5月から7月に出回るらっきょう。「らっきょう漬け」と言えば甘酢漬けが一般的ですが、今回ご紹介するのは焼酎のおつまみにぴったりの一風変わった2種の漬け方。下漬け不要なのでお手軽・簡単! シャキシャキとした小気味よい食感に、ついつい箸が進みます。
- 料理ビギナーにもやさしい「らっきょう漬け」
- らっきょうの旬と選び方
- らっきょうの下ごしらえ~下漬けいらずで簡単に!~
- らっきょうの下ごしらえ①|らっきょうを洗う
- らっきょうの下ごしらえ②|根と芽を切る
- らっきょうの下ごしらえ③|外側の皮をむく
- らっきょうの下ごしらえ④|塩をもみこむ
- らっきょうの下ごしらえ⑤|らっきょうを湯がく
- らっきょうの下ごしらえ⑥|らっきょうを冷ます
- 【漬け方①】らっきょうのレモン塩麹漬け
- らっきょうのレモン塩麹漬け|材料
- らっきょうのレモン塩麹漬け|作り方
- 【漬け方②】らっきょうの酢醤油漬け
- らっきょうの酢醤油漬け|材料
- らっきょうの酢醤油漬け|作り方
- 楽しみ方いろいろ! おつまみらっきょう漬けと「いいちこ」
料理ビギナーにもやさしい「らっきょう漬け」
「らっきょう漬けのいいところは、料理ビギナーでも失敗しにくいところ。梅干しや味噌作りに比べて断然ハードルが低いんです。それでいて自家製だとおいしさ5割増し!」
そう話すのは「簡単!5分で焼酎おつまみ」でもおなじみの料理家・山脇りこさん。毎年家族のために欠かさずらっきょうを漬け、料理教室でも旬の味として作り方を教えています。
「らっきょう漬けというと甘酢漬けのイメージがありますが、今回ご紹介するのはお酒のおつまみにぴったりの“甘くない”らっきょう漬け。市販のらっきょう漬けが苦手な方にもおすすめです。少量を漬ける方法なので下ごしらえも簡単。気に入ったら何度でも作れます。ぜひ気軽にやってみてください!」
らっきょうの旬と選び方
らっきょうの旬は5月のゴールデンウィーク明け頃から7月にかけて。スーパーの野菜売り場にも泥付きのものや洗ってあるらっきょうが並ぶようになります。産地としては鳥取県や鹿児島県、宮崎県が有名です。
「良いらっきょうを見分ける時のポイントは色と大きさ。泥付きのものでもよく見て、できるだけ白いものを選ぶようにしましょう。表面が緑色のものや芽が出すぎているものは収穫から日が経っています。大粒のものより小粒のもののほうがシャキッと歯応えが良く辛味が少ないのでおすすめです。洗ってあるらっきょうはなるべく早めに漬けるのがおすすめ。泥付きのものは少し日保ちしますが、冷蔵庫に保管して3~4日のうちには漬けるようにしてください」
らっきょうの下ごしらえ~下漬けいらずで簡単に!~
昔ながらのらっきょう漬けには塩をまぶして10日間ほど置く「下漬け」の工程がありますが、今回山脇さんが伝授してくれたのはすぐに本漬けできるお手軽な漬け方です。
「一度に大量に漬けて1~2年かけて食べる場合は、しっかり下漬けをしてらっきょうの水分を出し切り、辛味やくさみを抜きますが、今回ご紹介するレシピのように少量を漬けて短期間で食べきる場合は下漬けなしでOK。いくつかのポイントを押さえて下ごしらえすれば、特有のくさみや辛味が抑えられ、食感もしゃっきり。らっきょうが苦手な方でも食べやすくなります」
らっきょうの下ごしらえ①|らっきょうを洗う
らっきょうは水につけてよく洗います。特に泥付きの場合はざっと泥を落とすように洗い、もう一度水につけて洗います。
らっきょうの下ごしらえ②|根と芽を切る
洗ったらっきょうの根と芽を切り落とします。
らっきょうの下ごしらえ③|外側の皮をむく
らっきょうを再び水につけてもむように洗いながら外側の皮をむきます。
皮をむいてもう大丈夫と思ったところから、もう一枚むくのがポイント! たまねぎのように真っ白なところが現れるまで。そうするとしゃっきりとした歯ごたえの “一皮むけた”おいしいらっきょう漬けに仕上がります。
らっきょうの下ごしらえ④|塩をもみこむ
らっきょうに塩(らっきょう200~300gに対して大さじ1)をもみこみ、5分ほど置きます。
