さまざまな飲み方で親しまれている焼酎、実は飲むだけでなく「食べる」にも使えるんです。きゅうりなど身近な野菜を使った焼酎漬けや、にんにくと唐辛子を焼酎に漬け込んで作る調味料など、漬けて楽しい、食べておいしい焼酎漬けをフードコーディネーターのいのうえ陽子さんに教えていただきました。
焼酎漬けとは? どんな焼酎が向いている?
「焼酎漬け」とは、その名の通り、野菜などの食材を焼酎に漬け込む調理法です。本格焼酎に漬け込むことで、焼酎特有の芳醇な香りや旨味が食材にプラスされ、いつもとは一味違ったちょっと大人のお漬け物や調味料に。そしてもちろん、焼酎のおつまみにもぴったり! 毎日の食卓がさらにおいしく豊かなものになるんです。
焼酎漬けは、どんな種類の本格焼酎を使うかでそれぞれ違ったおいしさに仕上がりますが、食材そのものの味わいも生かしたいなら、やわらかな麦の香りは感じさせつつも、すっきりクリアな飲み口のものが多い麦焼酎がおすすめです。
今回使うのは本格麦焼酎「いいちこ25度」。まろやかな口当たりと、ほのかにフルーティな香りが食材の味わいを引き立ててくれ、後味はさっぱり。毎日食べても飽きのこない、風味豊かな焼酎漬けに仕上がります。
焼酎漬け①|きゅうりなど身近な野菜を漬けて「お漬け物」に
冷蔵庫にあるお好みの野菜を「いいちこ」入りの漬け物液につけるだけ。焼酎のおかげで野菜の味わいが引き締まり、ついつい手が伸びるおいしさです。複数の野菜を組み合わせる場合、みょうがやしょうがなどの香味野菜を1種入れるとアクセントになります。
●お好み野菜の焼酎漬け
材料(2人分)
・お好みの野菜…150g
※今回はきゅうり60g(1/2本)、大根60g(3cm)、みょうが30g(2本)で作りました
▼漬け物液
・いいちこ25度…大さじ1
・砂糖…1g
・塩…3g
作り方
①きゅうりは7~8mm幅くらいの斜め切り、大根はいちょう切りにし、みょうがは縦半分に切る。
②保存容器(ジッパー付き保存袋でも可)に漬け物液の材料を入れて溶かし、①の野菜を入れる。
③途中2回くらい野菜を漬け物液にからませ、半日以上漬けたら出来上がり。
*保存期間:冷蔵庫で2~3日間
Point!
漬け物液は、焼酎に砂糖と塩をよく溶かすことが味にムラなく仕上げるためのコツです。
焼酎漬け②|にんにくと唐辛子を漬けて「かける調味料」に
「いいちこ」ににんにくと唐辛子を漬け込むだけで、かける調味料の完成! 焼酎によって引き出されたにんにくの香りと唐辛子の辛味が、いつもの料理をお酒に合うガツンとした味わいに変えてくれます。からあげや焼いたお肉、炒め物、鰹のタタキ、麺類など、さまざまな料理にかけてお使いください。漬けた後のにんにくや唐辛子も刻んで料理に使えます。
揚げたてのからあげにかけて味変! いつものからあげも、一気にパンチの効いた味わいに
●にんにくと唐辛子の焼酎漬け
材料(作りやすい分量)
・にんにく…50g(小2玉)
・唐辛子 1~2本
・いいちこ25度…100ml
作り方
①にんにくは薄皮をむいて根元を切り落とし、芽が出ているようであれば、縦半分に切って芽を取る。芽が出ていなければ切らずにそのまま使ってもよい。
②煮沸消毒した瓶に①のにんにくと、ヘタと種を取った唐辛子を入れ、いいちこを注ぐ。
③5日間以上漬けたら出来上がり。
*保存期間:冷蔵庫で3か月間
Point!
カビを生やさないために、きちんと煮沸消毒した瓶を使いましょう。また、完成した調味料を使う際は、その都度清潔なスプーンをお使いください。
※にんにくに含まれる成分により、焼酎に漬けたにんにくが青く変色する場合がありますが、食べても健康上の影響はありません。
焼酎漬け③|ドライフルーツを漬けて「大人のスイーツ」に
「いいちこ」の豊かな香味を含ませることで、ドライフルーツがリッチな大人の味わいに。ふだん焼酎を飲み慣れない方にもお試しいただきたい一品です。そのまま食べるのはもちろん、アイスクリームに添えたり、細かく刻んでクリームチーズやマスカルポーネチーズと和えたりと、アレンジも広がります。
ドライフルーツの焼酎漬けを細かく刻み、クリームチーズで和えたもの。お好みでハチミツをかけても
●ドライフルーツの焼酎漬け
材料(作りやすい分量)
・お好みのドライフルーツ…100g
※今回はアプリコット40g、マンゴー30g、パイナップル30gで作りました
・いいちこ25度…20ml
作り方
①煮沸消毒した瓶(ジッパー付き保存袋でも可)にドライフルーツを入れて、いいちこを注ぎ、しっかり蓋をしてよく振る。
②そのまま丸1日以上漬けると完成。5日以上漬け込むとさらに味が馴染みます。
*保存期間:冷蔵庫で2週間
Point!
どんなドライフルーツを使っても良いですが、マンゴーやパイナップルなど甘味の強いもののほうがよりおいしく仕上がります。
焼酎漬け以外にも! 焼酎が毎日の料理をさらにおいしく
今回ご紹介した焼酎漬け以外にも、本格焼酎は料理の下味やソース作りなどにも活躍します。
例えばこちらは、マヨネーズ(大さじ1)に「いいちこ25度」(小さじ1)と黒コショウ(適量)を混ぜ合わせたソース。
焼酎を加えることで、軽やかな口当たりでありながら奥行きのある味わいのマヨネーズソースに。野菜スティックなどにつけて食べると後を引くおいしさです。
飲む楽しみだけでなく、食べる楽しみも広げてくれる本格焼酎。ぜひ、毎日の食卓にお役立てください。
※アルコールを含むので、お子様をはじめ、アルコールに弱い方、妊娠・授乳期の方だけでなく、運転する前や運転中にはお控えください。
レシピ考案・監修
いのうえ 陽子(いのうえ ようこ)さん
フードコーディネーター、栄養士、薬膳コンシェルジュ。大手料理教室で講師をした後、祐成陽子クッキングアートセミナーでアシスタントを努める。現在はフードコーディネーターとして、レシピ開発、スタイリングに携わる。
※記事の情報は2021年7月16日時点のものです。