「いいちこ」づくりの大ベテラン・丸尾剛さんが、全国各地の“酒場メシ”を食す! 今回は東北随一の繁華街、仙台市の国分町で連日超満員の人気店『伊達な居酒屋 赤猿』さんを訪問。店主の生まれ故郷・高知仕込みの豪快な藁焼き料理を「いいちこ日田全麹」のソーダ割りとともにいただきます!

“酒場メシ”ハンター

丸尾さんプロフィール写真

丸尾 剛(まるお つよし)
三和酒類株式会社 SCM本部所属
39年の焼酎づくりのキャリアを生かし、社内の若いつくり手たちのスキルアップをサポートする「焼酎づくりの先生」。普段家で飲むのは、もっぱら「いいちこ20度」か「いいちこ日田全麹」。最近、麹を使った調味料づくりにハマッている。

お酒好きによるお酒好きのための店『伊達な居酒屋 赤猿』

仙台市の中心部にある国分町(こくぶんちょう)。江戸時代には宿場町や物流の拠点として賑わい、今では東北最大の歓楽街として知られるこのエリアに、今回ご紹介する『伊達な居酒屋 赤猿』はあります。

建物の2階にある店へと続く階段の壁面には、酒ラベルがびっしり。入店前から飲兵衛の心をくすぐります。

「赤猿」さんはビルの2階にある

扉の向こうには、店主の大森健介(おおもりけんすけ)さん。「いいちこ」の前掛け姿で丸尾さんを出迎えてくれました。

『赤猿』店主の大森健介さん。母親の故郷である高知県で生まれ、父親の転勤に伴い7歳の頃に仙台に移り住んだ

店のコンセプトはずばり、“お酒好きによるお酒好きのための居酒屋”。

大森「もともと僕自身が大のお酒好きで、いつも真っ赤な顔で飲んでいて(笑)。同じようにお客さんにもめいっぱいお酒を楽しんでほしくて『赤猿』という名前にしました」

聞けば、大森さんの前職は酒類卸会社の営業職。その会社で4年間働きながら酒類の知識や取扱いのノウハウを身に着け、2012年に念願の店『赤猿』を開業したそうです。

「赤猿」店内
席数はおよそ60。カウンターとテーブル席のほか、店の奥にはお座敷の個室が3部屋ある

大森さんが「お酒に関わる仕事がしたい」という夢をもつようになったのは、生まれ故郷・高知での記憶が大きく影響していると言います。

大森「仙台に引っ越してからも、年に2回は高知に帰省していたんです。その度に親戚同士で集まっては宴席が開かれ、大人たちがほんとに楽しそうにお酒を飲んでいて。子供ながらにお酒っていいものだなと思ったんですよね。お酒を囲むと話が弾んで、いろんな人とコミュニケーションが取れるじゃないですか。そんなお酒の楽しみを提供する側になりたいと思って」

東北の海鮮を高知の伝統調理法で! 赤猿の真骨頂「藁焼き料理」

高知の伝統調理法「藁焼き」

そんな大森さんにとって、高知で過ごした良き思い出のなかでもとりわけ強く印象に残っているのが、『赤猿』の名物にもなっている「藁焼き(わらやき)料理」。

大森「カツオの藁焼きたたきはやっぱり高知の文化なので、子供の頃もめちゃめちゃ食べましたね。大好きでした。藁で炙ることで、炭火やガス火を使うのとは全然違う藁のいい香りが食材につくんですよ。高温で一気に焼き上げるから、食材の旨みも閉じ込められて。この藁焼きのおいしさを仙台で伝えたかったんです」

高知には藁が湿気ないよう最適な状態で保存しておく藁蔵まであり、『赤猿』で使う藁も本場・高知から取り寄せているものなのだそう。

高知から取り寄せている稲藁

一方で食材は地元・東北のものにこだわっています。

大森「仙台名物と言えば牛タンが有名ですが、私が丸尾さんにぜひ食べてほしいのはやっぱり東北の海鮮。市内にある中央卸町市場で毎朝仕入れてくるもので、自信を持っておすすめできます」

ということで、東北の海の幸と高知の伝統調理法を融合させた大森さんイチオシの料理がこちら! 冬場に旬を迎えるブリ、カジキ、タコを藁で炙り、豪快に盛りつけた「塩たたきの贅沢3種盛り」です。

たっぷりの薬味とともにいただく赤猿名物の藁焼き。奥からブリ、カジキ、タコ。ちなみにカツオの藁焼きが食べられるのは春から秋にかけて
たっぷりの薬味とともにいただく赤猿名物の藁焼き。奥からブリ、カジキ、タコ。ちなみにカツオの藁焼きが食べられるのは春から秋にかけて

丸尾「うわ、旨そうやなー。藁焼き料理はずいぶん前に高知で食べて感動した記憶がありますが、それ以来ですよ」

大森「藁焼きの香ばしさを楽しんでほしいので、ぜひ塩たたきで。塩は『伊達の旨塩』っていう石巻で作られているもので、魚介のおいしさを引き出してくれるんです」

これに合わせるのは、お酒好き店主・大森さんが「絶対合う」と太鼓判を押す「いいちこ日田全麹」のソーダ割りです。

「いいちこ日田全麹」のソーダ割り

まずはブリのたたき。玉ねぎやみょうが、にんにくなどの薬味をのせて、塩をつけて。

丸尾「いただきます」

ブリの藁焼き

丸尾「このブリ、めちゃくちゃ脂がのっていますね。火入れ具合も絶妙。いやー、これが藁焼きのすごさなんでしょうか。バーナーで炙ったのとは違う、力強くも自然な香ばしさです」

