今回は、焼酎づくりのプロにこっそり教えてもらった「塩焼酎」をご紹介。焼酎ロックにほんのわずかな塩を加えるだけで、焼酎の持つ甘みがぐっと引き立ち、まろやかでやさしい口当たりに変わります。繊細な味わいの変化を、ゆったりとお楽しみください。
古くからお酒の相棒として親しまれてきた「塩」
お酒に塩を合わせると聞くと、少々ストイックなイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、日本では昔から、枡の縁に塩を盛り、それをおつまみに日本酒を飲むという習慣がありました。また、マルガリータやソルティドッグなど、グラスの縁に塩をまとわせたスノースタイルで提供されるカクテルも定番です。
このようにお酒と塩は相性がよく、焼酎も例外ではありません。今回ご紹介する「塩焼酎」は、焼酎の甘みが引き出されるということで、焼酎づくりの蔵人の間でも楽しまれている飲み方です。
甘みが増したように感じられるのは、「味の対比効果」と呼ばれるもの。「スイカに塩」や「ぜんざいに塩」といった組み合わせと同じく、味わいの対照的な食材(塩)を少量加えることで、一方の味が強く感じられる現象です。
ちなみに、一口に塩と言っても、暖流の海水でつくった塩はあっさり味、寒流の海水でつくった塩はこってり味になるなど、エリアによって味はさまざま。それぞれの違いを楽しみ、お気に入りの塩を見つけてみるのもまた一興です。
本格麦焼酎「いいちこ日田全麹」を使った「塩焼酎」の作り方
「塩焼酎」にとりわけおすすめなのが「いいちこ日田全麹」。一次仕込み、二次仕込みともに大麦麹を使い、贅沢な全麹づくりでつくられた「いいちこ日田全麹」にごく少量の塩を加えると、麹由来のまろやかさと甘い香りがより一層引き立ちます。
塩焼酎の作り方①
グラスに大きめのロックアイスを入れます。
塩焼酎の作り方②
「いいちこ日田全麹」を、グラス半分くらいを目安に注ぎます。
塩焼酎の作り方③
ごく少量(親指と人差し指の先で軽くつまむくらい)の塩を入れ、マドラーで軽く混ぜていただきます。
<参考文献>
・青山志穂/著『日本と世界の塩の図鑑』あさ出版
※記事の情報は2024年5月14時点のものです。