焼酎の本場・九州で親しまれてきた「前割り」という飲み方を試したことはありますか? あらかじめ焼酎を水で割って数日寝かせることで、口当たりが驚くほどまろやかになり、いつもの焼酎が何倍もおいしく感じられるんです。キンキンに冷やしてもよし、燗をつけてもよし。「前割り」を知れば、焼酎の楽しみ方がぐんと広がりますよ!

九州でおなじみ「前割り」焼酎のススメ

小料理屋の主人が前割り焼酎を仕込むシーン

「前割り」とはその名の通り、焼酎をあらかじめ水で割って、少なくとも1日以上寝かせてから飲む方法。焼酎王国・九州では昔から親しまれてきた飲み方で、とくに宴会や冠婚葬祭など大勢が集まる場ですぐに客にお酒を提供できるよう、事前に焼酎を水で割って仕込んでおくことはもてなしの知恵でした。

「前割り」はいつもの焼酎をよりおいしくする飲み方としても知られています。焼酎と水を合わせてじっくり寝かせることで、アルコールの刺激が和らいで口当たりがまろやかになり、水が焼酎本来の味わいや香りを引き伸ばすと考えられているのです。まさに「前割り」は、“割って飲む”という焼酎ならではの特性を生かした楽しみ方と言えます。

前割りした焼酎は食事と一緒に常温でいただくもよし、少し薄めに作ったのを冷やして喉を潤すもよし、日本酒のようにお燗をつけてゆるゆる飲むもよし。自分の好きな割合で前割りした焼酎を今日はどんな温度帯で飲もうか…と考えるのも楽しいひとときです。

本格麦焼酎「いいちこ25度」を使った「前割り」の作り方

前割り焼酎・完成カット

ここでは本格麦焼酎「いいちこ25度」を使った「前割り」の作り方をご紹介します。「いいちこ25度」は水で割っても味わいがしっかり感じられ、余韻も続くという特長があるので、前割りをするのにも打ってつけ。青リンゴや南国系フルーツのような華やかな香りが穏やかに引き出されます。

「前割り焼酎」の作り方①

「前割り焼酎」の作り方①

清潔な空き瓶やペットボトルに「いいちこ25度」と水を好みの割合で入れます。基本の割合は、いいちこ4:水6。割り水は、浄水器を通した水道水や、硬度60mg/L以下のミネラルウォーターがおすすめです。

「前割り焼酎」の作り方

「前割り焼酎」の作り方②

1日~3日間程度寝かせて完成です。常温や冷や、ロック、お燗など好みの飲み方でどうぞ。

※酒税法の規定(酒税法:法43条11項)により、前割り焼酎は消費者が自ら飲むための酒類とし、他者への提供や販売、譲渡はできません。作ったご自身と同居されているご家族の方のみでお楽しみください。

<参考文献>
・金本亨吉・沢田貴幸/著『焼酎語辞典』誠文堂新光社

※記事の情報は2024年2月6時点のものです。