そして「いいちこ日田全麹」のソーダ割りを口に含みます。

丸尾「うまいなぁ。『日田全麹』ならではのガツンとした味わいが、藁焼きの香ばしい風味にめちゃくちゃ合います」

ブリの藁焼き+日田全麹のソーダ割りを味わう

カジキやタコのたたきにもどんどん箸が伸び、グラスを傾ける手も止まりません。

丸尾「やっぱり藁焼きには塩ですね。しかも塩と『日田全麹』が出会うことで、麹の甘やかさが際立つんですよ。ご主人、酒と肴の相性を知り尽くしていますねー」

それもそのはず、実は大森さんは大の「いいちこ日田全麹」ファン。

大森「プライベートでもほぼ毎日飲んでます。仕事終わりに、だいたいはソーダ割りで。麹感がしっかり感じられて、飲みごたえがあるところが好きなんですよね。店で『日田全麹』を扱うことにしたのも、藁焼きの強い香りに負けない麹感が味わえるところが気に入ったからで。私の頭の中は常に、どんなお酒で料理を楽しんでもらうかっていうことばっかりなんです(笑)」

口の中で甘くとろける!「32℃豚の西京焼き」も赤猿で人気の一品

そんな大森さんが「いいちこ日田全麹」に合う料理としてもう一品おすすめしてくれたのが「32℃豚の西京焼き」です。

32℃豚の西京焼き

大森「『32℃豚』は宮城県のブランド豚です。通常、豚肉の脂の融点は40℃前後なんですが、この豚の場合32℃と融点が低い。食べると口の中の温度で脂が溶け出して、とろける食感が楽しめるんです。それがまた西京味噌の甘さに合うんですよね。ぜひ『日田全麹』のお湯割りと一緒にどうぞ」

丸尾「32℃豚、すごく気になりますねー。早速いただきます」

わさびをつけて

丸尾「わ、ほんと! 脂がとろけます。しっとりと甘い肉質も最高です」

そして 「いいちこ日田全麹」のお湯割りをゆっくり味わいます。

日田全麹のお湯割りを味わう

丸尾「これはもう間違いない。(いいちこ日田全麹の)麹×(味噌の)麹で、合わないわけないんですよ。お湯割りで飲むことで口の中の温度も下がらず、豚の脂のおいしさが思い切り味わえますね。いやー、さすがです。大分生まれの『日田全麹』をここまで知り尽くした方が仙台にいてくれるというのは、焼酎のつくり手としてはたまらないです」

日田全麹のお湯割り

大森「東北は地元が酒どころということもあって、西日本のお酒に触れる機会がそんなに多くないんですよ。そんな東北の方たちに新しい発見をしてもらいたくて、うちでは西日本のお酒をメインに扱っているんです。『日田全麹』は飲んだことないっていう方もいらっしゃるんですが、おすすめすると『こんなのあったんだ』って気に入ってくれることも多くて」

“一升商売、一生笑売”でこれからも

「赤猿」さん店内

平日にも関わらず、いつの間にか店内は満席に。コロナ禍が落ち着いてからは、テーブルが埋まらない日がないくらいなんだとか。それにもかかわらず、きびきびと立ち働くスタッフたちが絶妙なタイミングで料理やお酒を提供してくれる。その居心地の良さも、店の人気につながっているようです。

大森「でも特に業務マニュアルみたいなものは作ってないんですよ。『自分が行って、嬉しいと思える店を作って』っていうことを言っているだけで」

大切にしているのは「スタッフも自分も楽しんで働くこと」と大森さんは続けます。

大森「うちの経営理念というか、目指しているのは“一升商売、―生笑売”。お酒に携わる仕事で、一生楽しく働けるかどうか。もうそれだけなんです。うちも初めは全然お客さんが入らなくてずっと暇な時期があったんですけど、リピーターのお客さんが少しずつ増えてくれたおかげで今がある。やっぱり積み重ねなんですよね」

「赤猿」さん店内装飾

そんな『赤猿』さんを訪れて、丸尾さん、いかがでしたか?

丸尾「“一升商売、一生笑売”って、いい言葉ですね。大森さんは、お酒そのものもお好きなんでしょうが、やっぱりお酒が取り持つ人と人とのつながりが大好きな方なんでしょうね。そのツールの1つに『いいちこ日田全麹』がなれているっていうのは、本当にありがたいことだなと感じました」

「赤猿」店主の大森さんと丸尾さん

今回お世話になったお店はこちら!

仙台「赤猿」外観

『伊達な居酒屋 赤猿』
宮城県仙台市青葉区国分町2-3-20
TEL: 022-398-3483
営業時間:[日~木]17:00~25:00、[金、土]17:00~26:00
定休日:不定休

※記事の情報は2024年3月29日時点のものです。