を遣っています。食材から水分が出るので、天ぷら衣の液がだんだん水っぽくなるんですよ。逆に粉っぽすぎてもダメで。常に液が最適な状態になるように意識して。揚げる時間も食材によって変わるので、箸で衣に触れたときに手に伝わる感覚で計るんです。でもこの感覚を若いスタッフに教えるのが難しくて」
丸尾「わかります。そういうアナログの部分を伝えていくって本当に難しいんですよね。焼酎づくりの現場でも同じようなことがあるので。データや技術の力を借りつつも、やっぱり最後は人が時間をかけて伝えていくことが大事なんでしょうね」
濃い味&トロトロ食感で「いい茶こ」が進む! コダマ名物「コラ豚」
絶品天ぷらについつい「いい茶こ」も進んでしまった丸尾さん。グラスが空いたので「おかわり」を注文します。グラスに残ったティーバッグに「いいちこ」の水割りを注いでもらうスタイルです。
小玉「『いい茶こ』にはコダマ名物の『コラ豚』もぜひ。豚バラ軟骨を1日かけてじっくり煮込んだ角煮風の料理で、軟骨部分はトロトロ、肉も箸でさけるほど柔らかくて。コラーゲンたっぷりなので『コラ豚』って命名したんです」
丸尾「おお。それもぜひ食べてみたいです」
コラ豚は「さっぱりポン酢味」か「トロトロ月見チーズ味」の2種類から選べ、今回は「トロトロ月見チーズ味」をいただきます。
丸尾「軟骨のとろりとした感じと、甘辛く煮込まれた肉の味わい。いやー、これは酒飲みのための食べ物でしょう(笑)。チーズと卵黄をまとわせることで、甘辛味がマイルドになるんですね」
そして、マドラーでよくかき混ぜて緑茶を抽出した「いい茶こ」をぐびり。
丸尾「うん。『コラ豚』のこってり感と『いい茶こ』のまろやかさがいい感じで融合しますねー」
小玉「『いい茶こ』は、特に若いお客様からの注文が多いんですよ。『いいちこ』って昔からあるお酒だし、コンビニにも置いてあるので、飲んだことのない方にもどこか親近感があるんでしょうね。『いい茶こ』っていうネーミングも可愛いし。それが、“試しに飲んでみよう”につながっているのかな」
丸尾「嬉しいですね。昔は『き』(=ストレート)で飲まれていた焼酎が、やがて水割りやお湯割りで飲まれるようになり、今は炭酸水やお茶で割ったりして楽しまれている。時代が変われば食も変わって、それに合わせて酒の飲み方も変わる。その時代の食生活に合わせた飲み方で『いいちこ』が若い方々にも楽しまれているというのは、焼酎のつくり手としてとても嬉しいことです」
“チーム・コダマ”のファーストゴールは新橋No.1になること!
聞けば、店長の小玉さんの前職はコストコンサルティング事業の営業職。所属する会社が新たに飲食事業を立ち上げ、小玉さんも2021年に営業職から飲食の世界に飛び込んだそう。
小玉「飲食店でバイトした経験もなかったので、僕にとっては本当にチャレンジングな仕事で。右も左もわからないところからのスタートでした」
そんな小玉さんが今では店長を任されるまでになったのは、周りの仲間からの助けや支えがあったおかげだと言います。
小玉「例えば仕入れ担当の遠田にしてもそうです。一人で豊洲に行って、職人気質の市場の人たちとゼロから関係性を築いていくって、大変なことだったと思うんです。関係が深くないといい魚を売ってくれないので。しかも、ホタテの仕入れはこの店とか、イクラだったらこの店とか、付き合うのは一店舗だけじゃないんですよね。たぶん、初めはうまくいかないことの連続だったと思います。でも、本当によくやってくれたなって」
小玉「結局飲食の世界でも、大事なのは人の人とのつながりなんですよね。特に僕はいろんな人に勉強させてもらったり、助けてもらったっていう思いが強くあるので。そのことを若いスタッフたちにも伝えていきたいなと思います」
お店のオープンからおよそ半年が過ぎた今、小玉さんの目指すところは?
小玉「目下の目標は早く予約であふれる店にして、まずは新橋でNo.1になることですね。数ある飲食店の中からせっかく僕たちの店を選んで、貴重な時間を過ごしてくださるお客様です。料理もそうですけど、働いているスタッフのことをもっとお伝えしたい。なにか心動くような体験をして、元気に帰っていただきたいんですよね」
そんな『魚豪商 コダマ』さんを訪れて、丸尾さん、いかがでしたか?
丸尾「小玉さんのスタッフの方へのリスペクトや感謝の気持ちがすごく印象に残りました。その謙虚な姿勢が“チーム・コダマ”を作り、お店の活気につながっているんでしょうね。『業界を引っ張っていくぞ!』という瑞々しいエネルギーを見せてもらった気がしました」
今回お世話になったお店はこちら!
『魚豪商 コダマ』
東京都港区新橋4-19-10タカソビル1階
TEL:03-5860-1622
営業時間:[火~木]16:00~23:00(L.O. 22:30)、[金]16:00~翌1:00(L.O. 0:30)、[土] 15:00~翌0:00(L.O. 23:30)、[日]15:00~22:00(L.O. 21:30)
定休日:月曜日
※記事の情報は2024年3月12日時点のものです。