塩をしてらっきょうから水分を出すことで辛味が和らぎます。
らっきょうの下ごしらえ⑤|らっきょうを湯がく
鍋に沸かした熱湯に、塩をもみこんだらっきょうを入れてさっと10秒ほど湯がきます。
らっきょうの下ごしらえ⑥|らっきょうを冷ます
らっきょうをザルにあげて水気をしっかり拭き取り、人肌まで冷まします。
下ごしらえが済んだら、できたも同然! あとは必要な調味料とともに漬けるだけです。
【漬け方①】らっきょうのレモン塩麹漬け
塩麹で漬けたらっきょうは麹の力を借りてつくられる焼酎と相性抜群! 塩らっきょうよりもまろやかな味わいで、ポリポリいくらでも食べられそう。レモンの爽やかな香りと酸味のおかげで後味もすっきり。
らっきょうのレモン塩麹漬け|材料
【材料】
・(泥・皮付きで)200g分を下ごしらえしたらっきょう…正味130~150g(多少前後しても問題ありません)
・塩麹…大さじ2
・レモン(輪切り)…8枚
※できれば無農薬のもの。なければ皮をむいてください。
・保存容器(容量500mlくらい。ポリ袋やジッパー付き保存袋でもOK)
※保存容器は熱湯をかけて消毒し、焼酎や消毒用アルコールを染み込ませたキッチンペーパーで拭いておきます。
らっきょうのレモン塩麹漬け|作り方
保存容器に塩麹とレモンの輪切りを入れ、軽く混ぜてから下ごしらえしたらっきょうを入れて混ぜます。そのまま冷蔵庫に置いて、1週間後くらいから食べられます。
(保存:漬けてから冷蔵庫で約4週間)
【漬け方②】らっきょうの酢醤油漬け
さっぱり酢醤油が染み込んだシャキシャキのらっきょうはザ・酒の友! 特に焼酎のロックやお湯割りと相性抜群です。コク出しと腐敗防止のために少しだけ砂糖を加えますが、甘さはほとんど感じないので甘酢漬けが苦手な方にもおすすめ。
らっきょうの酢醤油漬け|材料
【材料】
・(泥・皮付きで)300g分を下ごしらえしたらっきょう…正味200~220g(多少前後しても問題ありません)
▼漬け液
・酢…80ml
・醤油…60ml
・酒…大さじ2
・砂糖…小さじ2
・(好みで)唐辛子や八角など…適量
・保存容器(容量500mlくらい。ポリ袋やジッパー付き保存袋でもOK)
※保存容器は熱湯をかけて消毒し、焼酎や消毒用アルコールを染み込ませたキッチンペーパーで拭いておきます。
らっきょうの酢醤油漬け|作り方
1.小鍋に漬け液の材料を入れて火にかけ、沸騰したら火を止めて人肌まで冷まします。
2.保存容器に下ごしらえしたらっきょうを入れ、漬け液を注ぎます。そのまま冷蔵庫に置いて、1週間後くらいから食べられます。
(保存:漬けてから冷蔵庫で1か月程度)
楽しみ方いろいろ! おつまみらっきょう漬けと「いいちこ」
自分で作ったらっきょう漬けはおいしさもひとしお。まずはそのままで食べて、らっきょうの独特の香りとしゃっきりとした歯ごたえを思い切り堪能しましょう。
らっきょう漬けはアレンジの楽しみも多彩です。例えばたまねぎの代わりに刻んでドレッシングやミートソース作りに。酢醤油漬けのほうは、刺身や塩もみきゅうりと和えるとオツな一品になります。さらに山脇さんのイチオシは、らっきょう漬けに衣をつけて揚げる天ぷらで「お店レベルのおいしさで最高のおつまみ」になるそう。
そのままでも、アレンジしてもおいしいらっきょう漬け。ぜひ「いいちこ」と一緒に楽しんでみてください。
この方に教えていただきました
山脇 りこ(やまわき りこ)さん
料理家。代官山で料理教室「リコズキッチン」を主宰し、『きょうの料理』や『あさイチ』(NHK総合)をはじめ、テレビ、ラジオ、雑誌などでも活躍。忙しい人にも作りやすく、身体にも優しく、モダンなエッセンスも加えた家庭料理を伝えている。『明日から、料理上手』(小学館)、『いとしの自家製』(ぴあ)、など著書多数。最新刊は初の書き下ろしエッセイ『50歳からのごきげんひとり旅』(大和書房)。
Instagram @yamawakiriko
※記事の情報は2022年6月10日時点のものです。(2023年8月4日更新)