商品のパッケージに「糖質ゼロ」や「糖類ゼロ」といった表示があるのを見かけたことはありませんか? 一見よく似ているこの二つの言葉、実はそれぞれ意味が異なります。この記事では、糖質と糖類の違いから類似する言葉の意味まで、わかりやすく解説していきます。
「糖質ゼロ」と「糖類ゼロ」の違いは一体なに?
最近、お菓子やパン、ジュースなど、さまざまな商品のパッケージに「糖質ゼロ」や「糖類ゼロ」といった表示があるのを見かけることが増えてきました。こうした表示は缶チューハイや缶ハイボールなどのパッケージでもよく見られるため、お酒好きの方も気にされることがあるのではないでしょうか?
これらは「栄養強調表示」というもので、食品表示基準に基づき表記の方法が決められています。一見すると同じような意味にも取れますが、違いを知っておくことでより自分に合った商品を選べるようになります。
まずは「糖質」と「糖類」という言葉の違いから見ていきましょう。
「糖質」と「糖類」の違いは?
食べ物や飲み物に含まれる栄養素のうち、体を動かす重要なエネルギー源となる「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」は、三大栄養素と呼ばれます。
そのうちの「炭水化物」は、「糖質」と「食物繊維」から構成されています。つまり「糖質」とは、炭水化物から食物繊維を抜いたものの総称です。
糖質は、そこからさらに「糖類」「少糖類」「多糖類」「糖アルコール」「その他」の5つに分けることができます。要するに「糖類」は、糖質の一部ということです。
糖類は「単糖類」と「二糖類」から成ります。単糖類にはブドウ糖・果糖・ガラクトース、二糖類には砂糖(ショ糖)・麦芽糖・乳糖などが含まれます。
まとめると、「糖質」は糖類だけでなく少糖類や多糖類などすべてを含むのに対し、「糖類」は単糖類と二糖類のみを表します。
「糖質ゼロ」と「糖類ゼロ」は似て非なるもの!
上記を踏まえると、「糖質ゼロ」と「糖類ゼロ」の意味も当然異なります。
「糖質ゼロ」とは、糖類をはじめ、少糖類や多糖類などの糖質すべてがゼロであるということ。一方で「糖類ゼロ」とは、糖質の中の一部である糖類のみがゼロであることを示します。
「糖類ゼロ」と表示されている場合、糖類以外の糖質が含まれていても問題ありません。「糖類ゼロ」の表示があって甘さを感じる場合は、糖類以外の糖質で甘みがつけられている可能性を考えることができます。
「ゼロ」が表す意味もチェック!
「糖質ゼロ」や「糖類ゼロ」のように、ある成分が含まれないことを強調する表現はほかにもあります。
【含まない】ことを強調する表現の例 〇〇ゼロ、無〇〇、ノン〇〇、〇〇フリー、〇〇レス |
ただしこれらの表現は、成分の含有量がまったくの「0(ゼロ)」でなくとも、栄養強調表示に関して定められている一定の基準以下であれば表示してよいことになっています。
糖質※と糖類の場合は、含有量が100ml当たり0.5g未満に抑えられていれば、上記の表現を使用することが可能です。
※ 栄養表示基準では、食品の質量からたんぱく質、脂質、食物繊維、ミネラルおよび水分の量を差し引いたものを「糖質」として算定します
「低糖質」や「糖質オフ」などの表示は含有量を要確認
では、「低〇〇」や「〇〇オフ」といった表示はどうでしょうか。これらは、ある成分が含まれる量が低いことや、他商品と比較し低減されたことを強調する表現として使われています。
【低い】ことを強調する表現の例 低〇〇、〇〇ひかえめ、〇〇ライト、ダイエット〇〇…etc. 【低減された】ことを強調する表現の例 〇〇%オフ、〇〇%カット、〇〇ハーフ…etc. |
「糖類」の場合、これらの表現を使うには以下の基準が定められています。
低い旨の表示 (100gあたり) |
低減された旨の表示 (100gあたりの低減された量) |
|
糖類 | 食品:5g以下 飲料:2.5g以下 |
食品:5g以上 飲料:2.5g以上 |
出典:食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン
しかし「糖質」には、明確な基準がありません。パッケージに「糖質オフ」や「糖質カット」などと記されている場合、これはあくまでも比較対象商品と比べて低いという意味合いなので、購入する際は実際の糖質量を確認するのがおすすめです。
「シュガーレス」や「ノンシュガー」などの違いは?
糖に関する表示にはほかに、「シュガーレス」「ノンシュガー」「無糖」「糖類無添加」「砂糖不使用」といったものもあります。これらの意味もこの機会にまとめて押さえておきましょう。
まずは「シュガーレス」「ノンシュガー」「無糖」についてです。これらの表示で使われる「シュガー」や「糖」という言葉は、単糖類・二糖類を含む「糖類」と同じ意味を持ちます。
上記で解説したとおり、「レス」や「ノン」、「無」は「ゼロ」と同様の意味なので、「シュガーレス」「ノンシュガー」「無糖」=「糖類ゼロ」と考えることができます。
「糖類無添加」「砂糖不使用」という表示についてはもう少し複雑です。この表現は以下の条件をクリアしている場合にのみ表示することができます。
① いかなる糖類も添加していない(ショ糖、ブドウ糖、はちみつ、コーンシロップ等) |
② 添加された糖類に代わる原材料または添加物を含んでいない ・糖類を含む原材料を使用していない(ジャム、ゼリー、甘みのついたチョコレートや果実片など) ・添加糖類の代用として糖類を含む原材料を含んでいないこと(非還元濃縮果汁、乾燥果実ペーストなど) |
③ 酵素分解やそのほかの方法により、糖類の含有量が原材料及び添加物の量を超えない (でんぷんを加水分解して糖類を産出させる酵素の使用など) |
④ 糖類の含有量を表示する |
出典:栄養強調表示/糖類を添加していない旨の表示|消費者庁
「いいちこ下町のハイボール」は糖質ゼロ!
ここまで、糖に関する表示について解説してきました。それぞれ細かな基準によって意味が異なってくるため、少々複雑だったかもしれません。
これらの表示は、日ごろから健康に気遣う方はもちろん、「そろそろ、体のために糖を控えたほうがいいかな…」と思っているお酒好きさんにとっても見逃せない情報。ですが、できればお酒くらいは「細かいことはあまり気にせず楽しみたい」という方も多いかもしれませんね。
そんな方に知っていただきたいのが「いいちこ下町のハイボール REGULAR BLEND」です。
「いいちこ下町のハイボール REGULAR BLEND」は、うれしい糖質ゼロ。さらにプリン体、香料、甘味料もすべてゼロです(アルコールを含みます。飲みすぎには十分注意しましょう)。
かぼすスピリッツの隠し味が効いたさわやかな味わいは、さまざまなジャンルの料理にぴったり。麹由来の自然な甘みと本格焼酎らしい飲みごたえが楽しめる、満足感たっぷりのハイボールです。
糖質が気になる方は、ぜひ一度「いいちこ下町のハイボール REGULAR BLEND」を試してみてはいかがでしょうか?
【参考文献・URL】
・前川智/著『イラスト&図解 ゼロから知りたい! 糖質の教科書』西東社
・消費者庁/食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン
・消費者庁/栄養成分表示及び栄養強調表示とは
・東京都/栄養成分表示ハンドブック
・厚生労働省/栄養表示基準に基づく栄養成分表示
・厚生労働省/e-ヘルスネット 炭水化物/糖質
※記事の情報は2024年6月28日時点のものです。