成人年齢が18歳に引き下げられたことはニュースなどで知ってはいても、18歳でできるようになること、20歳のまま現状維持のことがあり、少々ややこしい…。お酒が飲めるのは何歳から? なぜ未成年の飲酒はNG? そんなギモンにお答えします!
成人年齢が18歳に引き下げられたのはいつから?
2022年4月1日から、成人(成年)年齢が18歳に引き下げられました。
日本における成人年齢の見直しは、明治9年に20歳と定められて以来、約140年ぶりのこと。近年、選挙権年齢などが18歳となり、18歳、19歳にも国政上の判断への参加を求める政策が進められ、こうした流れを踏まえ、民法においても18歳以上を大人として扱うのが適当と判断されました。
また、世界的にも18歳を成人年齢とするのが主流で、これまでの日本のように20歳を成人年齢とする国はごくわずかなのです。
OECD(経済協力開発機構)加盟国の成人年齢
18歳とする国 | 18歳以外とする国 |
アイスランド、アイルランド、アメリカ合衆国、イギリス、イスラエル、イタリア、エストニア、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カナダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、チリ、デンマーク、ドイツ、トルコ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、メキシコ、ラトビア、ルクセンブルク | 韓国(19歳) ニュージーランド(20歳) |
成人年齢の引き下げで何が変わる?
成人年齢の引き下げによって18歳、19歳は成人として扱われるようになり、以下のことができるようになります。
18歳になったらできること |
●親の同意がなくても契約ができる ・ 携帯電話の契約 ・ ローンを組む ・ クレジットカードをつくる ・ 一人暮らしの部屋を借りる など ●10年有効のパスポートを取得する ●公認会計士や司法書士、医師免許、薬剤師免許などの国家資格を取る ●結婚 女性の結婚可能年齢が16歳から18歳に引き上げられ、男女とも18歳に。 ●性同一性障害の人が性別の取扱いの変更審判を受けられる ※普通自動車免許の取得は従来と同様、「18歳以上」で取得可能 |
ただし、「お酒を飲む」を含む、以下の事柄の年齢制限はこれまでと変わらず20歳ですので、お気を付けください。
20歳にならないとできないこと |
●お酒を飲む ●たばこを吸う ●競馬、競輪、オートレース、競艇の投票券(馬券など)を買う ●養子を迎える ●大型・中型自動車運転免許の取得 (大型自動車運転免許の取得は21歳以上) |
未成年者がお酒を飲んではいけない理由は?
20歳未満の未成年者の飲酒は、「未成年者飲酒禁止法」により禁止されています。では、なぜ未成年はお酒を飲んではいけないのでしょうか? 国税庁のWebサイトでは、「未成年者がお酒を飲んではいけない5つの理由」として以下の内容が紹介されています。
1.脳の機能を低下させるおそれがあります 2.肝臓をはじめとする臓器に障害を起こしやすくなります 3.性ホルモンに異常が起きるおそれがあります 4.アルコール依存症になりやすくなります 5.未成年者の飲酒を禁じる法律があります |
20歳未満の人の飲酒防止に関する法律は?
「未成年者飲酒禁止法」では、20歳未満の飲酒を禁ずるとともに、
①親や親の代理をする者は、監督する未成年者の飲酒を制止しなければならない
②酒類を扱う販売業者や飲食業者は、未成年者が飲むことを知りながら酒類を販売・提供してはならない
とされています。
①に違反した場合は科料*、②に違反した場合は50万円以下の罰金が課されます。20歳未満の方自身が飲酒しないようにするのはもちろん、周囲の配慮も不可欠です。
*科料…刑罰の一種で、「1000円以上1万円未満」の金銭納付を命じられること
〈参考サイト〉
・民法改正 成年年齢の引下げ|法務省
・民法の一部を改正する法律(成年年齢関係)について|法務省
・18歳でしてはいけないこと|政府広報オンライン
・未成年者の飲酒防止の推進|国税庁
※記事の情報は2022年12月13日時点のものです。