「いいちこ」づくりの大ベテラン・丸尾剛さんが、全国各地の“酒場メシ”を食す! 今回訪れたのは相撲の街、東京・両国にある『ちゃんこ霧島 両国本店』さん。陸奥部屋の味を受け継いだという本格ちゃんこ鍋を「いいちこ25度」のロックといただきます!

“酒場メシ”ハンター

丸尾 剛さん

丸尾 剛(まるお つよし)
三和酒類株式会社 SCM本部所属
39年の焼酎づくりのキャリアを生かし、社内の若いつくり手たちのスキルアップをサポートする「焼酎づくりの先生」。普段家で飲むのは、もっぱら「いいちこ20度」か「いいちこ日田全麹」。最近、麹を使った調味料づくりにハマッている。

大相撲の聖地から徒歩3分! 元大関 霧島の店『ちゃんこ霧島』

今回丸尾さんがお邪魔したのは、両国国技館から徒歩3分の場所にある『ちゃんこ霧島 両国本店』さん。“元大関 霧島の店”ということで、店の前では霧島関が初優勝したときの優勝額と店名の入ったのぼり旗が出迎えてくれました。

ちゃんこ霧島さんの表玄関

丸尾「“相撲の街に来た!”という感じがしますねー」

実は大相撲ファンの丸尾さん、今回の訪問を楽しみにしていたのです。

丸尾「こんにちは。今日はお世話になります」

十文字「丸尾さん、こんにちは。いらっしゃいませ」

穏やかな声で迎えてくれたのは、『ちゃんこ霧島』のホールスタッフとして接客を担当している元幕内力士の十文字友和(じゅうもんじともかず)さん。角界引退後にこの店で働き始め、今年で12年目になるそうです。

ちゃんこ霧島のホールスタッフ・十文字さん
陸奥部屋出身の元力士・十文字友和さん。接客業のかたわら、その体格を生かした四股踏みで特別コースやオンラインショップ限定の「力士うどん」を打ったりもしている

『ちゃんこ霧島』は、元大関 霧島が親方を務める「陸奥(みちのく)部屋」直伝のちゃんこ鍋が味わえる店として、1995年にオープン。ちなみにその陸奥部屋は店のすぐ裏手にあります。

8階建てのビル全体が『ちゃんこ霧島』のフロアで、最大収容人数は300人と横綱級。店内には相撲甚句*がBGMとして流れ、フロアごとに相撲文化を感じるインテリアや霧島関ゆかりの品が飾られています。

*相撲甚句…大相撲の巡業などで披露される七五調の囃子歌

6F個室(有料)の壁面には元力士で日本相撲協会公認の漫画家・故琴剣淳弥さんのイラストが描かれている
6F個室(有料)の壁面には元力士で日本相撲協会公認の漫画家・故琴剣淳弥さんのイラストが描かれている
「和製ヘラクレス」と呼ばれるほどの鍛え抜かれた筋肉美で、多くの相撲ファンを魅了した元大関 霧島(現陸奥親方)
「和製ヘラクレス」と呼ばれるほどの鍛え抜かれた筋肉美で、多くの相撲ファンを魅了した元大関 霧島(現陸奥親方)

丸尾「この非日常感に包まれて食べるちゃんこ鍋は、きっと格別でしょうね」

『ちゃんこ霧島』に来たら必ず食べたい! 秘伝の「霧島手羽先」

ひとしきり店内の雰囲気を楽しんで、テーブルに落ち着いた丸尾さん。まずは「いいちこ25度」のハイボールで喉を潤すことにします。そのおつまみにぜひ、と十文字さんがおすすめしてくれたのがこちら、「秘伝 霧島手羽先」です。

秘伝 霧島手羽先

十文字「パリパリに揚げた手羽先を秘伝の甘辛だれにくぐらせて、胡椒をたっぷり振っています。(サイドメニューの中で)一番よく出る料理で、お酒にも合いますよ」

聞けばこのメニュー、料理長が手羽先の本場・名古屋の名店で修行して得た味を『ちゃんこ霧島』風にアレンジしたものなんだそう。多い日には1日24kgの手羽先を仕込むこともあるほどの人気ぶりだとか。

丸尾さん、早速出来立ての手羽先にかぶりつきます。

霧島手羽先にかぶりつく丸尾さん

丸尾「おいひい(おいしい)! 黒胡椒のインパクトがすごい。たれは思っていたほど甘くなくて、これは食べる手が止まらなくなりそうです」

そして「いいちこ」のハイボールをごくり。

丸尾「たまらんですねー。スパイシーな黒胡椒と『いいちこ』のハイボール、めちゃ合います。手羽先のジューシー感にシュワッとした炭酸が心地いいです」

十文字「昔は『いいちこ』というとお湯割りか水割りが定番でしたけど、最近はソーダで割ったハイボールで飲まれるお客さんが増えてきましたね。若い方からの注文も結構ありますよ」

焼酎をハイボールで楽しむというスタイルは、伝統ある相撲の街でも浸透してきているのかもしれません。

柚子胡椒が隠し味! 陸奥部屋の味を受け継ぐ絶品ちゃんこ鍋

『ちゃんこ霧島』のちゃんこ鍋

さあ、いよいよ今回の主役、『ちゃんこ霧島』のちゃんこ鍋の登場です。相撲部屋ごとに味が違うというちゃんこ鍋ですが、陸奥部屋の特徴は?

