BiSHやBiSなどのサウンドプロデューサーとして知られる松隈ケンタさんによる、YouTubeにて配信される音楽トーク番組「iichiko ROCK!」。第2回はゲストにGLAYのHISASHIさんを迎え、麦焼酎「いいちこ」をお供に、時にユル~く、時にまじめにトークを展開。三夜に分けて公開された二人の音楽談義をレポート!

<MC>

MC

松隈ケンタ
1979年福岡県出身。音楽集団スクランブルズ代表。音楽プロデューサー。自身のバンド、Buzz72+で2005年にメジャーデビュー。2007年の活動休止後(2020年活動再開)は、BiSHやBiSなど、多くのアーティストのサウンドプロデュースを手掛ける。お酒をこよなく愛し、なかでも日頃からいいちこファンを公言。

<ゲスト>

ゲスト

HISASHI
1972年北海道出身。GLAYのギタリストとして活躍するほか、ACE OF SPADESのリーダー兼ギタリストとしても活動。さまざまなアーティストのプロデュースや楽曲提供、バラエティ番組への出演、YouTubeなど、幅広い活動を行っている。

【第一夜】GLAY・HISASHI「BiSHの作曲者とのライブはオツでした」

ゲスト・GLAYのHISASHIさんと乾杯

第2回のゲストは、松隈ケンタさんがプロデュースを手掛けるBiSHやBiSなどWACK所属アーティストに注目しているというGLAYのHISASHIさん。

今回の対談が、久しぶりの再会だという二人。BiSHの横浜アリーナでのライブを一緒に見る機会があり、その時HISASHIさんは「作曲者と一緒に見られるBiSHなんて、なかなかオツなコンサートでした」と楽しんだ様子で、「その時にビールをおごってもらった」(松隈)というお酒好きな二人らしいエピソードも。

そんな二人のお供は、「いいちこ下町のハイボール」。実は、しっかり向き合ってお酒を飲むのは初めてという二人。乾杯して一口味わうと、「ここまでドライなお酒はなかなかないですね!」(HISASHI)と気に入った様子。

いよいよ「音楽談義」、スタートです!

今のGLAYがあるのは、HISASHIの発言があったから!?

HISASHIさんがギターと出会った頃のエピソード

松隈さんもHISASHIさんもともにギタリストということで、まずは、HISASHIさんがギターと出会った頃のエピソード。

中学生の時に聴いたパンクロックに衝撃を受け、「これだったら俺もできる」と思って、通販でギターを買ったのが最初だそう。「その時は恥ずかしくて誰にも言えず、こそこそ練習していて。高校に入ったら絶対にバンドを組もうと思っていました」(HISASHI)。

そこから、高校に入ってパンクバンドを組んだHISASHIさん。「高校生といっても不満ないじゃないですか」(HISASHI)、「パンクやるなら不満が欲しいですよね」(松隈)とパンクロックの原動力となる不満を欲するも、当時特に不満は生まれず。「のんびりとした街だから、この土壌にパンクは必要なかったんだ」と悟り、組んでいたバンドを抜け、GLAYに加入したそう。

当時から、高校生ながらもカバーでなくオリジナル曲で勝負していて、地元のライブハウスでも人気のあったGLAY。ですが、ある時、HISASHIさんは思わず、メンバーにこんなことを言ってしまったのだそう。「(曲が)BOφWYなんだよね」。このことをきっかけに、「こういう音を入れたら面白くなるんじゃないかなど、自分なりのアイデアを重ね合わせたりしていたら、流れるようにここまで来ていました」。もしHISASHIさんの突発的な発言がなかったら今のGLAYはなかったかもしれないですね。

さらに、ここからはレコーディングの機材の話などどんどんとマニアックな話題が展開されました。

【第二夜】GLAY・HISASHI&松隈のギター談義がどんどん過熱

「いいちこ下町のハイボール GOLDEN BLEND」で乾杯

第二夜で、二人の前に並んだのは「いいちこ下町のハイボール GOLDEN BLEND」。一口飲んだ瞬間にHISASHIさんから「これだ!」の一声。「今はなかなか難しいけれど、食べながらワイワイやりたいお酒ですね」(HISASHI)、「(おつまみは)魚とかいいですよね。肉でも合うと思います」(松隈)と印象を語る二人。あまりのおいしさに「帰りに買ってこ!」(HISASHI)。

第二夜は、ギタリストの二人らしく引き続きギターの話題からスタート。ファンにはおなじみのHISASHIさん愛用のギターがスタジオに登場。もともとは家具職人だった人がオーダーメイドで作っていた「ZEMAITIS」というモデルのギターで、現在ではもう流通していないもの。

「ZEMAITIS」のギターを3本持っており、どれもデザイン性には優れているものの「音が悪いやつもあるんですよ。なんで(ボディーに)貝貼った?みたいなやつ」とぶっちゃけトーク。松隈さんも「確かに音響構造上いいとは言えない」と思わず苦笑い。それでも、メインで使っている「ZEMAITIS」のギターの装飾はいい効果を発揮しているそう。

さらに二人のギター談義は過熱し、ボディーやネックの厚みの話に。その流れで松隈さんが、HISASHIさんのギターを持たせてもらうと、思わず「嬉しい」と笑顔になる松隈さん。しばらくの間、ギターを触りながらHISASHIさんの解説を聞いていたものの「壊したら嫌なんで返していいですか?」と、慌てて返却する様子に、スタジオでは笑い声が。

あのGLAYのヒット曲には、モチーフがあった!

