人気消しゴムはんこ作家の津久井智子さんに、消しゴムはんこの作り方を教えていただきました。「いいちこ」、水割りグラス、おつまみのからあげの晩酌3点セットの図案付き! 年賀状などのポストカードやぽち袋、コースターや布製品などに押して、自分だけのオリジナルグッズを作ってみませんか?
この方に教えていただきました
津久井智子(つくいともこ)さん
消しゴムはんこ作家。埼玉県出身、静岡県熱海市在住。15 才から消しゴムはんこを作り始め、特技となる。2003年から、「象夏堂(しょうかどう)」の屋号でオーダーメイドのはんこ受注制作を始める。2005年に主婦の友社より、書籍「消しゴムはんこ。」を出版。小さなブームが起こるとともに、消しゴムはんこ作家として本格的な活動を開始。以来、メディア出演や各地でのワークショップ、イベントなどを通して、はんこの作り方や楽しみ方を広く紹介するようになり、新しいジャンルの確立に貢献。「津久井智子の消しゴムはんこ。アイデア帳」(主婦の友社)、「消しゴムはんこ。で年賀状」(大和書房)など著書多数。
人気作家・津久井智子さんに聞いた「消しゴムはんこ」の魅力とは?
―消しゴムはんこの一番の魅力はどんなところだとお考えですか?
やっぱり手軽なところですね。身近な文房具を使って、小さなスペースで作業できるので。消しゴムに絵や文字を書いて、絵や文字以外の部分を削ればはんこになるので、初めてやってもそれなりに形になるんです。
一方で、始めると奥が深くて、断面の美しさやちょうどいい傾斜の角度など、どこまでも突き詰められるのも魅力です。
―はんこは作って終わりではなく、押す楽しみもありますよね。
はい。年賀状や名刺といった人に渡すものにも使えて、見せる楽しみもあります。そうすると次はこんなものを作ろう!と楽しみが広がるのもいいところですね。
―今回は、津久井先生に「いいちこ」、グラス、からあげの晩酌セットの図案を作成していただきました。先生のお手本はまるで水彩画のような繊細な仕上がり! 上手に作るためのコツをお聞きしたので、ぜひ皆さんもチャレンジしてみてください!
消しゴムはんこの作り方①|使用する道具
津久井先生がワークショップ等でも使っていらっしゃるという道具を教えていただきました。
① インク
今回は指にはめて使用できるコンパクトなスタンプパッドタイプを使用(水性の顔料インク)
② 消しゴムはんこ用の消しゴム
初心者は「ソフトタイプ」が使いやすいそうです
③ 練り消し
インクを吸い取ったり、溝に入り込んだ消しゴムの削りかすを吸着したりします
④ カッターナイフ(大)
図案に合わせて消しゴムを切り出すときに使います
⑤ カッターナイフ(小)
図案を彫るときに使います
⑥ 彫刻刀(三角刃)
主に線を彫るときに使います
⑦ シャープペンシル(0.5mm/HB芯)
主に図案を写し取るときに使います
⑧ トレーシングペーパー
図案を写し取るときに使います
⑨ カッティングマット
机を傷つけないよう準備しておくと便利です
消しゴムはんこの作り方②|図案の準備
図案は以下よりダウンロードしてご使用ください。
図案に切り出し線(アウトライン)を入れます。下の画像のように、図案の1~2mm外側に直線で描きます。
ウェットティッシュなどで消しゴムの表面についている粉を拭き取ります。
彫った部分が見えやすいよう、表面をインクパッドで着色します。
ウェットティッシュで軽くインクを拭き取ります。消しゴムの表面には薄く色が残ります。
図案にトレーシングペーパーを乗せ、シャープペンシルでなぞります。
シャープペンシルで書いた面を消しゴムに当て、上から爪でこすります。ずれないように注意!
このように転写できます。同じ要領で「いいちこ」の文字やグラス、おつまみも転写します。
消しゴムはんこの作り方③|彫り方
「いいちこ」ボトルを彫ります
カッティングマットの上に消しゴムを置き、切り出し線に沿ってカッターナイフ(大)でカットします。
「いいちこ」の文字も同じようにカットします。
鉛筆を持つようにカッターナイフ(小)を持ち、図案の外側を面取りします。このときの姿勢は机に肘をつき、手を目の高さに。消しゴムを持った手で時計回りに動かしながら彫りすすめましょう。
白で表現したいキャップ下の部分をカッターナイフ(小)でくり抜きます。線の内側に刃を入れてください。
同じように瓶の光もくり抜きます。何度も刃を入れると線がガタついてしまうので、一気に彫るのが美しく仕上げるコツです。
彫刻刀(三角刃)でラベルの上下とキャップの筋を彫ります。
文字も同じようにまず外側を面取りします。
次に一文字ずつ面取りします。
図案に沿って彫ります。
グラスと氷も同じように、外側を面取り、白く表現したい部分をカッターナイフ(小)でくり抜き、氷のゴツゴツを表現する線や、グラスの液体とグラスの境目の線は彫刻刀(三角刃)で彫ります。
からあげも手順は同じですが、かぼすの皮の点はシャープペンシルの先で刺して穴を開けます。
消しゴムはんこの作り方④|試し押し&調整
練り消しを練ってやわらかくします。
彫り上がった消しゴムに押し当て、図案の下書きや溝に入った削りかすを吸着します。
試し押し用にはっきりした色のインクをムラなくつけます。
上から文字を押します。
気になる箇所を修正し、インクを練り消しに吸着させ、きれいにします。
消しゴムはんこの作り方⑤|色づけ
「いいちこ」ボトルを色づけします
ラベルを黄緑、ガラスの部分をくすんだ水色で色をつけます。ポンポンとたたくようにつけてください。
立体感を出すため、瓶の外側に少し濃い水色を乗せます。
ラベルも同じように少し濃い黄緑を外側に乗せ、立体感を出します。
キャップを緑で色づけすると、こんな感じ!
ラベルに黒色のインクで文字を乗せたら「いいちこ」はんこの完成です。
グラスを色づけします
グラスを彫った消しゴムに、くすんだ水色のインクをつけます。
氷を彫った消しゴムに、透明感を出すため、中心が薄くなるようグラデーションをつけて、グレーのインクを乗せます。
おつまみのからあげの色づけをします
お皿は薄いベージュ、かぼすの皮は濃い緑、実は黄緑のインクで色をつけます。
からあげは茶色のインクをつけ、下の部分に濃い茶色を乗せると立体感が出ます。
消しゴムはんこの作り方⑥|完成!
瓶のキャップの色を黄色にすれば「いいちこ20度」も押せます。
消しゴムはんこの作り方⑦|「いいちこ」はんこのおすすめの使い方
できあがった消しゴムはんこを、年賀状などポストカードはもちろん、コースターや布製品に押して、オリジナルグッズを作ってみませんか?
※記事の情報は2024年12月10日時点のものです。