十文字「一番はスープですね。味噌と醤油を合わせて作るのが陸奥部屋流。出汁は、相撲部屋では『手がつかない』という験(げん)担きで鶏ガラのみでとるところが多いですが、この店ではスープに深みやコクをもたせるために豚骨でとったものも加えます。あと、これも珍しいと思いますけど、隠し味に柚子胡椒を入れます。そうすると、爽やかな風味が加わって味も引き締まるんです」

この“霧島味”と呼ばれる特製スープに入れる具は、野菜や豚肉、鶏ミンチ、ホタテやエビ、タコ団子などの魚介類に豆腐、油揚げなど盛りだくさん。

ちゃんこ鍋に鶏団子

注文したのは3人前ですが、優に5人前はあろうかというボリューム感です。これらの具材からもいい出汁が溶け出して、『ちゃんこ霧島』の味になるのだそう。

いい感じに煮えてきた具とスープを十文字さんが器によそってくれました。

器にちゃんこ鍋をよそってくれる十文字さん

ちゃんこ鍋に合わせるのは、「いいちこ25度」のロック。

ちゃんこ鍋に合わせるのは、「いいちこ25度」のロック。

丸尾「では、秘伝のスープからいただきます」

ちゃんこ霧島の秘伝のスープをいただく

丸尾「ああ、なんとも優しい味わいですね。柚子胡椒のおかげで爽やかな風味も加わって、全然くどさがないです」

そして店自慢の鶏ミンチやプリプリのタコが入ったタコ団子をパクリ。

鶏ミンチやタコ団子をパクリ

丸尾「ミンチや団子がスープをめちゃくちゃ吸っています。うまいなぁ。ちゃんこ鍋っていろんな具が入っているから栄養バランスもいいんでしょうね。お相撲さんたちが体づくりのために食べるのもわかります」

本場のちゃんこ鍋のおいしさに心奪われつつ、「いいちこ」ロックをひとくち。

「いいちこ」ロックをひとくち

丸尾「ちゃんこの優しい味わいに、まろやかな『いいちこ』ロックがぴったり寄り添いますね。スープに柚子胡椒が効いているのもポイントだと思います。柚子胡椒と『いいちこ』の爽やかなもの同士、お互いを称え合っている気がします」

その後も、ちゃんこ鍋→「いいちこ」ロック→ちゃんこ鍋のループが止まりません。

丸尾「『ちゃんこ霧島』さんのちゃんこ鍋は、最初は出汁の味が前面に出ていたんですが、時間が経つにつれスープに油揚げなんかの具材の味もしみ出してきて、味変するのが面白い。『いいちこ』のロックもそれと似たようなところがあって、最初は味わいが強く出るんですけど、時間の経過とともに氷が溶けてアルコール度数が下がり、口当たりが滑らかになるんですよ。けれど『いいちこ』は水が加わっても味が伸びるようなつくりをしているので、薄いと感じない。
鍋料理ってふつうは大人数で時間をかけて食べるものなんで、こういう食べ飽きない、飲み飽きない組み合わせって最高だと思うんです」

十文字「私もふだんから焼酎をよく飲むんですけど、『いいちこ』はやっぱり飲みやすいですよね」

丸尾「そんなことを言ってもらえるなんて、つくり手冥利につきます(笑)」

十文字さんの言葉に、嬉しさを隠し切れない様子の丸尾さんなのでした。

十文字さんとの会話を楽しむ丸尾さん

『ちゃんこ霧島』でどっぷりつかる相撲の伝統と文化

さて、ちゃんこ鍋を満喫した丸尾さん。ふと窓の外に目を向けると、両国国技館の緑青色の屋根が見えます。本場所中は、300人収容できる『ちゃんこ霧島』も相撲観戦後のお客さんで満席になるそう。なかには「また来たくて」と地方から来店してくれるリピーターも多いんだとか。

十文字「『陸奥親方の昔からのファンで』って言って来てくださる方もたくさんいます」

元大関霧島

十文字「あとウチのちゃんこ鍋の味を気に入って来てくださる方も。お客様がおいしかったって言って喜んで帰ってくれる時が一番うれしいです」

丸尾「こうやって誠実にお客様をもてなしてくれる、十文字さんはじめスタッフの方の存在も大きいんでしょうね」

十文字さんと丸尾さん

そんな『ちゃんこ霧島』を訪れてみた感想は?

丸尾「味もさることながら、やっぱりこのお店の雰囲気もたまらないですよね。脈々と受け継がれてきた相撲の伝統や文化を感じながら、本場のちゃんこ鍋を味わうのって、なんと贅沢なことかと。両国の地で、この店に来ないと体験できないことだと思います。
『いいちこ』も焼酎づくりの長い歴史の中で育まれてきたお酒です。今度また来るときは、そういった伝統や文化を一緒に楽しめる人とちゃんこ鍋をつつきながら、『いいちこ』のロックを飲みたいなと思いました」

今回お世話になったお店はこちら!

ちゃんこ霧島 外観

「ちゃんこ霧島 両国本店」
東京都墨田区両国2-13-7
TEL:03-3634-0075
営業時間:[平日]ランチ11:30~15:00(L.O.14:00)、ディナー17:00~22:00(L.O.21:00) [土日祝]:通し営業11:30~22:00(L.O.21:00)
定休日:月曜

※記事の情報は2023年4月25日時点のものです。