HISASHIさんの特徴ともいえるギターテクニック「ピッキングハーモニクス」を教えてもらう

手元にギターが戻ってきたHISAHIさんは、ギターの音色を披露。「ハムバッカーなのにソリッドと言いますか、金属的な音がしますね」と、HISASHIさんのギターの音に聴きほれる松隈さん。HISASHIさんも「ボディーの薄さとかもあって(自分好みの音が出るので)、ライブの中ではこれが一番の機動力になっています」と好んで使う理由を語ってくれました。

そこから、HISASHIさんがなにげなくGLAYのヒットナンバー『誘惑』のイントロのフレーズをプレイ。あまりにもぜいたくなシチュエーションに思わず「すげー」と興奮する松隈さん。この印象的な『誘惑』のイントロですが、実は「THE MAD CAPSULE MARKETSの『G・M・J・P』という曲からヒントを得たんです」(HISASHI)といった裏話に松隈さんもビックリ。

HISASHIさんのプレイを聴いて、ギタリストとしての松隈さんの血がウズウズしたのか、HISASHIさんの特徴ともいえるギターテクニック「ピッキングハーモニクス」を教えてもらう流れに。「コツを一つ教えていただけると」という松隈さんですが、HISASHIさんは「音楽番組とかでも『どうやってるですか?』って聞かれるんですけど、だいたい出ない(笑)」。それには思わず松隈さんの「ギタリストあるあるですね」と納得。一緒に「ピッキングハーモニクス」をやってみるものの「ハーモニクスの鳴りが違う」と、HISASHIさんのきれいに響く音色に聴きほれていました。

【第三夜】HISASHIが語る“サブスクに合わせないGLAYらしさ”

「いいちこ25度」のソーダ割りで乾杯

HISASHIさんをゲストに迎えた最終夜は、「いいちこ25度」をそれぞれのお好みの濃さで割ったソーダ割り。最後にレモンを添えてさっぱりした味わいに仕立てると、「美味しい」(松隈)、「なんなら水ですね」(HISASHI)。

第三夜、最初のトークテーマは、「サブスクについて」。GLAYとしても常に時代の中で順応していたいという思いがありつつも、サブスクが世界の標準となっている中で、音楽の配信やグッズの販売などGLAY独自の流通サービス「G-Direct」を立ち上げたそう。ここでは、配信ライブを行ったり、ファンのみなさんとサブスクを一緒に学んでいこうといった思いがあるそうです。だた、やはりサブスク時代には「CDがもう無くなるの!?みたいな」驚きはあったそうですが、「時代っていうものに抗えないとしたら、GLAYはどう立ち回るか」や「逆境を楽しむ感じがすごくGLAYっぽい」というHISASHIさんの言葉から、現状をポジティブにとらえていることが伝わってきました。

さらに、HISASHIさん自身もサブスクを活用しているそう。もともとは所有派だったものの、面倒くさがりがゆえに、物が増えていかないサブスクが肌に合っていたというHISASHIさん。「文系的より理系的というか、効率を重視する」という松隈さんの指摘から、GLAYについての話題に。

GLAYは作業をする時に効率を重視するそうで、「ミュージシャンは、けっこうルーズなイメージだけど、GLAYは昼イチに(スタジオに)入って、ディナーには終わる。ちゃんと家族タイムも考えている」(HISASHI)。人間の集中力が続くであろう3~4時間程度、みんなで集まるという合理的なスタイル。でも、HISASHIさんは家に持ち帰って作業をしてしまうんだとか。

GLAY・HISASHI&松隈ケンタの豪華ギターセッション

GLAY・HISASHI&松隈ケンタの豪華ギターセッション

さらに話題は、GLAYの音楽について。1990年代はバンドの勢いなどを表現したかったが、2000年代以降は、サブスクを意識せずに音楽を自由に大事に作っていこうとしていると話すHISASHIさん。「狙ったものというのはあまりGLAYは得意ではないのかなと思ったり、GLAYが自然にやっている音楽が一番GLAYっぽいのかなと思ったり」(HISASHI)。

自身も学生時代にGLAYに触れていただけに、松隈さんも「みんなGLAYのコピーバンドやってたのに、GLAYっぽいバンドっていないですね」と、GLAYが独自路線を進んでいることを改めて噛みしめていると、「[Alexandros]のメンバーも“(GLAYを)聴いてました!”とか言って、(音楽性が)全然GLAYよりオシャレじゃないか(笑)」(HISASHI)とちょっとした自虐。

そして、最後に松隈さんとHISASHIさんのセッション。練習してきたという松隈さんに合わせ、二人で「彼女の“Modern…”」を披露。カメラの前だし、お酒も入っているしで緊張したという言葉とは裏腹に、息の合ったプレイを見せてくれた二人。松隈さんは「高校生時代の俺、見ているか!?」と、あこがれの人とのギターの共演に興奮しっぱなし。HISASHIさんの「演奏って楽しいですね」という言葉に、ギタリストとしての思いが集約されているように感じました。

3回にわたって配信されたHISASHIさんのゲスト回。お互いがギタリストということもあり、なかなか聞けないようなマニアックな音楽やギター談義がありつつも、GLAYの裏話や今感じる思い、今後の展望などについても話が繰り広げられ、とても内容の濃い3回でした。次回もレポートしますので、お楽しみに!


▼今回登場した「いいちこ」はこちら!
・「いいちこ下町のハイボール REGULAR BLEND
・「いいちこ下町のハイボール GOLDEN BLEND
・「いいちこ25度」ソーダ割り

※記事の情報は2021年5月7日時点のものです。(2023年3月1日更新)